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真夏の夜の布団の攻防

寝苦しい夜。
27℃設定ではもう辛い。
眠りの浅い私は少しの不快に反応する。
ましてや――

脇腹に蹴りが入って目が覚めた。
午前五時。いつもより一時間早い。
喉の渇きに、節々の痛みもあって起床。
案の定、私は畳に落とされていた。

深夜に暴君と化す将軍が二人いる。
ひんやりな未開の地を求め非情な奪取を繰り返す。

私:3 五歳息子:3 妻:3

布団三枚、均等の区割りが少し遅れて寝床に就くと

私:2 息子:4 妻:3

になっている。
狭くなったスペースに身を入れ小さく眠るのが常。

深夜、ゴソゴソ。
妻が息子を元の場所に引き戻してくれる。
でも、そのまま真ん中の布団でくっついて寝るので結局――

私:1 息子:4 妻:4

再び攻勢に会い、更に端へと追われる。
妻は動じず陣地をキープするので被害は私ばかり。
向こう側には広大な土地があるのに……

無意識の中、縁ギリギリで耐えたが高温多湿にもやられ、私は最後の土地も手放していた。

私:0 息子:5 妻:4

自分調べ




熱帯夜家族の布団勢力図

(ねったいやかぞくのふとんせいりょくず)

季語(晩夏): 熱帯夜


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