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酒井順子連載「あっち、こっち、どっち?」

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築地本願寺新報に掲載中のエッセイストの酒井順子さんの連載です。気になるふたつの言葉を取り上げて、紹介していきます。
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#コラム

年をとるのは悪いこと? 「年を重ねる」という言葉に抱く違和感

「年をとる」という言い方を、あまり耳にしなくなりました。今、「年をとる」の代わりに便利に…

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トンカツを食べるとき、端っこと真ん中はどっちが好き?

 向田邦子さんの名エッセイ集『父の詫び状』の中に、「海苔巻きの端っこ」という一編がありま…

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なぜ、私たちは物事を「分類」したがるのか。

異なる二種類以上のものが混在していると、つい分けたくなってしまう性分を持っています。何…

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“たった一文字”を変えるだけで、言葉の伝わり方は大きく変わる

「今日のお昼、何が食べたい?」  と家庭で問われた時、 「冷やし中華でいいよ」  と決して言…

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常に「上」と「下」を意識させる、日本社会の敬語の呪縛

 実は私、ヒップホップダンスというものを習っているのです。同級生4人で始めたのですが、先…

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なぜ我々は、未来を予想せずにはいられないのか

過去と未来は、密接に結びついている。 ……などと書くと、何やら大仰な話になりそうな…

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「お忙しいところ、申し訳ありません」というフレーズを、なぜ我々は多用するのか。

 大人はしばしば、他人を「忙しい人」と決めつけることがあります。会話の中でも、メールなどの文書においても、相手に何か頼み事をする時などは、 「お忙しいところ、申し訳ありません」 ということになりますし、 「どう?忙しい?」 というフレーズは、ちょっとした挨拶のようにもなっている。  たとえ本心では、「この人はそんなに忙しくないはず」と思っていても、 「おヒマかなと思ってご連絡しました」  などと言う人はいません。社会人としてのマナーもしくはサービス精神のようなものが、「お忙

現代人が忘れつつある「持つことのありがたみ」

 図書館をよく利用している私。いつも、「無料で本が貸してもらえるとは、何とありがたいこと…

受験や就活、恋愛。「自分は選ばれなかった」という絶望の先にあるもの

 今年は姪が受験ということで、年末年始に彼女の顔を見る機会がありませんでした。クリスマス…

「終わる」ことより「続ける」ことの方が難しい 

 糸偏(いとへん)の漢字が好きです。「綿」「絹」「綾」「紅」……などと思い浮かべてみれば、…