いつか、この街に住みたいと思った。今、その街に住んでいる。
いつか、この街に住みたい。
ふと、そう思ったのは、この街で生活している自分がリアルに想像できたから。
リアルに想像できるというのは、もうほとんど決定している未来のようで、とんとん拍子に家が決まり、引っ越してきてしまった。
この街の良いところは、おもちゃ箱のように新しい物や古い物が魅力的に、それも同時に存在しているところだ。
まるでジブリの物語の中に繋がっているんじゃないかと感じる路地が無数に存在する。
猫しか通れないんじゃないかとすら思う道もある。
この道はどこへ繋がっているんだろうと毎回ワクワクさせてくれる。
ちょうど一年前の、桜が咲く頃に引っ越してきた。
この一年で、もっとこの街が好きになった。
だから、この大好きな街の事を書こうと思う。
1,時代の狭間にある街
この街は、パッチワークみたいだ。
セピアとカラフルな色でツギハギされた街。
元は炭鉱の町なので、昭和の面影を残したまま発展してきた痕跡がたくさん残っている。
まず、家の並びが無計画……と言わざるを得ない。
土地が三角形だったり、くねくねと道が曲がっていたり、家と家の間隔が近すぎたり、後から作られた段差によって、家の2階部分が地上に出て、一階部分が地下のように隠れてしまっていたり。街がパッチワーク化している。
「この土地余ったから、テキトーに何か建てといて」とでも言われたかのように、なぜか道の真ん中に突如出現する橋。
誰がここをくぐって向こうへ行くのだろう。
くぐってみると、橋の下にポスターが貼ってあった。
「誰が貼ったんだ!」「そして、誰が見るんだ」とツッコミたくなる。
街並みを見渡すと、味がある建物が多く残っていることが分かる。当時はどんな風景だったんだろうと想像したりする。
2,ミニマリストに最適の街
私はミニマリストの生活に憧れているのだが、この街はミニマリストに最適だと思う。
“ミニマリストに最適”と思う理由は一言で言うと、この街がコンパクトだからだ。
前に、【ミニマリストしぶさん】が「ミニマリストはなるべくものを所有せず、街の中で補い合いながら生きていくのがベストだ」と言っていたのを聞いて、大いに共感した。
無理なく街で補い合う。ここは、それができる街だ。まず、歩いて10分圏内に【あらゆる店】がある。
こんだけあれば選び放題だ。
TSUTAYAなんて、夜までやっているから気分転換にリビングにコーヒーを飲みに行くように通っている。
【公共施設】も徒歩10分圏内に充実している。
こんなに便利で良いんだろうか。
役場や図書館が近いのは大変助かっている。
引越しの手続きなど、役場が近いおかげで楽に済ますことができた。
図書館も大好きで、2週間に一度行くが、気持ちは自分専用の本棚といった感じだ。
3,ノスタルジックな世界で
以前、NHKの番組で『魔女の宅急便』の作者である角野栄子さんが、
と言っているのを聞いて、素敵だなと思った。
以前、実家の周りは碁盤のマス目のように均等に区切られていて、散歩をしようとも思わなかった。同じような家が、同じように均等に並んでいて、なんの変化もなかったからだ。
引っ越してきたこの街には、毎回違った驚きがある。行ったことのない路地を通ると、どこにつながるのか分からない。
前に行ったことがある公園に行きたい!と思っても辿り着けなかったり、思いがけず個人がしている小さなお店を見つけたりする。
思う存分“いたずら歩き”ができる。
まるで、私しか知らない場所のように、ひっそり存在している空間を見つけると嬉しくなる。
小川を渡る橋があったり、
使われなくなった駅があったり。
街のあちこちに散らばるノスタルジックな世界が好きでたまらない。
4,大好きな街の住人になりたい
まだまだ、たくさん話したい小道の話がある。
でも、書いている最中に下書きが全部消えてしまった。長すぎたんだろう。半泣きでここまで書き直したところだ。
なので、街の話は
また今度書こうと思う。
きっと知らないだけで、まるで物語に出てくるような、好奇心がそそられる街がまだまだ、たくさんあるのだと思う。
物語は街とセットで描かれる。
街と一緒に物語は進行する。
私はどんな街の住人になりたいだろう。
みんなは、どんな街に住んでいるんだろう。
あなたが大好きな、街の話が聞きたい。
(2021.3.記事より)
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