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【学び㉘冊目】経営者になるためのノート

売上規模2兆円を超える、マンモスアパレル企業を率いる、柳井正氏の経営者思考を紐解きます。


学び① 終わりから始めなさい!!

柳井氏が、GAPを超え、ファーストリテイリング世界一のアパレルリテイラーにするという目標を海外コンベンションで口にしても、誰もが本気だと思わず失笑しました。この目標はまだ達成できていないものの、これまで起こすことができた数多くのイノベーションは、この時の目標宣言があったからであると、柳井市は振り返ります。

ここでの学びは、「形から入ることの重要さ」であると考えます。まず高い目標を掲げることが出来たからこそ、形に実際を追いつかせるための努力が重なり、結果的に数多くのイノベーションを起こせたのです。本書を読む限り、柳井氏は無意識にこれを行っているように感じましたが、これこそが経営者に必要な「逆算思考」です。経営者が「積み上げ思考」で、行き先を考えず何となく日々積み上げていくような経営の仕方をしていれば、イノベーションは起こすことが出来ません。常に、始まりではなく、終わりから考えることが重要なのです。

学び② 経営者は常に危機感を持って経営せよ

多くの人は、経営者は追い風に乗り、どんどん前に攻めていくような経営をすればいいと考えますが、柳井氏はこれを完全に否定しており、むしろ危機感を持った経営こそが、正常であるとしています。市場は嵐のようで、常に変化し続けています。顧客のニーズが変われば、今まで売れていたものも、一瞬にして売れなくなるという、市場の暴力性を、小売業を営む彼だからこそ、肌身を持って感じていたのではないでしょうか。

「今の成功は、未来の当たり前ではない」という大前提に立つことこそが、スタート地点です。今の成功を未来でも続けるためには、常に、顧客の視点に立ち、仮説を立て続けることが必要です。「~が~したらどうしよう。。?」というように、様々なワーストのシナリオを想定する必要があります。ワーストのシナリオが浮かばなければ、改善策も当然浮かびません。なるほど、この点において、経営者にはポジティブ思考だけでなく、ある意味ネガティブな思考も必要である、という気付きがありました。


学び③ 時間を活かした人だけが成功する

ファーストリテイリングは、その名の通り、「お客様の求めているものをいかに素早くキャッチして、いかにはやく商品化し、いかにはやく提供するか」という、行動指針が込められています。市場が目まぐるしい変化し続けるなか、経営におけるスピードの重要性も付随してどんどん増しています。

ここでの学びは、経営者の意思決定の素早さの重要性です。意思決定は早いに越したことはありませんし、失敗しても、PDCAサイクルを速く回し、次に活かせばいいのです。経営者になる条件の1つとして、意思決定力が強いことが挙げられます。トップに立つ人間の意思決定が遅ければ、変わりゆく市場のニーズに応えていく力が限りなく弱くなってしまうからです。


まとめ

成功している経営者が、ほぼ必ずと言っていいほど持ち合わせている、社会への強い貢献心が、やはり柳井氏からも感じられました。また、経営者の野望的側面と、現実的側面の二面性がそれぞれ、シンプルな言葉で説明されており、部下のマネジメントや、経営者思考の教育の際にも、最適な1冊であると感じました。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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