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vol.084「後輩が即答で教えてくれた、『部下が上司に期待する、3つの条件』。」

誰にでも、特技・取り柄があって「大多数の人が、取り組みテーマと考えないことに焦点をあて、言語化してみる習慣」はそのひとつです。

たとえば「部下からはどう見えているか」を、どうにか客観視(文章にする)しようと、自覚的であろうともがいていることは、すくなくとも「特徴」だと思っています。

◆部下が即答で教えてくれたこと。

前に後輩(部下)と話していて、
「部下が上司リーダーに期待することって何がある?(そもそも期待してる?)」
と尋ねたところ、3つ挙げてくれた。
一貫性があること、前向きなこと、切替えられること、です」。
間髪いれず、ほぼ即答でした。

教えてもらったことを、シェアします。

(1) 一貫性があること。 

・「言うことが前と後で変わる」は論外。問題外。
・価値の置きどころが不変であること。ブレないこと。
判断基準が明確なら、メンバーは自分の考えで行動、工夫ができる。報連相もしやすい。

(2) 前向きであること。

・基本姿勢として、オンは常に前向き。
・相談に乗ってくれる。味方でいてくれる。すくなくとも話は最後まで聴いてくれる。
・目下の相手に愚痴をこぼさない。ネガティブな言動を取らない。
オンが前向きであれば、オフのときの弱音にも付き合える。共感のしようもある。

(3) 切替えられること。

・オフは思い切ってオフにできる。
・仕事以外の時間の過ごし方を知っている。趣味、打ち込むものがあり、楽しむすべを知っている。
・「仕事一筋」「プライベートを省みない」という姿勢は周囲から見ると引くこともある。
「オンは常に前向き」の裏返し。2つで1セット。どちらか1つだけでは、「人間としては良い人」かもしれないが、部下としては接しづらい。

聞いて、いずれも言われてみればもっともな、リアルで、鋭い視点だと思いました。

※彼女は若手女性→ワーキングマザー、という立場。男性が多数派(人口比でも権力構造でも)のニッポン型企業の中で生きていくのに、細心の注意を払いながら過ごしてきたはずで、鋭いのも当然だと思います。

◆わざわざ指摘してもらえない。減点されるだけ。

特に「なるほど」と頷いたのが、「リーダーは『もっとも身近なプロの社会人』。格好よくあってほしい」こと。

ありがたい、といえばいいのか分からないけど、そんな風に(前向きに)見てくれていることが、新鮮な驚きでした。「いえ、最初から期待してません」という回答だってあり得たわけですから。
同時に「常に観られている」ということだから、緊張感を覚えもした瞬間です。

判断基準が明確。不変。
ネガティブな言動をしない。
基本的に前向きでいる。
話を最後まで聴く。
オンオフの切り替えができる。

つまり安定していること。
リーダーの最低限の義務は「自分の感情を優先しないこと」なのだと改めて認識したできごとでした。

気分やプライドで判断したり、言動することってあると思います。その場にいない相手への強気の発言、粗暴な表現を使う、声を荒げる、といったことです。
そのとき、メンバーからは間違っても、「うちの上司はすごい!アグレッシブ!格好いい!」なんて、思われない。「イタいやつだな」と見られている。

でも、部下は上司よりずっと考えているから、その場では態度に表さない。まして、身の危険をかえりみず指摘もしてくれない。
もしも、「普通リーダー運転免許」があるとしたら、部下全員から【心の中で】点数が引かれている。

そのくらいに考えておくと良さそうです。

◆「能力」ではない。「行動」だ。

後輩が挙げてくれた「一貫性がある・前向き・切替えられること」に共通するのは、行動・態度の問題だということです。
言い換えると、能力や専門性ではない。

似たことを考えたことがあって、同じくシェアします。
「頭がいい、とは何だろう」という問題です。

頭の回転が早い、頭が切れる、物知りだ、といろいろ定義できそうだけど、話を単純化するために、「賢い人 ないし 考える人」に置き換えて、定義をこころみました。

賢い人の定義:

① 人の話を聞く
・最後まで さえぎらずに聞く
・事実と感情を分けて聞く
・相手の立場、自分との関係性にかかわらず聞く ※意見を採用するかしないか、判断を変えるか変えないかは別問題。

② 想像力をもつ
・自分の言動が何を引き起こすか想像する
・相手の行動原理、利害関係に推測をめぐらす
・あいだを取り持ってくれた人のことをかんがみる

③ 自分で考える
・自分の頭で考える
・自分の言葉を使う。意味を調べる
・入力を得て考える。入力がないと「考える」ではなく「悩む」

といったことは、無理なく言えそうです。

裏返すと
④人の話を聞かない
⑤他者への想像力に欠ける
⑥自分で考えない
は「賢くない、愚か」ということになる。自分に置き換えてみて、陥る可能性は十分にあるな、と思います。
管理職なら、「部下の話を途中で遮る・先回りする」「部下の心情や置かれた状況を想像しない」「自分では決めたがらず部下に判断させようとする」となるでしょうか。

話を聞くのも、想像するのも、考えるのも、知識や資格や何かではなく、行動です。「一貫性・前向き・切替えられる」と同じです。
つまり、上司(管理職)に求められることの大半は、態度・行動、つまり「意識すれば実践できるもの」です。

だから研究する意味があるし、勉強して練習すればかならず上達(改善)する。逆にいうと「私には向いてない・適性や才能がない=できない=大目に見てほしい」の言い訳が通用しないということでもあります。


上司の自己評価と、部下からの客観評価には常にギャップが存在するものだ、という視点は、仕事を続けているかぎり、忘れずにいたいと思っています。
「智慧の研究は、棺の蓋をするときに終るのだ」。
勝海舟翁の言葉だそうです。

最後までお読みくださりありがとうございます。



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