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【自転車旅】パリからフォンテーヌブローへ④

 フランス・パリから70キロ先にあるフォンテーヌブローまで自転車の旅4話です。今回はちょっとハードなエリアを走っていた為、写真が撮れてなくて少なめです。


↓第一話はこちら



【Boissise-le-Roi付近】

今回はボワシーズ=ル=ロワの町外れからのお話。

前半のわくわくした気持ちはとうの昔にどこかへ吹っ飛び、現在はただただ目的地のフォンテーヌブローまで、なにもない一本道を体力の続く限り走っている。


【Chailly-en-Bièreの街】

夕方になる頃シャンティ-アン-ビエールという小さな街に着いた。
 メインストリートには、スーパーがなくバーみたいなお店が数件あるだけだった。若干喉が乾いてきたけれど、メインストリートから外れてスーパーに行くのも面倒くさかったのでスルーしてしまった。。

1キロ程で街を出れてしまうほど小さな街だった。
そしてまたなにもない1本道となる。
紅葉が綺麗だが、その時はただただ前を見て走るだけ( ; ゚Д゚)
私達が通って来たD607とD637が交わる交差点。
遠くまで見通しがいい。今は気が重くなる。。

 堪らずに地図を確認すると、フォンテーヌブローまでもう目と鼻の先だ。ゴールが見えた気がして気が緩んだのか、疲労がさらにたまる気がする。


 (私の自転車旅歴)

話が少し変わるが私の自転車歴を話そうと思う。
私の自転車旅は日本でロードバイクを手に入れた時から始まった。自分の足でどこまでも行けてしまう自転車旅が面白かった。東京・三鷹の自転車やさんでロードバイクのFUJIを購入した翌日に早速、都内に走りに行った。ロードバイクを持っている人なら分かると思うが、ロードバイクの後にママチャリが重くて乗れなくなるほどロードバイクは快適で早いのだ。渋谷のスクランブル交差点を颯爽と走った快感は今でも忘れられない。

20代の頃、パンクキットもなく飛び出した東海道への旅。なつかしい。
女子独り旅は安全な日本だからこそできた。

それに味を占めてしまい、2012年に東京ー京都の東海道を走る旅に出た。車の免許がなかった私にとって自転車があれば一人でどこにでも行けるんだ!( 。゚Д゚。)!という究極の自由を初めて味わった気がする。何も知らずに旅にでてしまい、思ったよりきつい箱根の山を登っていた時は一度涙したが(笑)ZARDの『負けないで』に励まされ箱根に打ち勝つことができ、頂上のレストランでカレーを食べた。あの味は今でも忘れない。

人生で一番自由を感じた時は?と聞かれたら間違いなくこの時だと答えるだろう。何もしていない自由ではなくて、好きなことをしてウキウキしている自由の時。

その後は海外一人旅にはまっていたものの、旅先のオーストラリアで高級なロードバイクをレンタルして海まで走りに行ったりもした。
南アフリカに住む時に泣く泣くロードバイクを手放したが(*T^T)、福岡に住む時に現在の自転車を購入し福岡でもゆっくり走るポタリング旅をしたりした。


(軽い脱水症状)
 なので、ある程度自転車旅の経験があるのにも関わらず、今回大変なミスをしてしまったのだ。このなにもない道中、水が足りなくなるハプニング(予測できたからハプニングじゃないけど)が起き、途中で水分不足で喉が乾き頭がくらくらして、血の気がさらさらと引く感じがしてきた。フツーに初期の脱水症状だ(;´д`)

太陽もなく寒かったから、一応ちょくちょく水分は捕っていたものの、ここまであまり水分を必要としていなかったと思う。日本ならばどんな田舎でも自販機があるけれど、ここフランスでは車の往来が多いいエリアでも自販機一つないのだ。海外なら当たり前なんだけど。。心残りのどこかで何かしらあるかなぁと思ってた甘い私。。

 疲れてきてスマホで行き先をチェックするのが億劫になり、目的地まであとなんキロかも分からず走っていたのは精神的に少し追い込まれる笑

 さらに自転車の空気が減ってきて漕ぐのが重くなり、パンクしないだろうか心配になる。パンクしたら目的地まで引きずるしかないのだ。そんなネガティブな考えを持ちながら、ただただパートナーの背中を見て走る。

 軽い脱水症状の中、今回の旅の中で一番高い丘を登ることになる。喉が乾いてダメージをおっている状態で、先の見えない坂を登るのは厳しかった。

たまらず立ち止まってしまい、パートナーに何か水みたいなのはないかときく。(とっくに水が切れているのは知っているが)するとバックの底に潜んでいた半分のリンゴがあることに気がついた。

 ヘロヘロになりながら、4分の1のリンゴにかぶりつく。その瞬間じゅわぁぁぁと果実が口に広がり、体全体に染み渡り細胞が沸々と生き返って行くような感じがした。何十万もするワインよりも美味しいリンゴの果実だっただろう。(そんなワイン飲んだことないけど)

スーパーマリオでいうクリボーみたいな存在である、どこでも手に入るリンゴにこんなに感謝したのは人生で初めてだと思う。

たった4分の1のリンゴが、ヘロヘロだった私に水分と元気を与えてくれて、驚くほど体が動くようになった。そして車がバンバン通る長い坂をを登っていく。

 登りきったらあとは下りだ。下りもまた長い道のりだった。辺りはもう暗くなり遠くに見えるフォンテーヌブローの街の控えめな光が、私の心を安心させてくれた。やった。ようやく到着だ。

 登りでの辛い経験は数分の下りの中で、何事もなかったかの様に忘れ去ってしまう。辛い思い出はいつも爽快な下りで忘れてしまうから、また坂に登りたくなってしまうのだ。

【フォンテーヌブローの街】

車のライトが着いているぐらい暗かったのだが、写真を撮るときスマホが自動で明るくしてくれたらしい。

 街に入った瞬間、高そうな高貴な家々がお出迎えしてくれた。

 ものすごい大きい家ではないが、こじんまりしていて古そうな家。煙突が付いている家が多く暖炉でもあるのだろう、、と寒空のなか想像してしまう。

 フォンテーヌブローの街はかなり小さくて、すぐに予約した宿に着いた。

【Hotel Fontainebleau LA Carpe d'Or】

 宿に到着。予約の時に自転車の駐輪がオッケーだったのでこちらに決めた。フランスに来て初めて泊まる宿だ。

 入り口には、こんなかわいいお出迎えが。疲れが一気に吹っ飛んだ。

いや。かわいすぎでしょ。

フランスでみる柴犬ワンコはさらに可愛さが増す。そして海外であう日本人かのような安心感を勝手に感じてしまう。とにかく可愛かった。70キロの旅なんてなかったかのように疲れがとんだ。

入り口はロックがしており、オーナーの人が降りてくるのをまつ。ガラス越しに見つめてくる柴犬ワンコ。


はやく、、はやく、、柴犬ワンコに触りたい(*´Д`)

グッとこらえて次回へ。


 ★フランス自転車旅シリーズ★

★福岡ポタリング旅①~③★






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