【プロローグ,フェス一般,生活編】ケルン・ズークフェスティバル
辞める予定が、180度の方向転換
去年「ズーク1年やった記念」で参加した、スペインのズークフェスティバルは、私が1年習って来たブラジリアンズークではなく、ランバダズークという、ステップのタイミングも雰囲気も、ブラジリアンズークとは違う種類のランバダ・ズークだった!
「それでもランバダフェスティバルは最高に楽しめたし、ヨーロッパでのブラジリアンズークとは縁がなかったんだ、きっと。身体も時間も持たないし、予定通りやめよう」
当時大切な人にも、スペイン旅行後にズークを辞めてほしいと言われていたし、そうするつもりだった。
しかし。勤めていたダンスバーで時々ブラジリアンズークイベントが行われ、スタッフとして踊れる機会をもらえると……。
「なんて、楽しいの!皆さんもますますレベルアップされてて、更にすごい技も踊れるし。これ、本当に辞められるの?」
と、雲行き怪しくなって来た(笑)
趣味友さん達からも温かい励ましのメッセージを頂き、ますます完全に辞めるのは難しくなって来た。
始めて1年間習った時のように、定期的にレッスンやパーティーには行けなくなり、1ヶ月まるまる休むなんてこともあったものの、こうして私は大好きなブラジリアンズークを辞められずに細々続け、そして2023年の末、思い立った。
「やっぱり、ヨーロッパでこのダンスを踊ることを諦められないや。“ブラジリアン“ズークのフェスティバルを、一生に一回は大好きなヨーロッパで参加して、それで今度こそ辞めよう」
すでに行くと決めていたキゾンバフェスティバルの前後で、ズークフェスティバルを調べてみる。
「うん、ドイツ?最高じゃん!ケルンはまだ行ったことないし、主催者のJulinhaさん、動画見たら美しい踊りで魅せられるし。よしっ、このフェスに決めよっ!」
後々自分の首を絞めることになるが、この時は情熱のまま金額も気にせず、すごい勢いでフライト、フェスティバルのフルパスを申し込んだ。
貧民なのに、我ながら恐ろしい女子である。
フルパスは、数回に分けて売り出される
一番安いチケットは、前年の閉会直後に「LOT1(セール第一弾)」として売り出され、あっという間に売り切れたようだ。
それもそのはず。
水曜日から月曜日(祝)まで6日間もレッスンやパーティーが受けられて、たったの130ユーロ(100円計算なら13000円、近年円安で200円近くで計算しても26000円)なのだ。
「円安だったとしても、東京のリッチなイベントの2分の1の値段で参加できるなんて!これ、買いたかったなぁ」
残念だったが、参加を決めた直後、「LOT2(セール第二弾)」という、これまたお得なチケットが限定で販売が開始された。
160ユーロ(円安がひどく1ユーロ200円でも、32000円位)。
「今申し込むしかないっ!」
色々なTo Doを後回しにして、決済完了まで済ませられた。
まるで中学生になったばかりの頃、ジャニーズのコンサートに行くために友人達と必死で予約した時のようなエキサイティングさだった。
この後はどこまで上がったのか知らないが、ドイツはこのように、期間ごとに限定チケットが発売され、売り切れたら次の時期のチケットを待ってそこで買う、という流れになっているようだ。
ドイツのズークフフェスティバルに行かれる方は、HPやFBページをよくチェックしておこう。
フルパスに、宿泊施設やご飯は含まれず
2023年のスペインのズークとキゾンバフェスティバルと完全に違った点は、ドイツのフェスティバルは基本、
「宿泊や食事は、各自で取ってね」
というスタイルのようだった。
東京の大きなイベントと同じように、フルパスを支払ってからホテルも取らないと行けないから、忘れないようにしよう。
ドイツは「Couch Surfing」が流行っていて、身体が丈夫な人は他の人々と、無料でソファなどにステイさせてもらえるシステムも、Julinhaの素晴らしいホスピタリティ精神のもと、フェスティバルのスタッフは提案してくれていた。
「決して裕福な人だけでなく、貧民達にも踊る楽しさを知ってほしい!」
と思ってくれている、Julinhaやスタッフの皆様の心遣いが、とても嬉しかった。
私も最初はCouchsurfingを検討していたが、3月、4月と嘔吐や頭痛、熱で周りに迷惑をかけてしまったから、最終的に自分自身の寝室があり、ゆったりと過ごせるAir Bnbに変更した。
Air Bnbのホストさんとは今もコンタクトを取る程の仲良しだから、結果的にこれで良かったのだと思っている。
イベント会場のスタジオは、アクセス良し
フェスティバルを選ぶ際、キゾンバの場合、私は先生で決める。
でも先生で決めた場合、その会場が公共機関では行けない、究極に不便な場所だということも、あり得る。
この後に行くキゾンバフェスティバルでは、まさにその落とし穴にはまった。
だがキゾンバフェスティバルの前後にたまたまあった、このケルンでのイベントの場所は、素晴らしかった!
