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10:10:10が教えてくれる意思決定の視点

(写真はタイ、バンコク市内の昆虫食レストランの前菜:2015年4月撮影)

ハイパフォーマンス・コンサルタントの髙澤健(たかざわたけし)です。

あなたが「最高の自分」に向って成長し続けることに役立ちたいと願って書いています。

今回は「10:10:10が教えてくれる意思決定の視点」と題してスージー・ウェルチ氏が提唱する10-10-10(テン・テン・テン)の決断方法から教えられることについて書きます。


10-10-10(テン・テン・テン)とは?

スージー・ウェルチ(Suzy Welch)氏は、米国のビジネス・ジャーナリスト。昨年他界した故ジャック・ウェルチ(Jack Welch)の配偶者。ジャック・ウェルチ・マネジメント・インスティテュートという新しいスタイルのMBAスクールの共同創設者です。

故ジャック・ウェルチは世界最大の総合電機メーカーであるゼネラル・エレクトリック社(GE)のCEOとして1981年から2001年までの20年に渡って成長を牽引した人物です。(同じ名前のトーマス・ウェルチ氏が1869年に創業した葡萄ジュースで知られるウェルチ社とは、何の関係もありません)

スージー・ウェルチ氏は、意思決定をする際に3つの質問を自問するというシンプルな意思決定法を著書の中で紹介しています。

ビジネスかプライベートを問わず、決断をする時に

  1. その決断をすると、10分後にどんな気持ちになるだろうか?

  2. その決断をすると、10ヶ月後にどんな気持ちになるだろうか?

  3. その決断をすると、10年後にどんな気持ちになるだろうか?

という3つの質問への答えを比較しながら、最終的な結論を出す前に、決断について考えてみるわけです。


ノルアドレナリンの6秒に乗っ取られない

ノルアドレナリンとは神経伝達物質です。アンガーマネジメント(怒りのコントロール)の時によく使われる言葉です。

私は自分が短気だと思っています。短気かどうかは別として、怒りの感情がこみ上げてくると、顔が赤くなったり、声が大きく強くなったり、心臓の鼓動も早くなったりと、身体的な変化が起こります。

この身体的な反応を引き起こしているのがノルアドレナリン。

このノルアドレナリンという物質によって引き起こされた「興奮状態」が、収まるまでに約6秒かかると言われています。

それで、感情的になったときに「6秒ルール」などと言って、

  • 花の名前を10言ってみる

  • 100から数字を3ずつ引いた数字を順に言う(100,97,94,91,88,85,82,79,…)

  • 4つ数えながら息を吸って、4つ数えながら息を止めて、4つ数えながら息を吐いて、4つ数えながら息を止める(ボックス呼吸法)

このような方法で初期の感情の高まりによって「反射的な」言動を避けようとするわけです。

逆に6秒の間にさらにノルアドレナリンを分泌させることによって、興奮状態がさらに高まってしまうこともあります。

そのような興奮状態で反射的な言動をすると、相手がそれに対して反応をする可能性があります。その相手の反応に更に反射してエスカレートして...どうでしょう。私は経験者です。

一時的な興奮状態を乗り切っても、「ひとこと言わせてもらいたい」と思うときがあります。

そんな時に10-10-10で考えてみます。

10分後には「言ってやった」とスカッとする
10ヶ月後には友人を失っているかもしれない
10年後に、もし、その友人の不幸を聞いたとしたらどんな気持ちになるだろうか

このように一時的な感情短期バイアス振り回される決断を避けるために有益な視点です。

大切なものは時間の経過と共に価値を増す

娘が小学校の高学年だったときのこと。

玄関で出かける様子だった娘に声をかけました。

私:「どこか行くの?」
娘:「家出する」
私:「え?お父さんも一緒に家出していい?」
娘:「うん」

こうして親子二人は家出をしました。
二人で自転車に乗って行く当てもなく出かけました。

私:「暗くなってきたね」
娘:「うん」
私:「どうする?」
娘:「帰ろっか」
私:「分かった」

こうして、半日の家出は終わりました。
どうして家出したかったのか今でも知りませんが、娘なりに耐えられない何かがあったのでしょう。

  • 家出した10分後、どうなるかなとハラハラ

  • 家出した10ヶ月後、そんなことを忘れていました

  • 家出してから15年が過ぎた今、教師をしている娘が父親との関係について話す時に、一緒に家出してくれた父親のことを話してくれます

私にとってそれほど大きな出来事ではなかったのですが、時を経るに連れてあの半日のプチ家出の価値は、高まっているのだな、とふり返るのです。

あの時にあの決断をして良かったと思うのです。

大切なものを見失わない時間の経過について、10-10-10が教えてくれているように思います。

まとめ

10分後、10ヶ月後、10年後という時間軸を使って意思決定をする。とてもシンプルですが、ここに上げた2つの事だけではなく、多くのことを教えてくれるように思います。

人生は一回。「後悔」ではなく「感謝」にあふれた生き方をするために決断をしたいと思います。

お付き合い頂きありがとうございます。


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