真夏の夜の布団の攻防
寝苦しい夜。
27℃設定ではもう辛い。
眠りの浅い私は少しの不快に反応する。
ましてや――
脇腹に蹴りが入って目が覚めた。
午前五時。いつもより一時間早い。
喉の渇きに、節々の痛みもあって起床。
案の定、私は畳に落とされていた。
深夜に暴君と化す将軍が二人いる。
ひんやりな未開の地を求め非情な奪取を繰り返す。
布団三枚、均等の区割りが少し遅れて寝床に就くと
になっている。
狭くなったスペースに身を入れ小さく眠るのが常。
深夜、ゴソゴソ。
妻が息子を元の場所に引き戻してくれる。
でも、そのまま真ん中の布団でくっついて寝るので結局――
再び攻勢に会い、更に端へと追われる。
妻は動じず陣地をキープするので被害は私ばかり。
向こう側には広大な土地があるのに……
無意識の中、縁ギリギリで耐えたが高温多湿にもやられ、私は最後の土地も手放していた。
熱帯夜家族の布団勢力図
(ねったいやかぞくのふとんせいりょくず)
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