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これから労務に挑戦する人へ!給与計算を中心に労務オペレーションの意味を自分なりに噛み砕きました(過去noteのリバイバル記事です)

みなさま、こんにちは!
KIRINJI株式会社CEO・株式会社クリプトリエCFO/CSOの早瀬です。

【前書き】
記事を読みに来てくださってありがとうございます。
この記事は、前職時代に投稿しており、
公開が終わってしまったnoteの再投稿記事となります!

まずは簡単な自己紹介をさせていただきます。
私は、以前は東証一部上場企業に勤めていたのですが、
とあるタイミングで社員数名のベンチャーに転職し、
経理をはじめコーポレート業務全般に携わってきました。

上場準備を2度、M&Aを4度経験したのちに、東証一部上場企業に自身が関わっていた会社を売却したことを契機に独立しました。

ベンチャーのコーポレートに転職したい人へ

大企業では、コーポレートの中でも部署が分かれ、業務も分かれ、
良い意味で縦割りとなった統制の効いた組織が作られているため、
自分の専門領域で力を発揮すれば良い環境だと思います。

反対にベンチャーにおいては、
経理や労務、総務、法務、さらには採用や広報といった、
いわゆるコーポレート系の業務を、少ない人数で分担する必要があります。

ミスが許されないコーポレート領域において、
これまで担当領域外だった業務まで担うことの不安もあって、
なかなか転職の第一歩目が踏み出せない、、、
なんて事もあるのではないでしょうか?

私が在籍していたかいしゃでは、上述したコーポレートにおけるオペレーションは外部の助けも借りながら2名で回していました。

その際の労務体制を公開しつつ、
労務とはどんなお仕事なのか説明していきたいと思いますので、
これからベンチャーに転職したいと考え出した人、
また、ベンチャーでコーポレートを立ち上げる人の参考に、
少しでもなればと思っております。

労務のお仕事(オペレーション編)

労務のお仕事といえば、
(1)入社対応、退職対応をして、
(2)勤怠管理をして、
(3)給与計算と支給をして、
(4)保険や税金の手続きをして、
(5)雇用契約書・就業規則の作成と更新をして、
 etc etc...
が、無くすことのできない主要業務だと思います。

私はそれぞれ、社労士さんと一緒にオペレーションを構築した後は、
(1)、(2)は社内中心で対応し、
(3)、(4)、(5)は社労士さんに情報連携し、
社外にてご対応いただいております

ところで、これらの業務ですが、
結局全て「給与計算」に繋がる業務なんです。

全ては給与計算のために

労務とは一体なんなのか、、、
それは給与計算をしっかり把握することで、
全体感を掴みやすくなります。

まずはこちらをご覧ください。

実際に従業員に振込まれる金額(一番右側の緑色)に到るまで、
どうやって計算がなされているのか図にしてみました。

給与計算とは、総支給額の中身と、控除額の中身を、それぞれ計算し、
合計の差分を出す工程です。
この図の企業だったら、12個の計算ルールを把握すればOKですね。

◻︎ 給与計算にとっての入社対応、退職対応とは

給与計算を中心に考えたときに、
入社対応と退職対応の意義はなんでしょうか。

これは、いつからお給料を支払い始めて、いつまでお給料をお支払いするのかの、最初と最後を決める業務となります。

入社対応に到るまでの各フェーズで必要な書類は、
私がお世話になっている社会保険労務士法人 シグナル様
わかりやすくまとめてくださっているので是非リンク先ご参照ください!

◻︎ 給与計算にとっての勤怠管理とは

勤怠管理とは、従業員の出勤や欠勤についてを正確に把握することです。
勤怠を正確に把握することで初めて、
・欠勤/遅刻/早退に関する賃金控除
・年次有給休暇取得時の賃金
・時間外労働に関する割増賃金計算(固定残業代に関するものを含む)
といった諸項目が確定され、総支給額が計算できるようになります。

私の顧問先では勤怠管理は、人事労務freeeを導入しております。
freee会計と連携しているので非常に便利。

ただ、freee人事労務は会計ソフトと連携しており、
ワークフローもちゃんとしているので非常に便利なのですが、
1つ問題がありまして、小数点以下の数字を持てない仕様らしく、
固定残業代を導入している企業だと、数円単位で計算結果がずれます。

freee人事労務を利用していて、固定残業代を導入している企業の場合は、
給与計算をお願いする社労士さんが、freee人事労務への数字入力まで対応していただけるのか確認してから契約しましょう。

