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ポップコーンは買わない派です。vol.54

ジョージア、ワインの生まれたところ

文化は遺産ではなく生まれ変わるもの

予告編

あらすじ

2013年にユネスコ世界無形文化遺産に登録されたジョージアのワイン醸造法「クベブリ製法」を題材にしたドキュメンタリー。紀元前6000年に遡る世界最古のワイン醸造の起源を持つジョージア。素焼きの甕を土の中に埋め、ジョージア固有のブドウ品種と野生酵母を使用して発酵・熟成させるクベブリ製法は近年、「究極の自然派ワイン」として世界から注目を集めている。この伝統製法のワインは、かつてはどの家庭でも造られていたが、ソ連占領下での大量生産による品種削減や禁酒法の影響を経て、現在は極少量しか造られていない。逆境に立ち向かいながらもクベブリ製法を守り続ける人々にスポットを当てる。

ジョージアのワイン

ジョージアで作られるワインは実に原始的なワイン。

甕と呼ばれる土で作られた大きな容器を作るところからワイン作りは始まる。この甕には名前があって、

クヴェヴリ

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という。全て手作りで作られるこのクヴェヴリは専門の職人がいる。まさに伝統技術がなせる技なのでそれを作れる人も減少の一途を辿っているらしい。

このクヴェヴリを土に埋めてそこにブドウをいれ、発酵、熟成させ、ワインを造るのだ。

なんとこのクヴェヴリ新石器時代から存在していたことが遺跡の出土品から証明されたらしい。まさに原始的なワイン製造。これを今に受け継いでいることが素晴らしい。

ソビエトによる支配

かつてソビエト連邦という国があったことは知っている人も多いと思うが、このソビエトがワイン製造に大きく介入し、ジョージアのワインはピンチに晒される。

これまで500もの在来品種からなるワイン製造が効率と品質の安定を目的に国が主導し、18にまで絞られた。大規模化による品種の消失だ。

品種の多様性というものはある種のリスクマネジメントだ。

栽培されている品種が多様であればあるほど、災害に対するリスクを最小限に抑えることができる。寒さに強いもの、暑さに強いもの、乾燥や湿気など、様々だ。もちろん大規模化、機械化することで均一の品質のブドウを大量に収穫、それを機械で選別等をしていく。これがいろんな品種があると混ざってはいけないから非常にオペレーションが面倒になるのだ。

しかし品種が多様であることのメリットはワインの個性にも反映する。すなわち、多様であればあるほど多様なワインができ、それを楽しむ余暇が充実するはずである。人々を笑顔にできる。素晴らしいではないか。。!

スプラと呼ばれる伝統的宴会

ジョージアでは伝統的な宴会がある。

スプラと呼ばれる。

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そこでは歌うことが義務とされ、ジョージアにとって宴会と歌は切っても切り離せない存在なのだ。

正直義務とまでなると嫌がる人たちも出てくるのではないかと思うが。。

宴会が大切なものとして扱われてきたというのはいいことなのではないかなと思う。

我が集落でも昔の寄り合いというものはだいぶ減ってしまったようだ。家庭の事情もあるのだろうかと思うが、そういった寄り合いの場がないというのは寂しさもあるし集落としての活気も感じられない。

文化とは生まれ変わるもの

失われてきた文化というのは多数存在すると思う。食事や芸能、衣装など。そういった文化というのは遺産として博物館や資料館に展示されるもの。過去のものとして扱われてしまっていないか?

この映画では文化は生まれ変わるものとして訴えかけている。

ブドウとワインこれを繋ぐクヴェヴリや製造法。これが新石器時代から絶えず現代まで生き残ってきたのは時代に沿ってアップデートしてきたからにこそ存在するのではないかと思うのだ。そしてそれを継承していきた人たち。

素晴らしい。

ブドウというのはジョージアの人々にとって生活の一部なのだ。染料として使ったりか、筆につけるインクとして使っていたりとか。ブドウを食べたり飲んだりするだけじゃなくて、日常の生活に浸透させていったのはリアルな営みそのもんだし、ブドウに対する、自然に対する敬意がそこにあると思った。

農家の皆さんはその生産物が当たり前に生産できていると思っていませんか?私が育てましたと店頭でいってませんか?そんなこと言ってたら野菜に自然に怒られますよ。自然への感謝を敬意を忘れがちなために昨今の災害に苛まれてしまっている部分もきっとあるのではないかと思う。

この映画から今一度今置かれている環境に目を向け自分が今できること、先人がやってきたことはなんなのか。それをもし自分が実行できるとしたらどのようにアップデートしていけるのか。文化のアップデート。やっていこう。

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