freeeの借入金管理アプリについて、ユーザー目線でレビューしている記事が見つからなかったので自ら書いてみた
初めましての方は初めまして、
スタートアップでコーポレートを立ち上げしている早瀬です。
今日はライトなテーマです。
突然ですが、会計freee使われている方はいらっしゃいますか?
今回の記事は、会計freeeをご利用中で、かつ、
借入のある企業の経理担当者向けの記事となります。
HiTTOは、昨年末よりコーポレートの基幹システムをfreeeに統一しました。
業務の定型化・外部化を進め、月次決算は6営業日で確定、
監査もフルリモートで完結するようになりました。
勿論、会計freeeであれば、根拠資料も全て仕訳に添付されているので、
監査対応にしても仕訳内容の質問はほぼ0になりました。
システム導入による業務の定型化・効率化を推進する理由は2つです。
第1に、業務を定型化する事で、属人化を極力なくす事にあります。
コーポレートは最小人数で筋肉質にしたいが、各人が独自に業務の効率化を追求すると、今度は替えが効かなくなる。。。
それって本当に筋肉質なのかな?と思います。業務を定型化する事で、誰がやっても同じ成果が出せる状態が理想と考えています。
第2に、オペレーション業務以外の、業務の割合を増やしたいからです。
1ヶ月が20営業日として、6日間で月次が締まれば、
14日間は+αの仕事ができる!
スタートアップにおいてこれは非常に大きいのではないでしょうか。
そういった理由から、
サービスを利用する事で少しでも効率化できるならば、
積極的に導入するようにしています。
借入金管理アプリについて
今回は、2020年4月にリリースされた、freeeの借入金管理アプリを使ってみました。ちなみに無料です。
このアプリを導入する事で、次の2つの仕訳が自動入力されます。
(1)借入金/未払金
(2)支払利息/未払金
どちらも未払金で仕訳が登録されますので、
返済・利息が口座から引き落とされたタイミングで出金登録する事で、
借入金に関する仕訳入力は終了となります。
口座引落のタイミングで仕訳入力するのとあまり変わらなくないか?
と思われる方もいらっしゃるかなと思いますが、
借入金・支払利息/未払金が完済するタイミングまで自動で計上される事で
毎月の仕訳入力が必要なくなる事に加えて、2つメリットがあります。
(1)freeeの資金繰りレポートに借入返済のキャッシュアウトが反映。
→freeeの取引機能を普段から活用していれば、資金繰りレポートを、
足元の(短期的な)資金繰り表として活用できるようになります。
(2)わざわざ利息/未払金の仕訳を入力する備忘管理が不要になる!
→自動で仕訳入力されているんだからそりゃそうだよ!って話ですが
人が本来やらないでも良いことを、システムに置き換えられる事が神
こういった理由から、
すんなり導入できる人(後述)は、なるべく早く導入した方が良いのかな?
と思いました。
借入金管理アプリを導入した方が良い人
会計freeeに連携するアプリなので、
もちろん会計freeeを利用している人が大前提なのですが、
それ以外にも、現時点のアプリの仕様により、
すんなり導入できる人と、導入する時に少し手間がかかる人がいそうです。
・返済スケジュール
・金利
この2つを元に、導入の注意点を確認していきたいと思います。
◾︎ 返済スケジュール
借入金の返済スケジュールの登録パターンとして多いのは、
だいたい、次の3類型かなと思います。
(1)利息支払と返済が定期的なサイクル(毎月等)で発生
(2)●年間は元金返済免除で(元金据置期間)、
ある時点から返済が定期的なサイクルで開始
(3)利息は毎月だけど、返済は一括
このうち、最もすんなり導入できるのは、
利息支払と返済の回数が一致している(1)のパターン。
デフォルト設定で、借入金管理アプリ側が計算してくれます。
そのため、ただ入力欄に情報登録するだけです。
また、初回もしくは最終回の返済金額は、
端数をまとめるため金額変更になることも多いかと思いますが、
もちろんそれも登録可能です。
次に(2)の元金据置期間が設けられているケースです。
特に直近、コロナウィルスに関連する融資では、元金据置期間が設けられてるケースが多いと思いますが、ちゃんと対応しています。
借入金管理アプリでは、返済開始日の設定がありました。
こちらもただ入力欄に情報登録するだけで大丈夫です。
登録方法にコツがいるのが(3)です。
借入金管理アプリに登録する際に、返済方法で期日一括を選びません。
毎月返済を選びます。
その上で、初回、2回目以降の返済額を0円。
最終回の返済額を、借入金の総額にして登録します。
ちなみに、元金と元利はどちらでも問題なくすんなりいけます。
なんでも使えるじゃん!という方、その通りです。
問題は金利です。
◾︎ 金利
まずは、金利の登録画面を見てみましょう
結構細かく設定できますね!
