子どもが勉強したがらないで言い訳する時の対策を考えてみた。

高校生くらいまでは,学校の勉強が役に立つのかどうかばかり考えていたこーぞーです。

突然ですが,身近な子どもが勉強しないで困っているそこのあなた!
…そんな方いますかね?(笑)

子どもが勉強をしない要因というのはいくつか考えられます。例えば,
学習意欲がない,
学習意欲はあるが何をすべきかわからない,
学習意欲はあるがLINEのやりとりで忙しい,
計画性がないので後回しにした結果やらない,
などです。

この投稿では,学習意欲がない子どもの傾向と対策を考えます。
この投稿では,子どもとはだいたい中学生だと考えてください。

中学生が勉強をしたくない時に言う言い訳だいたいNo.1は,「〇〇(教科名)は将来役に立たない」「大人になっても使わない」です(こーぞーの体感的な記憶による)。

「勉強は将来役に立たない」という中学生の(心理的な)状態

ひとまず,この言葉を言い放つ中学生の状態について考察します。
例えば,数学を必要ないと言う生徒で考えましょう。

「数学は将来役に立たない。三角形の合同の証明なんて将来使わない。もう数学なんて勉強しない。」

このセリフの行間を埋めます。

「数学は将来役に立たない(そうであってくれ)
三角形の合同の証明なんて将来使わない(からわからなくてもだいじょぶ。こんなのわからんし)
もう数学なんて勉強しない(みんなこの気持ちをわかってくれ。こんな俺を助けてくれ。先生俺今こんな気持ちです)。」

多分こんな感じです。もっと細かく考えます。

まず,中学生が勉強について「将来役に立たない」という旨の言葉を口にする時は,その勉強につまづいた時です。練習問題をやってもうまくいかない時や,小テストや定期テストで思ったより点が取れなかった時,このように言う傾向が見て取れます。
そしてその生徒は,全くやる気がないというわけではなく,本人なりにやろうとはしています。しかし,やろうと思っても,長い数式を見て面喰ったり,英語で長い英文が目に入ってしまいやる気が失せたりします。どこから手を付けたらいいのかわからない,と言ったところでしょうか。結果,問題が解けない,あるいは解かないでしまいます。
最終的に,目の前の勉強をやらなくていい理由を探します。見つけた理由が「将来役に立たない」です。どうせ将来使わないんだから,できなくても自分は困らない。だからやってもしょうがない。じゃあやらない。と,自分の現状を合理化します。
一方で,こういう生徒は学習に対して苦手意識を持っています。心の中では,もっと勉強できるようになりたいとは思っていますが,もう本人としてはお手上げの状態です
だから,こっちからうまくアプローチしましょう。
ちなみに,ここまでお読みになればわかると思いますが,ここで数学が将来役に立つのかどうかは,多分どうでもいいです。

あまり有効ではない対策…論破してみる

素直に,役に立たない,という主張に対して反論するとどうなるか。こーぞーの感覚的にはあんまり意味がないです。こちらが「~で役に立つよ」なんて言って,「おお!そうなんだ!じゃあ勉強しなきゃ!」なんてなりません。

とりあえず,「数学は将来役立つ」という前提を定めておきます(前提については後の余談で)。
もし生徒が,「数学は将来役立つ」ということを理解したとしても,生徒の学習意欲は殆ど上がりません。何故なら,目の前の問題をやろうにも手が付けられないからです。「役に立たない」というのは,勉強しなくていい自分を合理化するためのただの理由付けです。「うわー数学って役に立たねー使えねー」という場面に遭遇したわけではありませんからね。
ほかの対策を考えましょう。

対策1…話を聴く

「~で役に立つよ」と具体的な場面を教えるとか,「役に立たないとか言ってないで勉強しろ」って激励するとか,それで勉強したら苦労しませんねえ…
前述の通り,中学生がこの言葉を口にする場合は,もっと勉強できるようになりたいとは思っているようです。この気持ちにもうちょっと寄り添ってやってみてはいかがでしょうか。
忙しい先生とか保護者の方だと,話を聴いている余裕がないものです。しかし,下手するとむしろ「敵」みたいな扱いをされてしまいます。「あの人は自分の気持ちをわかってくれないし,わかろうともしないんだ!」といった具合にです。
勉強は役に立たないとか,反論は置いといて,とりあえず言いたいだけ言わせることにしましょう。

対策2…本人ができている箇所を探す

目の前にテストとかがあるならこうするといいんじゃないでしょうか。
中学校のテストは,成績低位の生徒でも,2点とか,13点とか,それくらいは多分取れます。「ここは理解できたね」とか,空欄が少なければ「何か書いて答えようとしたのはわかったよ」とか,本人ができた部分や本人の努力について声を掛けます。「ここわかってるじゃんすげえよ」なんて言って誉めると,そういう生徒って誉められ慣れてないんで,しどろもどろになります(笑)
なお,0点を取る生徒もいます。努力を怠っているとみられる場合は,もったいないと伝えましょう。しかし,中には特別支援が必要な生徒もいますから,本当にできない場合もあります。そこは特別支援の先生とかと相談になりますかね。
最終的にはどこでつまづいているかを把握させて,その部分を勉強させるって流れがいいんじゃないですかね。そういう部分が多ければちょっとずつで。

余談:数学は将来役立つのか?

数学は役立ちます。学校で学ぶ教科はいくつもありますが,とりあえず数学について言っておきます。
2つの意味があると考えています。

1. 数学で習った公式や計算方法が役立つ
職場で,中3くらいに習った素因数分解をしました。先月くらいのことでした。職場ってのは工場ですよ。
確か276枚の品物を,処理する際の都合上,丁度よく何等分かにしたかった時がありまして。

276=2×2×3×23 です。23枚を12等分にしたんじゃなかったかな。

あと,うちの職場の機械の中には,制御盤の表記に指数がちょいちょいあります。
とある機械の中の気圧が4.02×10の-3乗Kpa とか。マイナスの指数(-1乗は10分の1)は高校で習いますね。

また,三平方の定理というのも中3の終わり頃?に習います。これはテニスコートのラインを引くときに使えます。三平方の定理は,直接長さを測れない場所とか,空中とかそういうところの長さを求めることができますね。実際,測量というのは高校で学ぶ三角関数とか三角比で求めるようですが。

端的にはこんなところでしょう。

2. 数学を学ぶ過程で特定の力が身に付く
中2で三角形の合同条件,中3で三角形の相似条件を学び,それに関わる証明をします。
これを学ぶ過程というのは大切です。
ここで中学生が学んでいるのは,三角形や平行四辺形のような図形についてだけではなく論理学的なことを学んでいます。定義や前提を踏まえ,そこから結論を導く。論理的な力が身に付きます。
例えばこんなところです。

さらに余談というか疑問

子どもの中で,自発的に,

どうやったら数学は役立つのか?
どんな場面で数学を役立たせられるのか?

っていう,そっちの視点で考える子どもっているんですかね?高校生くらいならいる気がしますけど,小中学生だといますかね?そういう視点を持てる子どもってすごいと思うんですけど。

おわり。

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