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高齢者への年始の挨拶は、お気をつけて

今年もどうぞよろしくお願いします

今年もどうぞよろしくお願いします。
さてお正月は、高齢のご家族や親せき、知り合いへのあいさつの時期でもあります。皆さんも楽しみにされていると思います。
また、高齢者の皆さんも、喜ばれると思います。

ただ、高齢者は変化しやすいです。昨年できていたことが徐々にできなくなっています。特に年末年始に旅行を考えておられる人も多いと思いますが、年々介助量が増えていくことも多いと思います。普段自宅内での歩行程度しかしていない方ですと、旅館のロビーから部屋に行くだけでも結構大変な方もいます。

高齢者は時間的には余裕があることが多いです。できれば、時期をずらして、お会いになることをお勧めします。


お正月のけがや病気は結構多い

私も10年間ぐらい救急外来の当番で働いていた時期があります。お正月はあらゆる年齢層の患者さんで溢れます。3時間待ちはざらです。もちろん予約外来は一つもありませんので、どんな病気、どんな外傷が来るかもわかりません。それを研修医1年目、2年目、専攻医で回しているのです。100人越えの日も少なくありませんでした。

もう一つ多いのが、急性アルコール中毒です。今でも多いと思います。大きな大人が救急外来で大暴れをして、大声を上げることもあり、一人いるだけでカオスと化します。日本はアルコールに寛容な国ですが、自制心を外してよいわけではありませんので、ご注意ください。


年末年始は応急処置しかできない

先にもお話ししましたが、年末年始の救急外来は専門医は当番はいますが、自宅待機です。当然救急の手術はしますが、ベテランの先生ほど休みやすいようなスケジュールが組んでありますので、経験の少ない医師の出番となります。病棟の看護師も少ないですし、売店も営業時間が短くなります。
私個人としても正月とゴールデンウィークはできれば受診を避けたい時期です。


高齢者は、特に待ち時間が大変

高齢者の場合は、待ち時間の間に具合が悪くなる人もいます。当然感染症の患者さんもいますので待合室の環境によっては、病院で病気をもらうことにもつながります。


かかりつけ医もお休みです

総合病院、一般病院、かかりつけ医も、現在は在宅支援診療所などでも24時間の対応を求められています。24時間の対応を求められているからといっても、1人診療所の先生もくつろいでいると思います。

ちょっとまとまった時間ゆっくりしているかもしれません。看護師も出勤しないでしょうし、できることも限られます。医薬品や材料の卸会社も止まっていますので、物品の購入も難しいです。


大切な高齢者と会うなら時期をずらそう

感染症に注意

今年は、インフルエンザと新型コロナが両方はやっている状態で年末年始に突入しました。内科外来はかなり忙しいそうです。くれぐれも風邪症状のあるお子さんは、高齢者にお会いにならないようにされたほうが良いと思います。感染した際には救急外来では長時間待つことになりますし、救急車でも病院の受け入れ枠が足らなくなる懸念もあります。


骨折に注意

普段歩いていない方が、意を決して初詣に行かれることがあります。道路が凍結している可能性もありますし、どうしても無理をすることになります。神社に横付けでもできない場合、普段歩いておられない方の初もうでは、時期をずらして1月3日ぐらいにされるのが良いと思います。
特に夜間の初詣は、人手が多いですので避けたほうが無難です。


時期をずらそう、短時間にしよう

例えば本日けがをすると、4日朝までは応急処置になってしまいます。救急要請も多くなりますので、いつもよりも搬送に時間がかかります。

お正月3が日、高齢者にお会いになる方は、くれぐれも感染対策、高齢者の体力に気を付けてくださいね🍀





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