だいたい契約書見れば書いてあるので、契約書を見ながら入力したら、
特に問題なく入力完了できるかと思います。
ただ、金利は、固定金利しかないですね。
次に、金利の計算が日数ではなく月単位しかないです。
この借入金管理アプリは、
・アプリ上で生成された返済予定表のデータを元に
・会計freeeに借入金&利息/未払金の仕訳を作成する
ことを目的として作られているのだと思います。
そのため金利の変動に対応して、都度、データを自動計算し直して、
といった作りになってはいなさそうです。
借入契約によっては少し面倒かもしれません。
(1)変動金利の方、(2)利息計算が完全日割りの方、
乗り越え方を見ていきましょう!
結論、どちらの場合でも、
返済スケジュールと金利を一旦仮で登録した後で、
返済予定表というタブから手修正が可能となります。
借入契約を新規登録すると、返済予定表が作成されます。
その際に、利息が正確じゃない状態で登録しても、後から手修正が可能です。(返済回数は修正できないため、元金返済は正しく登録しましょう)
借入年月日それぞれの右側に、編集するボタンがあるので、
ここから金利や返済額の修正が可能となります。少し手間ですが…。
(画像はダミーデータなのですが、ダミーであっても金額感とか、
主題と関係ないところが気になるかと思い数字にモザイク入れました)
◾︎ 利用する時の小技
◻︎休日対応は”休日前営業日”がおすすめ
絶対にやった方が良いこととしては、
休日対応は契約通りではなく、
返済日が月末であれば契約に関わらず”休日前営業日”が良いと思いました。
返済日が月末で、”休日後営業日”に返済の場合、、、
例えば5月31日が日曜日であったとしたら、6月1日に返済となります。
すると、借入金管理アプリの返済スケジュールも6月1日に設定され、
会計freeeと連携した場合、返済スケジュールに合わせ6月1日に、
(1)借入金/未払金、(2)支払利息/未払金
の2つの仕訳が計上されます。
これだと、支払利息を毎月計上するコンセプトとずれてしまうため、
契約に関わらず”休日前営業日”を選択することで、
毎月漏れなく(2)支払利息/未払金を計上する事ができます。
1つ気をつけなければならない点としては、
計上日=決済予定日として登録されますので、
資金繰りレポートを足元の資金繰り表として使われる方は、
決済予定日を要手修正となります。
◻︎過年度の返済予定表を作り込み過ぎなくて良い
このアプリは、あくまで次の2つの仕訳を自動入力するためのものです。
(1)借入金/未払金
(2)支払利息/未払金
また、過年度の会計データには影響を与えず、
進行期の会計データから連携となます。
そのため、金利の自動計算がうまくいかず、過年度の数字がずれていたとしても、過年度全てを修正する必要はありません。
進行期以降を綺麗にすれば良いと思えば、導入のハードルも少しは下がるのではないでしょうか。
◻︎変動金利の場合は、仕訳承認はしないでおく
変動金利の時に絶対に注意しなければならない事が1つあります。
変動金利の場合、借入金管理アプリから登録された将来の
(1)借入金/未払金
(2)支払利息/未払金
は、仕訳を承認しないでおきましょう
仕訳が未承認状態であれば、
金利変動時に、返済予定表の数字を手修正し、
借入金管理アプリ上で、再度、取引登録を実行する事で、
会計freee上の仕訳を最新の数字に上書きする事ができます。
しかし、仕訳が承認状態になっている場合には、
承認済みの仕訳を残したまま、新規で未払金仕訳が作られてしまうため、
二重計上となってしまいます。
(その場合は、承認済みの仕訳を1つずつ削除すれば問題なくなります)
◻︎仕訳の承認権限を持つ人はアプリを触らない
上と同様なのですが、
承認権限を持つ人が借入金管理アプリを通じて取引登録をすると、
自動で承認状態となってしまい、
アプリを通して仕訳の上書き修正ができなくなってしまいます。
仕訳の承認権限を持たないアカウントで操作することをオススメします。
まとめ
ここまでをざっくりまとめると、
・会計freeeは、借入金管理アプリと連携させる事で、
元金返済と支払利息の2つの未払金が自動計上される
・すると資金繰りレポートに借入金返済のCashOutが反映されるため、
足元資金繰り表としてのクオリティが上がる
・金利の取り決めによっては自動計算で対応しきっていない部分があるが、
手修正で十分に対応が可能
・会計freeeユーザーは導入して損なし
freeeの回し者みたいになってしまいましたが、
残念なことに、現時点においてプライベートな関係は一切ございません。笑
完全なる1ユーザーです。ありがとうございました。
定型化と効率化に共感いただける方の一助にでもなれば幸いです!
もしご不明点ございましたら、お気軽にご連絡ください。
最後に思い切り宣伝ですが、
管理部で経理業務(決算や開示、管理会計、予実管理)を中心に、
効率的で高付加価値な管理部を、一緒に考え・作っていってくれる仲間を探しております。
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