[注]これは飲み物ではありません
「コーヒーどうぞ」
四歳息子がペットボトルを持ってくる。(※表題写真)
受け取るやニヤニヤして言った。
「上よく見て」
見れば蓋に×印。
「じゃーん、にせものでしたー」
なんと、水に絵の具を溶いて珈琲色にしたらしい。
「うわ、飲むとこだったぁ」
大げさに驚きながら思う――自分にそっくり、と。
人を驚かす(楽しませる)ことが大好き。
かつて手品師になりたかった。
デパートのおもちゃ売り場で見た手品に感動し、日々勉強した幼き日。
私の一番のアイドルはMr.マリックだった。
息子が二歳の時、親指が途中で切れる簡単なマジックを披露した。
感銘を受けた彼は、自分でも小さな指を折って練習しはじめ、すぐに出来るようになった。
唾を吸って出す「紙を破く音」も然り。
今やママをびっくりさせるくらい似た音を出して、よく怒られてる。
今夜――
私はトランプのカード当てを新しく披露した。
今、彼はわき目もふらずに練習し続けている。
湯気立ててトランプ手品真似ぶ子へ
(ゆげたててとらんぷてじなまねぶこへ)
季語(三冬): 湯気立て、湯気立つ、加湿器
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