緑豊かなケルン空港からケルン中央駅、町の中心に行くまでに一時間もかからないことが、まず有り難い。
そして、ケルン中央駅からスタジオの最寄り駅には、10分以内で到着できる。
その各線の路面電車が停まる停留所から、5分以内にはスタジオに到着する。
これまでのフェスティバルは郊外ばかりだったから、このアクセスの良さはすごく助かった!
路面電車は週末は深夜でも走っているから、参加者達は時間を気にすることなく、真夜中もパーティーを楽しみつくせていた。
メンバーの国籍
ここケルンでのフェスティバルは、毎年クオリティーが高く、練習、レベルアップできる環境が整っているらしい。
だから、まずドイツ各地から、たくさんの人達が参加していた。
彼らと仲良くなれたおかげで、ダンスは辞めていたとしても「ドイツ各地を周遊旅行する」という次の楽しみが出来た!
次に多かったのが、オランダ勢(南部の都市は、アムステルダムに行くよりケルンの方が近いそうだ)。とてもレベルの高いダンサーが多く、ハイテンションで踊ることが出来た。
そして、ヨーロッパ全土からたくさんの人がやって来ていた。
イギリス、ポーランド、ポルトガル、ベルギー、チェコ、ルーマニア、などなど。
社会人になってからも、ヨーロッパ各国に新たに友人が出来たことはとても嬉しいことだ。
ルーマニアのフォロワーダンサーとも「何としても先生と踊りたい!」情熱で意気投合し
(笑)仲良くなれたため、またルーマニアも訪れたくなってしまう。
ちなみにダンス王国であるはずのフランス、イタリア、スペインは、地元でのイベントが充実しているのか、自身の先生がイギリス人やポーランド人のようにこのフェスティバルに参加していないからか、このフェスティバルでは意外に会うことがなかった。
ベトナム、インド、アメリカからも、私のようにはるばる来ている人がいて、遠方組同士で彼らとも仲良くなれた。
アジアの風貌の人は、10人足らずという所か。
ベトナムさんは現在はドイツ在住でもまだまだベトナムとの二重生活らしいが、他のアジア系の皆さんは長いことヨーロッパに住んでいる人達で、服装も雰囲気もヨーロッパ人のような雰囲気だった!
そんな希少なアジア人で目立ったからか、今回もたくさんのラッキーを体験することが出来た。
余裕を持った宿泊がお勧め
ケルンはたくさんの魅力が詰まったドイツ第4の都市だから、フェスティバルの前後で余裕を持った宿泊をお勧めしたい。
WCSを約半年やっていたおかげで、私は訪れることが出来る友人達がいた。
地方WCSで仲良くなったAちゃんと、東京のおかっち先生&はるか先生のイベントで出会ったドイツさんが、2人ともケルン在住だったのだ!
このWCSから繋がった絆にも、大感謝である!
