背に腹はかえられぬ。

「あなたが辞めたら悲しいよ」

職場を辞めるとき、
1番仲の良かった人が泣きながら言った。

その背中をゆっくり撫でながら、
心の中で思っていた。

あなたが理由で
辞めるんだよ。

意地悪な人が、
私のことをどれだけ雑に扱っても
何年でも耐えられたの。

でも、仲の良かったあなたに
雑に扱われたら、

耐えられなかったんだよ。

背中に傷を負ったって、なんとかなるけど、

お腹の傷は、致命傷になることもある。

だから、あなたにも背中を向けないと
いけなかったんだよ。

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