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初めて友達んちに行ったカンソウは――?
「茶色いゴムみたいなおやつをもらったよ」
嬉しそうに語る五歳息子。
「初めて食べたけど美味しかった」
はて? 何をご馳走になったのか。
夕方、近所の公園でリョウマ君と出くわした。
リレー勝負をして以来、親密感の増す二人。
そのまま遊ぶことに。
一時間もせず五時放送が鳴る。
遊び足りない二人は駄々。
と、リョウマ君ママがお誘いをくれた。
「三十分だけ、おうちに遊びに来る?」
「行きたい!」
息子は初めて一人で友達ん家に行った。
夫婦だけの帰宅は不思議な感慨。
「どんどん増えてくんだろうね」
しみじみな妻にドキドキした私は後ろからハグ。
するりと身を抜けられる。
「もう迎えに行かなくちゃ」
えっ!? ……公園の三十分は長いのにな。
帰ってきた息子の興奮。
顔を見ただけで楽しかったと分かる。
――初めて友達ん家に行った感想は?
それが冒頭の「おやつもらったよ」
正解は、干し芋。
渋い。確かにうちでは出てこない。
それもまた新鮮だったようで……
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干藷や初めて踏みし友の部屋
(ほしいもやはじめてふみしとものへや)
季語(仲秋): 甘藷(さつまいも、かんしょ)、薩摩薯、藷(いも)、唐藷、琉球藷、紅薯、甘藷堀、甘藷畑、藷蔓、甘藷の秋、干藷
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