東京WCSの素晴らしい思い出、ドイツさんとの出会いについては、こちらの記事をお楽しみ頂きたい。
彼らと旧市街の歴史の深いレストランで、ドイツ料理、というよりもケルンやライン川沿いの郷土料理を楽しんだり、お家に遊びに行かせてもらいドイツ料理を頂いた思い出は、とても温かく貴重な思い出になった。
一緒にライン川を渡り様々な建築物に触れたり、ケルンのシンボル的存在、ケルン大聖堂を色々な時間に眺めたり、旧市街を散歩したり。
そうした思い出も必ず、フェスティバルとはまた違った、貴重な思い出として残るだろう。
ケルン発祥だという「オーデコロン」を彼らのアドバイを参考に買えたのも、思い出の一つとなり嬉しかった。
ケルンは独自の歴史を築いて来た都市だから、ケルンの歴史について学びながら街を散策するのも、とても興味深い。
地元の人達が勧めてくれた無料のウォーキングツアーも、独自のケルンの歴史を知る上で色々なことを教えてくれると思う。
そしてAir Bnbのホストに連れて行ってもらった野外のサルサパーティーが、サンセットの時間でこれまた素晴らしかった!
サルサをしていたのはコロナ直前までだったが(その上最後の一年は、とても細々だった苦笑)、ライン川の上に停泊している船の形をした博物館のデッキでのパーティーでは、ノリの良い観光客やドイツ人達のリードのもと、とても楽しく踊り明かせた。
サンセットに輝く美しいライン川を見ながら、その前に踊ったリーダーと話が盛り上がっていた時に、さらわれるようにして誘われた、爽やかなドイツ人Mとの、異常に滑らかで優雅さと情熱が混じりあったようなサルサが、特に素晴らしい思い出になった。
フェスティバルの前後の日々で、あなたもぜひともその街を味わい、出来た友人と街での文化や歴史を楽しみ、また他のダンスのイベントにもふらりと参加してみてほしい。
一つだけ気をつけないといけない点がある。
木曜日からフェスティバルが始まる場合、平日のプログラムは夕方からだったりパーティーからだったりする。
「やることないな。観光しまくっちゃえ!」
と、私のように友人を訪れたり旧市街を歩き回ったりしいていると、フェスティバルのレッスン編で書いた通り、疲れがマックスになり翌日遅刻してしまう程熟睡してしまう可能性がある(笑)
平日、もしフェスティバルが始まる時間が遅くても、プログラムが始まる前にヘトヘトになる程は歩き回ったりはしゃぎ回ったりしないようにしよう。
スーパーもレベルが高いドイツ
WCSのKorean openほどではなかったが、しっかりと「休憩時間」が取られていたスペインでのズークランバダフェスティバルよりも、このドイツのズークフェスティバルは休み自体も曖昧で、ないに等しい日もあった。
経済的に余裕のある方は、毎回お洒落で素敵なレストランで臨機応変に食事が出来るだろうから、この項は時間の無駄になるようだったら読み飛ばしてもらっても良いかもしれない(笑)。
もしあなたが経済的に苦しく、それでも支援者はなしで自力でフェスティバルに参加していて節約が必須なら。
今は異常な円安でファーストフードのようなカジュアルレストランでも1000円超えしてしまうから、それならスーパーを使うのも良案かと思う。
ホテルに住んでいたとしても、ドイツのスーパーのDeliは美味しいから、それらを買って部屋で食べるのも良いかと思う。アジアのコンビニやスーパーのお弁当より添加物なども少なく、より自然な味わいだと思った。
週末のプログラム(レッスン)が始まるのはお昼からだが、真夜中ずっと踊っていたら起きること自体が昼になり、なかなか何かを優雅に食べている時間が取れない。
もしホテルに泊まらず、ホームステイやAir Bnbを利用するのであれば、ホストさえ了承してくれた場合、サラダの作り溜めをお勧めしたい。
ドイツでは、スーパーで美味しいサラダ(ルッコラやらVogel saladやらをミックスする)、トマトやパプリカ、チーズ(モッツァレラやフェタなど)が揃っているし、それに調理された鶏肉、ツナや卵も混ぜておけば、野菜もタンパク質も一気に摂れる。ドレッシングにできるオリーブオイルやお酢は、ホストが貸してくれる場合もあるから聞いてみよう。
これを3〜4日分位お皿に入れてラップをして、すぐ食べれる状態にしておく(タッパーは、ステイ先によっては洗い残しなどで異臭がしたりするから、ステイ先のタッパーが清潔かによる)。
鶏肉だけは、前日買ったものを付け加える(色々な味つけのものがあり、食べ比べをするのも楽しい)。
そしたら、朝起きてすぐにブランチを始められるから、いい時間短縮になるし、健康的に栄養も摂れる!
