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【LGBT×組織】フェーズ2.カミングアウトした人材が現れる

さて、前回の記事(https://note.com/t_watanabe_act/n/ne836fc3510d4)に投稿したとおり、私は全社的にカミングアウトする場を設けました。そういった機会を自ら設定できること自体が、幸せで恵まれていたことと思います。周囲の関係者は、「え!?」と驚いたかもしれませんが、個々人がどう感じ、どう受け取ったかは別として、“組織”で見ると、カミングアウトした人材が現れた瞬間だったのではないかと思います。

世の中の組織の話を聞くと、カミングアウトした人材が現れるタイミングは、それぞれです。世間でLGBTに関するニュースや情報があふれ出したタイミングで、それまで一緒に働いていた同僚がカミングアウトするに至ったケース(組織内の関係者からのカミングアウト)もあれば、「採用面接の場で応募者がカミングアウトした」といった具合に、組織外の関係者からのカミングアウトが組織にとって初めてのLGBTとの接触だった…というケースもあります。

いずれにしても、「LGBTって何?」「そんな人、見たことも、会ったこともないけど」といったフェーズからは大きく状況が変わり、フェーズが進展します。これがフェーズ2の状態です。

■フェーズ2は突如、訪れる(カミングアウトは唐突に)

私がこれまでLGBT研修に登壇してきた経験から申し上げると、この、急遽、フェーズ2に突入してしまった組織や関係者は、非常に戸惑うようです。

「え、まさか!」「LGBTという言葉は知っていたけれども、突然出会うなんて!」と驚き、対応に四苦八苦するそうです。

そこで、ちょっと想像していただきたいのですが、皆さんは、ある日、急に、目の前にいる関係者から「実は私、LGBTなんです」とカミングアウトされたら、どのように適切に対応しますでしょうか? それを事前に想定していらっしゃいますか?

そう、LGBTのカミングアウトは唐突なんです。

「明後日の午後13時に、私はLGBTであることをカミングアウトしますね。よろしくお願いします」とアポが入ることは、まぁ、まずないと思います。

当事者は当事者で、カミングアウトのタイミングを見計らい、様々な心の準備をしたうえで、「今なら、打ち明けられるかも」とタイミングを読み、勇気を出して、自己開示することが多いのではないでしょうか? きっとそこには、様々な葛藤や様々な奮闘があることと思います。勇気も必要です。

カミングアウトを受ける皆さんは、その勇気ある行動を、冷静に適切に受け止められますか?

■適切な対応が難しいからこそ、シミュレーションしておくことが大事

いざ、その瞬間が訪れた時のために、一度、このフェーズ2をシミュレーションしてみることをオススメします。人は想定さえしておけば、いざ、その場面に立ち会った時にも、冷静に対処できるものです。

もし、新たにメンバーに加わる人が、LGBTだと打ち明けてきたら?
もし長年、一緒に働いてきた仲間が、ある日、LGBTだとカミングアウトしてきたら?
…それを是非、一度、想像してみてください。

なお、私はLGBT当事者ですが、私も突然、他のLGBTの方のカミングアウトを受けることもあります。

ある時、取引先の担当者である相手は、私が当事者であることを知らないまま、「私、レズビアンなんです」とカミングアウトなさいました。私は、「あら、そうなんだ」と思って、率直に、「そうなんですね。教えてくださって、ありがとうございます。私は、ゲイなんですよ」と返しました。すると、レズビアンと打ち明けた相手が驚いて、「わぁ!」と声を挙げたことを覚えています。

この記事を読んでくださっている方の中には、LGBTの方もいらっしゃると思います。LGBTの方も、是非、他のLGBTの関係者がカミングアウトしてきた場面を想像し、その時、自分はどう対応するのが良いのかを、想定し、考えてみてください。

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