◻︎ 給与計算にとっての雇用契約書とは

先ほどの図の、左側真ん中らへんに、赤い字で、
労働契約という文字があります。

労働契約(雇用契約とも言います)は、会社と従業員が結ぶ契約で、
会社がどういう条件で従業員に働いてもらうか(=労働条件)について、
基本的には書面(雇用契約書)で定めるものです。

従業員は、労働契約で定められた条件に従って労働し、その労働に応じた賃金を受け取るのですが、実は労働条件は労働契約以外にもあります。

労働条件について次の4つを理解する必要があります。
上から、効力の優先順位が強いです。

労働法規はいわゆる各種法律で、労働基準法や最低賃金法等が含まれます。
例えば労働基準法は、労働条件の最低基準についてまとめられているため、これらを下回る労働条件を定めたものは全て無効となり、労働基準法の水準まで自動的に引き上げられます。

労働協約というのは、会社と労働組合の間で結ばれる労働条件についての取り決めです。
(労働組合がない会社であれば、読み飛ばして考えてください)
労働協約で定めた内容は、就業規則や労働契約よりも優先されます。

就業規則は、会社が労働条件について定めた規則です。
先に説明した労働契約は、会社と従業員で個別にする契約ですが、
就業規則は全従業員に画一的に適用されます。

会社がルールを作る順序で図を作成したため、
図では就業規則>労働契約となっておりますが、
この2つにおいては、労働者にとって有利な内容が優先されます。

こうした労働契約も、給与計算をするにあたっての労働条件を定めるのに、大切なツールなのです。

◻︎ 給与計算にとっての保険や税金の手続きとは

ここまで、総支給額の計算に必要なこととして、
各労務に関する業務を見てきましたが、最後は控除に関する計算として、
保険と税金の手続きを見ていきましょう。

保険と税金の手続きをする際に、オススメなのは、
①社会保険料と労働保険料の納付は口座振替を利用すること
②やはり社労士等の先生への業務委託すること

だと思います。

口座振替の利用と、業務委託により、
社内で対応するべきことを赤字部分だけに減らせます。

源泉税と住民税の納付は社内で実施する必要がありますが、
その他に関しては、ほぼお願いできてしまうんです。
(年末調整も一部は社内で対応が必要となるため赤字にしてます)

保険と税金は少しとっつきにくい箇所かと思いますので、
さらに自社でのオペレーションをさらに詳細に公開します。

保険と税金について詳細

私は、以下の通り、まるっと社労士の先生にお願いするのが良いと思っています。プロに任せましょう。

◼︎ 社会保険について

◼︎ 労働保険について

労働保険は、加入するか否かの確認も少し知識が必要です。

余談ですが、労働保険は会計処理も少し煩雑ですよね〜。

◼︎ 所得税について

◼︎ 住民税について

まとめ

いかがでしたでしょうか。
給与計算を中心に労務の業務を説明しました。

総支給額の計算に必要なもの

「入社対応・退職対応」…その従業員に対する計算の始まりと終わり
「勤怠管理」     …毎月の総支給額計算に必要
「就業規則・賃金規定」…総支給額の計算時に、各手当等の計算根拠

控除額の計算に必要なもの

「保険や税金」    …控除額計算に必要。社労士等にお願いすると楽

これからスタートアップに転職し、コーポレートの立ち上げをする方に、
ちょっとでも給与計算を始めとした労務業務のことが伝われば幸いです。

特に本日書いた給与計算業務については、
正解が決まっているお仕事ですので、社内の工数が足りないうちは、
国家資格を有するプロの力を活用していくのが良いと思っております。

「労務業務、やったことない・・・、不安だ、、、」
そんな時は、このnoteを読んで、次に社労士の力を借りて、
給与計算を毎月ちゃんと実施し、従業員へお給料をお支払いする。

そして、徐々に、各業務の理解を深めていけば良いのではないでしょうか。

最後に、普段よりKIRINJIをご支援くださっており、
この文章を書くにあたっても、本当にたくさんのアドバイスをくださった
シグナル様は、労務担当者必見の記事を定期的に配信してくださってます。
こちらもぜひご覧になってください!

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