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スリランカアーユルヴェーダ旅行記②(治療プランと食事編)

前回投稿をしてから、想像もしていなかった数の友人知人からスリランカでのアーユルヴェーダステイについて問い合わせや連絡が入り、正直驚いた。

施術の詳細が知りたいとか、効果はどうだったかとか、予約はいつの時期が良いのかなどの質問や相談が両手では到底収まらないくらい来ていて、こりゃちゃんとまとめて書いておく必要があるなと、続編をやや細かめに書いていこうと思う。

今回は、私の治療方針(薬、トリートメント)と食事についてまとめていこうと思っている。なるべく誤りがないように注意を払って書いてはいるが、体験記なのであくまでも主観・一例として受け取ってもらえるとありがたい。
興味がある皆さんの参考になれば幸いだ。



前回書いたようにアーユルヴェーダホテル到着の翌朝、ドクターのファーストコンサルテーションにてドーシャとプラクリティが診断され、そこで10泊11日間の大まかな治療方針が決定された。

まずはお薬について。
私はもともと虚弱体質気味なため、免疫力を高める薬、胃腸を整える薬、むくみ解消のための薬などが朝晩2回(食前・食後)、さらに寝る前と、まずは合計5種類処方されることになった。
もちろん体調によって処方も変わっていくため、薬の数や種類は日々変化していく。

気になる味はというと、たいていのものは「良薬口に苦し」を地でいく不味さ。まぁ漢方薬の苦さをイメージしてもらえばわかりやすいと思う。
錠剤なども大きめで糖衣でないものが多く、飲みにくいったらなかったが、私を含めみんな世界中から健康になるためにわざわざここまで来ているので、各々渋い顔をしながら一生懸命服用していた。

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ちなみに薬は、レストランフロアの一角にあるレトロな薬棚にスタッフが毎回準備をしてくれているので、それを取りに行き服用するだけ。
このシステムはわかりやすく飲み忘れの心配もないので、とても有難かった。

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そして投薬以外では、以下のような手段でコンディションを整えていくことになった。

・肩や首のこりや疲れ、むくみ:オイルやクリームを使ったマッサージ
・不眠気味、寝つきの悪さ:毎日の鍼治療とシロダーラ4日間
・慢性鼻炎:ナシャカルマとハーバルスチーム吸引
・時々起こる皮膚の炎症や体のだるさ:パンチャカルマ(体内デトックス処置の一種)下剤法を1日実施

上記のような大まかなプランをベースに、毎朝行われるドクターコンサルテーションで微調整を行い、個人に合わせたスケジュールが日々組まれていく。
スリランカではアーユルヴェーダは伝統「医療」なので当たり前と言えば当たり前なのだが、しっかりとメンタル・フィジカル共にコンディションを確認しながら個人に最適なプランを示し、柔軟に対応してくれるので、とても安心感がある。
(ちなみに当直のドクターもいるため、夜中にもし異変が起きても対応してくれるそうだ。)


ただ、宿泊する日程が短い場合受けられない治療も多いので、体験してみたいトリートメントなどがある場合は予約時に確認するのがベター。
私が宿泊したホテルでは、鍼治療もシロダーラも確か7日以上の滞在者のみ、パンチャカルマ下剤法は10日以上と決められていたように記憶している。
まぁ本来アーユルヴェーダは「これをやりたい!」と自分が主張するものではない気がするので、ドクターが日数と体調を考慮して決めたプランに従って素直に受けていくのが正しいのではないかと思う。



次に食事について。
ドクターのファーストコンサルテーションが終わると、ドーシャに合わせたものだけを摂取するよう指導がなされる。
ビュッフェ形式で提供される1日3回の食事は、全ての料理に小さな札が設置されていて、3種類のドーシャにどれくらいポジティブ・ネガティブな影響があるか「+マーク」と「−マーク」で記載があり、それらをチェックしながら各自お皿に盛り付けていくスタイル。
私はヴァータ・カパ混合タイプなので、この2つのドーシャに+マークが多いもの、少なくとも−マークがないものだけを食べて過ごすことになった。

メニューは菜食中心の日替わりで、朝昼晩違ったメニューが提供されるため(ダルカレーなど定番メニューもあるが)、数週間程度なら飽きずに楽しむことが出来るようになっている。

品数はかなり多く、まずは全てのドーシャに対応した温かいスープが1-2種類、ミックスサラダが常時2-3種類に生野菜が5-6種類、全粒粉パンに赤米・白米などの炭水化物に、野菜カレーが数種類、チキンや魚のソテーなどのメイン料理が1品に、たくさんのトロピカルフルーツが毎日用意されている。

朝にはヨーグルトやフレッシュジュースなどもあって、野菜も果物もどれも新鮮で本当に美味しい。

目にも鮮やかなメニューの数々に、毎日うきうきしながらレストランに通っていた。

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アーユルヴェーダではその土地の旬のものを、6味6性バランスよく食べることが基本とされているので、ドーシャ縛りがあっても食べられるメニューは様々で、全くつらくはなかった。


ちなみにここでは一切のアルコール、喫煙、カフェイン摂取は禁止されていて、飲み物は常温水か白湯、ハーバルティーのみだ。
アルコールをやめたい人やカフェインを減らしたい人にとってはなかなかない好環境だと思う。
施設内には複数ウォーターサーバーやハーバルティーブースが設置されていて、ガラスの水差しと水筒、電気ケトルなんかも部屋に準備されている。白湯生活に慣れてしまえば何も不自由することはなかった。

こんな感じで、とにかくこのホテルでは、野菜嫌いやよほどの偏食家でない限り、食事は十分に楽しむことが出来るはずだと思う。
毎朝一杯のお白湯から始めるアーユルヴェーダ的生活習慣は、すぐにでも取り入れられるのでぜひおすすめしたい。

アーユルヴェーダでは、
全ての食べ物は「薬」
体内に残った未消化のもの(アーマ)は「毒」となる
そう考えられているそうだ。

ドーシャと乱れ、さらには季節、またさらには時間帯をも意識しながら決められたものを食べ、バランスを整えていくアーユルヴェーダ的食生活。

人それぞれ胃腸の働きも違えば、季節や体調、時間によっても消化能力は変化する。そうした変化を当然起こり得るものとして、自分自身の体に負担が少なく、また活力を与えてくれるものを選び、食べ、心身を整えていくというアーユルヴェーダの考え方は、現代に生きる私たちから見てもとても理にかなったものなのではないかと思った。

次回に続く。


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