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今までの人生40(サンタがくれたモノ4)

絶対最後に父に会う!

うつ病になって初めて地下鉄に乗れた。

後はじっと座って泣いててもいい
目をつむって耳栓していれば
終点駅に着く。

もう周りのことは気にならなかった。
地下鉄に乗れた安心感。
座れた安心感。

ダウンコートのファスナーを上まであげ
口元を隠し、鼻から口元へハンカチを入れ
コートのフードを深くかぶり、大きな荷物を抱き
眼鏡はこもった息と涙で曇り
涙なのか鼻水なのかもわからない状態で
グズグズずーと泣いている中年女。

周りの人は本当に近寄るのが嫌なくらい
キモッと感じていたと思う。

でもそのくらいその時は平気だった。
というか気にする余裕などどこにもなかった。

うつ病になって初めて地下鉄に乗れた。
絶対最後に父に会う!

そのことしか頭になかったのだ。

数十分地下鉄に乗り
終点駅に到着。
ほとんどの乗客が下りるのを待って
最後のほうに降りる。
改札をぬけた。
タクシー乗り場は何番出口だ!?
地下鉄の出口案内の地図を見る。
タクシー乗り場は数か所あった。

実家に一番近いタクシー乗り場の
出口から出よう!

タクシーには乗れる。
数台止まっていたタクシーの先頭に乗った。
行き先を告げグズグズ泣いている私に
運転手も何も話しかけてこなかった。

タクシーに乗り十数分。
実家の近くに到着。

泣いている顔は見せられない。
フードを外し
ファスナーを首元まで下ろし
口元に入れていたハンカチで鼻をかみ
ポケットに詰めこんだ。

実家に向かいながら大丈夫、大丈夫と
言い聞かせながら実家の玄関のチャイムを押す。

「はーい はーい はーい」

聞こえてきたのは小さな女の子の声。

家を間違ったのか?
と表札を見直す。

玄関の鍵が開く音を確認しドアを引く。

目に入ってきたのは5歳の髪の長い少女
来るのは私だと伝えてあったのだろう。

「ばーば ○○(私)ちゃん来たよー」


次男の長女(私にとって初めての姪)が
出迎えてくれた。
部屋に入ると母と次男家族。
次男と嫁と長女Tと次女Sまだ赤ちゃんだ。

長男家族はすでに葬儀場に移動し、いなかった。
うつ病になる前に長男家族には会っていたので
次男家族に私を先に会わせたかったのだろう。
次男以外は初めましての人ばかりだ。

まず嫁に挨拶し
初めて会う姪っ子Tは次男と母と嫁と私の周りを
ちょろちょろと動き回りテレもあったのだろうが
はしゃいでいた。

やっと実家にたどり着き
父に会えると思う安心感
長男には一人息子
次男には娘が二人
私には・・・いない。

当たり前だが弟たちにも姪っ子甥っ子にも
罪はない。
むしろ喜ばしいことなのは理解できている。

でも流産し多分もう子供は産めないであろう私には

なぜ私には赤ちゃん産めなかったの?


という気持ちが一気によみがえった。
私はまたグスグス泣き始めて
部屋の奥に行きコートを脱いでへたり込み
しばらく一人で泣いていた。

5歳の姪っ子Tは
なんで○○(私)ちゃん泣いてるの?
と次男に聞いていた。

次男はじーじが死んじゃったから
○○(私)ちゃんは悲しいんだよ。


Tだってお父さんが死んだら悲しいだろ?
そんな説明を遠くでしているのがなんとなく
聞こえていた。


今日はここまで


朝普通に目覚めたのに
起き上がれなかったのなんでだろう?
やっぱ風邪気味のせいなのかな?
節々も痛くなって来ていて心配だ。
朝活が午後活になりつつある。

でも今は自分を追い詰めない。
こうゆう日もある。
誰にでもある。

今この時間が本日の絶好に気温が高い時間
-1℃!
今のうちに買物がてらの散歩をしよう
風邪気味だけど・・・

30代後半でうつ病になり、 病気になった原因や、 51歳を機に第二の人生を歩もうと未来を望むことを決めた、 これからのことを綴っていきたいと思います。