定期的な感染状況確認(2022/3/2)
今年の1日目(1月1日)から10日毎の定期的な感染状況確認を始めました。今日は今年61日目。報道を含む二次情報では、情報の切り取り(選択)や、様々な解釈が含まれます。このためできるだけ公表されているデータを直接見てみようと思っています。
最初は世界の感染状況の確認です。
これまで検査数を入れていたのをやめ、実効再生産数にしました。まず感染の現状を陽性者で確認、実効再生産数で増加・減少の傾向がわかります。今多いのはヨーロッパ・ロシアとオーストラリア、続いて南北アメリカ、東南アジアなど。しかし中国、東南アジアとニュージーランドで増加中であることがわかります。減少傾向に見える国でも、陽性率が高い所は要注意。同じようなパターンの国が東南アジアに多くありますので、注目していきたいと思います。
今回一番驚いたのがニュージーランドです。以前は世界でも感染が抑えられていた国であったのに、最近陽性者が増え続け、かつ陽性率も高くなってしまった。かろうじて死者はまだ少ないですが、今後どうなるか不透明です。
ロシアは、多少の減少傾向にあるようですが、陽性率が高く、感染がさらに広がる可能性が高いように見えます。ウクライナも同様。
続いて、いつも見ている5か国のグラフです。陽性者&死者、下段は片対数グラフです。
1ヵ月ほどで南アフリカのオミクロン株は収まったとされています。しかしイギリス、イスラエルでは中々収束しませんでした。しかしやっと先が見えて来た状態にまでなっているいようです。
最近の状況をよく見るために、昨年8月からのグラフにしてみました。4か国と日本、感染者数と死者数を示しています。
・南アフリカの死者数増加は、英・米・イスラエルと比較して長期
・感染者数では日本は南アフリカを超えたが、英・米より少ない
・日本の感染者数はイスラエルにはるかに少ないが死亡率は高い可能性あり
以上から、オミクロン株について、当初南アフリカで死者が少なかったものの、その後は増加。オミクロン株は致死率が低いとは言えない可能性が出て来ました。特に日本は感染者数に比べて死者数の増加が顕著で、気になります。
続いて10日前に、急激な陽性者数の増加がみられていたアジア・オセアニアの国について。
シンガポール、韓国、ニュージーランドでは、そのまま急増が続いています。一方、マレーシア、タイ、インドネシアはすでに鈍化、または減少に転じているようです。
興味深いのはこちらとの比較。ワクチン接種回数と接種割合です。
全く同じ順序です。
勿論、偶然、このような順番になることはあるでしょう。しかし、偶然同じ時期に感染者の急増が起きた国々で、早く収まりそうな国ほどワクチン接種回数が少ないとは・・・
(そういえば、インド、フィリピン、南アは収束は早かった)
そして一般に陽性率が低い場合は制御できているはず、という常識をシンガポールが見事に外してくれています。
一部重複しますが、感染者数とワクチン累計接種回数を、2つのグループでグラフ化してみました。上は、日、南ア、フィリピン、インド。下はシンガポール、韓国、ニュージーランド、マレーシア、日本、タイ、インドネシアです。上下で時間スケールは同じ、但し縦軸は異なります。(日本が共通して入っていますので、スケールの違いが確認できます)南ア、フィリピン、インドでは、日本よりはるかに低い波だったことがわかります。その期間も1か月と少し。一方、シンガポール、韓国、ニュージーランドの感染拡大は、かなり長く継続しているように見えます。
以上、グラフを見ながら確認したレベルですが、いろいろ考えさせられる内容だった気がしました。