ドイツのスーパーでは、添加物などが使われていないVioのスムージーやプロテインドリンクも充実していたから、最後の日まで倒れてしまわないように、昼と夜は短時間でも健康的なものを少しずつでも摂った方がいいと思う。
身体が丈夫ではない私も、韓国のWCSオープンの途中で倒れてしまった反省を活かして、とにかくレトルトは出来るだけ避け、今回のズークフェスティバルではこの方法で、最終日まで元気に踊り切れた。
スイーツ好きには、このドイツのチョコレートやビスケットの美味しさにも大喜びするはずだろう!
とにかく、美味しいチョコレートが勢揃いしているし、有名ブランドのチョコレートも日本よりずっと安く食べることが出来る。
あまり日本では見かけないココナッツ系のチョコレートが一番のお気に入りで、疲れて来たかな?と思った時や朝(というか昼)に起きるのがしんどいと思ったら、これを食べると一気に目覚められた。
ブラックチョコレートも、種類やパーセンテージがより豊富だ。集中力維持に、うまく活用してみよう。
Julinhaやスタッフの温かい歓迎
学生時代の時以来訪れたドイツの食べ物や、すっかり気に入ってしまったケルンの街について書き出したら止まらなくなるが(笑)、フェスティバルのメインになるレッスンとパーティーのことこそしっかり書き残したいため、そろそろ次の記事へと進もうと思う。
レッスン編に移る前に。
ここ、ケルンのズーカーの温かさについて感謝を込めて触れておきたいと思う。
小柄で妖精のようなJulinhaの踊りに見惚れ、このフェスティバル参加の決め手になったのは先述の通りだが、このJulinhaをはじめ、ケルンのズーカーさん達は外部からやってくる参加者達にどこまでも優しかった!
「Couch Surfing」での幾度の心遣いのメールなど、その温かさや心配りには行く前から安心し助けられていたが、実際に彼らと会うとますますの温もりを感じた。
私にとって初日の木曜日、パーティーから参加すると、クローズドクラスにも関わらず50人を超える人々がJulinhaのレッスンを受けていて、上の階にまで届く大歓声に包まれていた(この頃は、クローズドレッスンがお手頃な価格で受けられることをまだ知らなかった)。
レッスンが終わりパーティーが始まった時、Julinhaに声をかけてみた。
「Julinhaさんですよね?私、メッセージなどでお世話になった、日本から来たタンツです!」
Julinhaは、美しい笑顔を見せて私を抱きしめてくれた。
彼女の柔らかい金髪が私の肩にかかり、私はドイツ・ケルンのズークフェスティバルに来たことを改めて実感した。
「タンツ、無事来れて良かった!ようこそ、ケルンへ!あなたは何も心配することはないわ。ここケルンズークは、最高のコミュニティーだから。最終日まで、一緒に楽しもうね!」
妖精に輝く笑顔で抱きしめられ、胸がキュンキュンしてしまったし、いきなりのパーティーからの参加でも不安なく入って行くことが出来た!
ケルンのズークスタッフ兼参加者達も、素敵な人達ばかりだった。
初日のパーティーから仲良くなった子が翌日受付にいたりして、
「おはよう、タンツ!よく眠れた?」
などと受付で聞いてくれたりするから、ケルンズークに日頃から参加しているような親近感すら湧いた。
ドイツは首都集中型ではなく地方の各都市が首都並に栄えている所も、全体的にズークのレベルが高い理由なのかもしれない。
ケルンに限らず、もっと地方都市のフランクフルトやハノーファーなどでも、強力なダンスコミュニティがあるという。
さて、そんな温かさとホスピタリティで溢れたJulinhaとケルン・ズークコミュニティが主催してくれているケルン・ズークフェスティバル。
期待以上のレッスンとパーティーについて、いよいよ詳しく触れていきたいと思う。
「ズーク」を知らないあなたでも、楽しめて、感動できるようなエピソードもいっぱい!
ぜひ、続きをご覧いただきたい。
レッスン編
パーティー&まとめ編(ショー含)
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