見出し画像

自分の命が尽きても、小説が遺ればいい

2022年1月7日にnoteを始めて、記事数は388になりました。(公開中のみ)
1か月間に20記事くらいは投稿しているので、なかなかのペースだと思います。

偶然なのか、最近「何のためにnoteで書いてるのか」や「noteで1つだけ記事を残すとしたら?」みたいなテーマをよく見かけます。

私は最初、日記のつもりで書くつもりでしたが、いつの間にかnoteで小説を書くようになりました。それまでは別の小説投稿サイトに投稿していたんですが、アカウントを全て削除して、今はnote1本に絞っています。やっぱりnoteはシンプルで一番書きやすいですね。

さて、あくまでも現時点(2023年7月27日)ですが、これだけの記事の中で「1つだけ記事を残すとしたら?」」となれば、迷うのが普通だと思います。しかし、私の場合は5秒、いや3秒で決まりました。

ズバリ、この短編小説です。

私は主に小説を書くためにnoteを使っているので、「1つだけ記事を残すなら=1つだけ小説を残すなら」になります。

もっと言うと、自分の死後に小説をのこすために書いています。私が死んでも、小説たちがネットの海を漂い、誰かの目に触れてくれればいいと。
その上で、もし「自分の死後にひとつだけ小説を遺せるとしたら?」と聞かれたとしても、答えは同じです。

公募で賞を取り、本を出版したいと言う野望はありますが、私は長編が書けないし、例え長編が書けたとしても、受賞できるような腕はありません。無名でもいいから、作品だけは永遠に遺ってほしい。そう願っています。

なぜ迷うことなく短編小説の「転がる石ころたち」を選んだかと言うと、この作品は現時点で私の最高傑作だと自負しているからです。

ええ、誰が何と言おうと、です。

その理由は、この小説を「書き上げた時期」に起因します。この「書き上げた時期」というワザとらしい言い方に、実はちょっとしたストーリーがあります。

先ほど、「小説を書くためにnoteを使っている」と書きましたが、始めた当初は日記のような記事ばかりで、小説なんてぜんーぜん書いていませんでした。

2019年に小説を書き始めた私は書くのが楽しくて、カクヨム、エブリスタ、ステキブンゲイ、ノベルデイズなどの小説投稿サイトにガンガン投稿していました。毎日PVが上がり、コメントも付き、モチベーションは高かったんですが、2021年の後半から仕事でいろいろとやられてしまい(当時は個人事業ではなくサラリーマンでした)、だんだんと小説を書く精神的な余裕がなくなり、新作が投稿できなくなり、投稿サイトのマイページには、「PVゼロ」の小説だけが残りました。

「これじゃいかん!」と思い、投稿した小説を全部メモ帳にコピペして保存し、投稿サイトの全アカウントを削除し、2022年1月に心機一転、noteで再スタートを切ろうと決意しました。しかし、決意はしても、やっぱり創作意欲はどん底で、1週間に1編、1,000字程度の掌編を投稿するのがやっとでした。noteには中途半端な小説の下書きと、もはや日記にもならない駄文ばかりが量産されていく始末…。

「転がる石ころたち」も、そんな下書きの中の1つでした。

「いっそ書かない方が楽だな。別に小説家になるわけじゃねーし」

2021年の後半と2022年の前半は、本気で書くのをやめようと思っていました。今思えば、本当によく持ち直したなと…。
(ちなみに、当時のTwitterとnoteのプロフィールには「システムエンジニア」と書いていて、「作家」や「ライター」とは書いていませんでした)

駄文量産機と化した私の転機は、2022年の6月。音声ライブ配信サービス「Spoon」との出会いでした。
(詳しくは「転がる石ころたち」のあとがきをご覧ください)

たまたまTwitterで流れてきたSpoonのアプリをスマホに入れて、朗読カテゴリーの人達の「芥川龍之介」や「太宰治」などの朗読配信を何となく聴いていたら、偶然にも銀色夏生ぎんいろなつをさんの詩を読んでいる人に出会いました。恥ずかしながら当時は銀色夏生さんを知らず、詩にも大して興味はありませんでしたが、なぜか私はその時、下書きの中に埋もれていた、ある1編の小説を思い出しました。

「給食ラジオ」

これは下書きになっていた時の原題です。
(この時の小説も残してありますが、恥ずかしくて公開できません)

4,000字ほどの下書きを大幅に改稿し、生まれたのが「転がる石ころたち」です。久々に書いた、手応えのある短編小説でした。特に宣伝はしていませんでしたが、なんと書いた直後に例の配信者さんが読んだらしく、後日配信中にわざわざ感想を言ってくださいました。

「書こう。書かないと何も始まらない」

面白いか、つまらないかは、書いてこそ成り立つもの。

芥川賞作家だろうが直木賞作家だろうが専業作家だろうが兼業作家だろうが関係ない。

やることは同じ。

書いて書いて書きまくる。

モチベーションが下がっている時、キーボードを打つ手が鈍い時、必ず「転がる石ころたち」を読み返します。

そして、自分にこう言います。

「俺に書けないはずはない」

と。

この記事が参加している募集

#noteでよかったこと

48,123件

#私の作品紹介

95,867件

ありがとうございます!(・∀・) 大切に使わせて頂きます!