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リスクを取るか?束縛を取るか?

写真は、フードコーディネーター協会が開催する懇談会に参加した時の、空の風景写真。

鯉のぼりは繋いでいないと、何処に飛んでしまうか分からないけど、人が人の意志を縛り付ける筋合いはない。

多少リスクがあっても、空を自由に飛ぶか?

ケージの中という窮屈さはあるけど、守られた環境の中に置かれるのか?

物理的なリスクには注意を払わないといけないところだけど、自分の人生の意思決定はどちらを選ぼうとその人の勝手。


あいにく、料理の写真を撮らなかったのですが、懇談会参加時に、色んな人との名刺交換を行った。

資格を取得する目的って…それぞれあると思うのですが。。。

会社で取得するように言われたから渋々と取得した…

↑結構、このように答える人は多い。

(世の中の人間て、消極的なんだなぁ…)

会社という守られた環境にて、束縛を受けながらも上層部の指示通り動くことで保身に走る人って、本当に多いと思います。


現在私は、ケアマネとして働いていますが、実務者研修や更新研修の場で、他の参加者から「何で栄養士がケアマネを?」と不思議がられたことがありました。

ケアマネに関するブログを検索すると、ケアマネは介護福祉士の上位互換と述べているものもありますが、実をいうとケアマネは、介護福祉士の上位互換ではないんです。

ケアマネは、医療系(対人業務であることが条件)、福祉系又は相談援助業務に5年以上従事した上で、試験に合格し、その後の研修を修了して取得するものであり、ケアマネを持っている人が必ずしも、身体介護が出来るとは限りません。


先日のフードコーディネーターの集まりの時も 「フードコーディネーターの資格を取得して、仕事の幅が広まったか?」聞かれた。

正直、困る質問だった…

兎にも角にも医療や福祉の世界は柵の強い世界。

いくら資格を取得して知識の幅を広げたとしても、上司(というか、当該職場でハバを利かせている奴)の思惑通りでなければ、その知識はおじゃんになる。


だから、資格を取得するなんで、金と時間の無駄じゃね?


って言うのが世間一般の常識かもしれない…

フードコーディネーターについて学んだのも、ケアマネの資格を取得したのも、30代の時だった。

自分のスキルが献立作成と食材発注だけに狭められるのが嫌だったし、栄養士・管理栄養士として10年のキャリアを積んだ当時、自分の中では、栄養士の枠の中に囚われた働き方では、自分の能力を抑制され、楽しく仕事が出来ないからではないか?との思いがあった。

フードコーディネーターのスキルは、当時高い受講料を払ってスクールに通いながら身に付けた。

この時も周りの反応は「介護施設でフードコーディネーターのスキルをどのように活かすの?」というものだった。

しかし、あのブラックな介護施設でフードコーディネーターの勉強をしていることを口出せば、〇人的な無理難題を強いられることは間違いない。

若しくは、アイデアを考案してもせせら笑いをされて却下をされるだけ…

こんな環境で働いていたし、当時は栄養士としてのスキルも十分だし、いずれは独立して自分の好きなようにしたい思いが心底あった。…とは言うものの、当時は会社設立の敷居が非常に高かった時代…インターネットを活用したビジネスはそれほどメジャーではなかった。


私は30歳になったかならないかの時に、ケアマネの受験資格を得た。

ところが、当時はケアマネの資格を取得することに、あまり気乗りしなかった…

当時の介護施設にて、介護職員がサービスの内容について話しているのを見て、ケアマネの仕事って非常に理屈っぽく、面倒くさいとの印象を受けてしまったのだ。

重箱の隅をつつくようなことを分析すること…これは、私が大嫌いなこと。


ケアマネの仕事ってこんなん??

やってらんねーよ!!


しかも、母親が無暗矢鱈にケアマネの資格を取ることを推奨していたので、余計にやる気が起こらなかった。


しかし、気持ちは一転した。

当時は、就職難な時代であり、資格を取得しても中々転職が厳しい時代だった。

看護師、薬剤師の求人はあっても、栄養士、管理栄養士となると、本当に求人が見つからない。

ようやく見つけた求人が給食委託会社。

…だったら嫌だ。。。というような状況だった。


ケアマネを持っている管理栄養士と言えば、キャリアを積んでいるとのアピールが出来るし、ケアマネも併せ持っていれば転職に有利かもしれない!

そんな野心からケアマネの実務研修試験にチャレンジした。


フードコーディネーター取得もケアマネ取得も、当時の環境から抜け出したいことが動機となって動いたこと。


ケアマネを取得することは出来たものの、この就職難の時代に、施設ケアマネで雇われることは厳しかった。。。

居宅介護支援事業所に応募となれば、栄養士、管理栄養士は相手にされない。

ある全国展開している大手の施設である〇ずみ苑の面接で、かなり失礼なことを言われた。

因みに、当時の私は、栄養士、管理栄養士歴15年の36歳。

あなたは自分の専門資格の基本の基本を習得してからケアマネにチャレンジして下さい

これって、今の時代にしてたら、パワハラやモラハラに当たりますよね??

本当にひでーこと言ってくれるわ…と思った。

(その数年後、同系列の事業所に上記のようなことをされて不快な目に遭ったと言って仕返ししましたけどね…笑)


色々と書いていたら、嫌なことを思い出してしまったわけです。


今や管理栄養士もフードコーディネーターもケアマネも、個人事業主で働ける時代。

管理栄養士やケアマネは、資格を持っていれば資格手当の対象となることが多いけど、フードコーディネーターを持っている理由で資格手当が付くことは殆どない。

…というか、フードコーディネーターとして活躍している人の多くはフリーランスとして働いている。

だから、フードコーディネーターは活き活きとしたイメージが強い。


一方、管理栄養士やケアマネは、まだまだサラリーマンとして働いている人も多い業種。

その為、会社の名前に傷が付かないように、必死になって保身する傾向がある。

大手の病院で勤務していることをアピールすれば、存在価値が上がる!

