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140字小説&54字の物語

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140字小説&54字の物語です。
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#超短編小説

深海列車|140字小説

「快速『深海』は間もなく海に入ります。えら呼吸の準備をしてください」 アナウンスと同時…

トガシテツヤ
7か月前
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未来|140字小説

遠くで小さな女の子がシャボン玉を飛ばしている。 ふよふよと風に乗って流れて来たシャボン玉…

トガシテツヤ
10か月前
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知らない町|140字小説

引っ越し先で荷物を片付けていると、いつの間にか夕方になった。 知らない町のコンビニで買っ…

トガシテツヤ
10か月前
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生き写しバトル|毎週ショートショートnote(140字編)

駅で自分そっくりの人と会った。目が合った。 コンビニで自分そっくりの人と会った。目が合っ…

トガシテツヤ
11か月前
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レジスタンス|140字小説

雲が太陽を隠した。 地面の上を影が走って行く。 明暗の分かれた模様が不細工なパッチワーク…

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月のかけら|140字小説

今日は月明かりがない。 光を使い切ったのだろう。 私は海に落ちた月のかけらを黙々と集め、…

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暗闇に触れる|140字小説

明るい場所にいると、暗い部分が一層気になる。 暗闇から何かが飛び出して、自分を覆ってしまいそうな恐怖を感じる。 でも、その暗闇に私はそっと手を伸ばす。 もしかしたら温かいかもしれない。 みんなが知らないその温もりに触れた時こそ、明るい場所の、本当の暖かさを知ることができる気がする。 【140字小説】 オンライン文芸コミュニティ「星々」さんが主催する140字小説コンテスト、「春の星々」に応募したものです。 今回のテーマは「明」。 こちらもどうぞ。

桜の花びらを集めよう|140字小説

桜の花びらを集めよう。 たくさんたくさん集めて、空を覆い尽くすくらい舞い上げよう。 数百…

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ロマン不足|140字小説

分厚い雲の隙間から太陽の光が漏れ、地上に降り注いでいる。 「あ、天使の梯子だ」 誰かが…

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余分なもの|140字小説

「両手が塞がっていたら、大事なものを取りこぼすよ?みんな心と体に余分なものをくっつけ過ぎ…

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地獄極楽査定|140字小説

「あのね、今年度から自分でポイ捨てしたゴミを拾っても、善行にはカウントされないんだわ」 …

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無賃乗車|140字小説

タクシー運転手の同僚がパソコンでドライブレコーダーの映像を見ていた。 顔が青ざめている。 …

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片道切符|140字小説

いつも港にやって来るボロボロの定期船。 客が乗り降りしているところを見たことがないし、一…

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バトン|140字小説

「長い間ご愛読頂き、ありがとうございます」。 定期購読している雑誌の廃刊が決まった。 残念だ。10年前から連載している小説も、いよいよクライマックスか。 翌月、最終号と一緒に原稿用紙と古びたペンが入っていた。 「続きを書くのはあなたです」。 気が付くと、ペンという名のバトンを握っていた。 【140字小説】 オンライン文芸コミュニティ「星々」さんが主催する140字の小説コンテスト、「一月の星々」に応募したものです。 毎月テーマが異なり、今月のテーマは「定」。 文中