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知り合いの健康状態悪化に気づくには

年末年始は、知り合いの健康状態悪化に気づくチャンス

もうあと2日でお正月ですね。Uターンラッシュも始まっていることと思います。帰省する人も多いでしょう。帰省といえば、久しぶりに親戚や家族、友人に会う機会です。
そんな時、家族の異変に気づくことがあります。
このチャンスを逃さずに、気になることがあったら、話ができるとよいですね。

痩せた、食欲がない

1番のポイントは、体重の減少です。昨年会った時に比べて、とても痩せたなという方がいます。もちろんダイエットかもしれません。若い人であれば、嬉しいことかもしれませんが、40代を超えて急激に痩せた方を見ると、かなり気になります。心理的な要因で食事が取れなくなることもありますし、何らかの理由で買い物が難しくなっている場合もあります。


疲労や弱さの訴え、不安定さ

これまではあまり弱気な発言がなかった人が、急にそういうことを言った場合は、何かあるかもしれません。そんな時は、いつからどんな状況なのかさりげなく聞いてみましょう。何かのきっかけがある場合もありますし、ない場合もありますが、睡眠がとれなくなっていたり、食欲不振が伴っている場合は、受診の検討が必要です。


約束や普段やっていることを忘れた

会う約束を忘れられてしまった。本来だったらやるはずのおせち作りだったり、年末の買い出しなどのルーティンをしなくなったというのも気になります。もちろん最近は、年賀状を出す人も減りましたし、お正月らしいことをしなくなった人も多いと思います。しかし60代を超えた方が昨年までやっていたことをしなくなるというのは、何らかの衰えや、認知機能低下がないか心配になることです。


整理ができなくなっている

訪問してみると新聞と大事なものが乱雑に積み上がっていたりします。元々できない方もいますが、1年前と比べて悪化しているようであれば、認知機能の低下や、うつ病などでの気持ちの落ち込みなど健康上の問題があるかもしれません。


無頓着になっている

特に衛生面で無頓着になっている場合は要注意です。心理的な要因もあるかもしれませんが、認知機能低下なども鑑別に上がります。


連絡がない

普段年末年には連絡がある人から連絡がない場合、何らかの健康上の問題があるのかもしれません。


健康上の問題はデリケートな話題

健康上の問題はデリケートな話題として、なんとなく気づいても言わないこともあるかと思います。ただ大切な人であればあるほど、気になったことがあれば、少し話題にしてもよいかもしれません。一方で、お相手がお話ししたくない場合もありますので、そこは関係性からおもんばかる必要があるでしょう。


認知機能低下を話題にするときは、特に注意を

私の専門の認知症もとてもデリケートな問題です。周囲の人には隠したい病気の一つだと思います。診断されるとショックを受ける方も多いです。
その時にすぐに話題にせず、少し頻回にあっていただくとよいかと思います。その中で、気になったことを話せる関係を築いていただければと思います。適切な人に打ち明けて、早期からの支援を得ることは、その人の人生を豊かにしてくれます。そういう人とつながってほしいと思います。

認知症の場合、どんな人とつながるとよいかについては、以下の本を参考にしていただければと思います。



認知症に関する書籍を執筆しています。10月に発売された新刊の「図解でわかる認知症と制度・サービス」では、認知症の症状、診断、治療だけでなく、認知症の人や家族が楽になる制度やサービスについてもコンパクトにまとめてあります。新聞が読める方には読んでいただけるぐらい平易な文章で書かれています。Kindle版もあります。よろしければ参考になさってください。(石原哲郎)

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