評判の良い会社で勤務していれば、自分も評判の良い人間として認められる!


ところが、この考えは、時代遅れの残骸として淘汰されつつある。

管理栄養士、ケアマネの共通項目と言えば予防

管理栄養士も在宅に進出する時代へと提唱しているが、現時点ではまだまだ少数派。

栄養ケアマネジメントを導入してから、多職種連携にだいぶ慣れてきているけど、それはあくまでも、病院や施設といった組織の中に限られる。

ケアマネをやってみて実感することは、利用者様のサービスを計画するにあたり、地域の人や他の事業所と連携が取れるので、あらゆる事業所の特徴を大まかに知ることが出来、お互い程よい距離感を保ちながら、ゆるく楽しく仕事に取り組めていること。

同じ事業所内だと、職員同士の上下関係が絡んでくるので、発言力の強い人の意見がごり押しされ、折角の良い意見が反映されないというつまらなさがある。

但し、居宅介護支援事業所のケアマネが雇われの身であると、事業所内での人間関係のいざこざがある。

同僚がいるから相談の場が出来るメリットはあるとしても、その事業所内でハラスメントがあれば、先輩や同僚に相談どころか、被害者はドロップアウトしてしまう。

それに、自分の仕事をフォローしてもらった時に社交辞令的な感謝の言葉を示さないと、非常識な人間として扱われるので神経を使う。

ここ最近、春日部市のケアマネの離職が著しく、ケアマネが不足しているという問題が発生している。

何故、このような問題が発症しているのか???

ケアマネの働く環境に問題があるんじゃね?

って誰もが思うことでしょう。。。

確かに、訪問の日程調整をすると、計画通りにいかないことが多々あるし、突然仕事が出来て、急に慌ただしくなることがある。

若い人であれば、それが嫌で辞める人もいるでしょう。


この、ケアマネの働く環境は会社によっても様々であり、リモートワークで勤務時間の調整はケアマネ本人の裁量に任せるといったところもあれば、勤務日は必ず事務所に出勤して、出勤時間の範囲内で仕事をこなさなければならないところもある。

私が勤務している職場は後者であり、これはこれでかなりストレスになるもの。

ケアマネの仕事の大変さは、必ずしも件数に比例しているわけではない。

件数が少なくても、サービスの調整が難しい人や、しょっちゅう電話がかかってきて、都度訪問が頻繁に入る人だと、通常の何倍もの手がかかる。

それは40件強の件数を持ちながら、本人の状況が安定して、訪問とモニタリングで済んでいる場合より、寧ろケアマネにかかる負担が大きい。

急な案件が出てきて、勤務時間内に処理が終わらなく、少し残業になることを伝えると「何で残るの?当日終わらなかった分の仕事は後の日に仕事を回して、もっと効率よく仕事をしてよね!」ときつく言われることさえもある。

だったら退勤時は時間ピッタリでタイムコーダーで残して、残った業務は家に持ち帰り(iPad有)、家でやっておかないと…このために有給を活用しようって感じw

これじゃ…持ち帰りの仕事のために有給を使うようなものですが。。。

それでもって、書類に一文字でもミスがあると「頑張りが足りない」だと。

口煩い家族は書面の細かいミスを見つけて突っ込みを入れるかもしれないけど、家族がケアマネに業務の過大要求をすれば、ハラスメントとなり、(会社によって契約内容は異なるかと思うんですが)ケアマネに対するハラスメント行為が見られる場合は、やむを得ずサービス終了となる事さえもある。

…というか、文章の細かいミスを見つけては、嫌がらせをする根性の方がどうかしてんねん?と思いますけどね。


先日、本社のスタッフが訪問し、これからは個人の時代であることを話していた。

この会社は昔からある大手の会社だから、ここに所属する人間であれば、絶対に保身できる!

なんでことを抜かしている場合ではないし、この言葉にも甘んじてはならない。

利用者、家族の信頼の対象は、ケアマネの働いている会社より、担当しているケアマネ個人であり、「〇〇さんだから話すけど…」「他のケアマネではなくて良かった…」ということをしれっと零す。

この仕事は人との相性による影響も多いし、世の中万人に好かれる人なんていない。

ケアマネとの信頼関係が構築出来ていたのに、ケアマネを変えたことによるトラブルを起こしたケースもある。当該ケースでは、信頼関係を持ったケアマネが担当から外れて他の担当者になり、その結果合わなかったので担当を戻したが、再度担当になった当該ケアマネが退職したことにより縁が切れてしまい、家族が不快な思いをしたというものだった。その利用者は自分を担当している理学療法士に強い信頼を持っており、その理学療法士が所属している事業所のケアマネに担当してもらったこともあったが、そのケアマネとは折り合いが悪かったという。

この人に担当してもらいたい…

それが自分を売ることであり、集客にも繋がるのとではないのでしょうか。


上司が言うから…
偉い人が言うから…
決まりだから…

こんな価値観の中で仕事をしても、全然楽しくないし、スキルや心が縛られることは、個人の成長をストップさせるという悲劇にも繋がる。

自分を縛っていいことはない…


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