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⑧2001年ユーラシアの旅 (陸路一周): ヨーロッパ野宿編3 スイスで野宿

この欧州を回った1か月ほどで、宿に泊まったのはほんの数回であった。
他は大体夜行列車か、駅の椅子かベンチで寝ていた。

6月のことだったし、大きな駅は国際列車が入るため24時間営業だったので、夕方から夜中にどこかの駅にいけば朝まで無料で一晩過ごせたので、これは素晴らしい!と思っていた。

が、大誤算をしたのがスイスだった。

普段の調子で夜遅めにスイスの駅についた(チューリッヒかジュネーヴか忘れたけれど多分チューリッヒ)。駅のベンチで寝る気満々だったのだが、しばらくすると駅員が現れて、駅(寝床)を追い出されてしまったのである。私の風体が怪しすぎるせいではなく、夜は構内を閉めるらしい…24時間営業じゃなかったのか…!!

しかし追い出されて困った。まず、夜中なのにスイスフランを一銭も持っていない

(時は2001年ですでにユーロは導入されていた…ような気になっていたが、Wikiで調べるとまだユーロは流通していなかったようであるので、各国で両替をしていたのだろうか)

スイスフランがないと何も買えないし宿にも泊まれず、困り果てた。駅の両替所はもう開いていなかった。街へ出て両替所を探すしかないしかない、となり、やむなく無賃なのは分かっていたがトラムに乗って、乗客に「すみません…両替してもらえませんか…」と聞きまわってみたものの、そんな怪しい者への答えはもちろん無視かNoである。

適当にトラムを降りて街で両替所を探したが、夜中にはもちろんない。ひたすら暗い街中を歩き回って、私は絶望的な気分になった。夜も更けて、私は諦めて野宿することにした

そこら辺の駐車場に入り込み、端っこでシーツをかぶって寝ることにした。
『バックパッカー読本』に、ヨーロッパのユースホステルではシーツが要りますよ、と書いてあったので、謎にシーツを持ってきていたのだった。

………

疲れ切って寝ていると、まだ夜も明けないうちに、突然眩しくなって起こされた

寝ていた場所の前の車にエンジンがかかって、ライトが点灯したのであった。

私はびっくりしたが、車に乗っていた人はライトを点けた途端、白いシーツにくるまれた物体がいきなり現れて、こちらからも分かるくらい物凄くびっくりしていた。そりゃそーだろう。しかもよく見ると怪しいボロボロのアジア人である。

私は内心動揺していたが、何事もなかったかのように急いでシーツをしまい込んで、駐車場を立ち去った。

私の主観では、この旅で野宿をしたのはこの1回だけである。


To be continued...

野宿出身、未だにおよそ野良ですが、まだサバイブしてます。