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99%の人が知らない教育学系教育学部

はじめに ~教育学部=先生?~

突然ですが、教育学部と聞いて何をイメージしますか?

教育学部と聞くと、学校の先生になる人が行く学部というイメージを持つ人が多いと思いますが、教育学部には大きく分けて2種類、「教員を養成するための教育学部「教育学を学ぶための教育学部があります。

この記事ではその「教育学を学ぶための教育学部」について現役学部生から少しだけお話しさせてください。


教員養成系と教育学系

ここからはわかりやすいように教員養成系と教育学系と呼び分けます。

まず、教員養成系は各都道府県に1つはある教育学部です。基本的にその地域の教員を養成しており、文系理系どちらもあります。教育実習は必須で、卒業時には教員免許が必ずもらえます。小学校教諭コースと中学校教諭コース(と養護教諭コース)に分かれていることが多いです。
教員養成系の大学でも、コースによっては教育学を専攻することもできますが、基本は教科ごとに専攻が分かれており、その分野の学問・研究を行います。

一方教育学系は、一般的な文系学部と同じです。文学、法学、経済学…のように教育学を専攻しています。
ざっくり言えば「教育とはなにか」「”よい”教育とはなにか」「人間の発達とはなにか」ということを研究しています。
コースは、基礎系、社会系、心理系、身体系…などと別れていることが多いです。
教員免許の取得は任意です。文系学部なので取れる免許は中高の英国社などになります。小学校教諭の免許は取れないことがほとんどです。
教員養成系に比べて圧倒的に数が少なく、学生の数も少ないです。

教員養成系のある大学

教員養成系の教育学部は、各県にある国立大学の教育学部と、東京学芸大・北海道教育大などの国立の教育大学です。教育大学は、北海道・宮城・東京・名古屋・大阪・京都・福岡 に加えて、上越・兵庫・奈良・鳴門にあります。

教育学系のある大学

教育学系の教育学部は、北大・東北大・東京大・名古屋大・大阪大・京都大・九州大(いわゆる旧帝大)に加え、筑波大、神戸大にあります。名称は大阪大は人間科学部、筑波大は人間学群、神戸大は国際人間科学部、それ以外は教育学部です。(名称は沿革が関係してますが、今回は割愛。)(足りない大学があればすみません…。)

私立大学の場合

私立大学は分類が難しく、教員養成に力を入れている大学と、教育学研究に力を入れている大学の両方があると思います。大学のHPをみれば、どちらに力を入れているかが分かると思います。

教育学系はなにをしているのか

学部生の分際で、教育学系教育学部が何をしているか書くのはおこがましいですが、学部の目的は、教育学研究者・専門家の育成を掲げていることが多いです。
実際には、教育や人間の発達のすべてを研究の対象とし、教育史、教育行政学、教育社会学、社会教育学、教育心理学、臨床心理学、身体教育学などの学問を学んでいます。
教育や人間の発達について、哲学・史学・社会学・心理学・医学・政治学など様々な学問からアプローチしている印象があります。

卒業後の進路

卒業後の進路は、他の文系学部と大差がありません。大多数は民間企業や公務員に就職します。大学や年度にもよりますが、教員になる割合は1割程度だと思われます。文学部や経済学部に比べると公務員の割合が若干高い傾向にあるかもしれません。

おわりに

教育学部でも先生になるだけではなく、教育全般について研究したい人がいることを少しでも知ってもらえたら嬉しいです。また、教育や教員に興味を持つ高校生の進路選択の一助になればと思います。

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