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調律|140字小説

ピアノを弾くと、楽譜から音符たちが逃げ出した。
調律が狂ったピアノの音に耐えられなかったらしい。

すぐに調律師を呼ぶと、音符たちはピアノの横でじーっと調律が終わるのを待っている。

「終わりました」と調律師が言った瞬間、音符たちは鍵盤の上をポンポンと飛び跳ね、また楽譜の中へと戻った。

【140字小説】


オンライン文芸コミュニティ「星々」さんが主催する140字の小説コンテスト、「十二月の星々」に応募したものです。

毎月テーマが異なり、今月のテーマは「調」。
文中に最低1回は「調」の文字を使うことになっています。


ここちらもどうぞ。

ありがとうございます!(・∀・) 大切に使わせて頂きます!