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学校推薦型選抜

推薦での大学入試の話があり
しゅんは担任の先生に「興味ないんで」と一旦は言ったものの
「一応親に聞いてみます」と持ち帰ってきて
一瞬迷う。
「これに受かったらもう共通テストとか受けなくていいのか、、でも、受かったらもう他のところに行けなくなるし・・。え~どうしよう」
ってなったが
本人も割とさっくり「でも国立受けてみたいし、やめとこう」となり
推薦の話は断った。

年末

三者面談はコロナで学校閉鎖になり、リモートで行われた。
点数は上がってきてはいるし志望校は変えず国立でいこうとなったけれど、
先生が「一応情報として、、」と公立校の推薦枠での併願はできます と教えてくれる。

共通テスト後

リサーチでやっぱり結果が悪く、二次での逆転は難しいとなったしゅんは
すぐに公立の推薦まだいけるか、先生に聞きに行く。

1月23日
高校での三者面談

推薦で受かればそれでいんですが、まだ学校内での審査も終わっていなく、
その推薦自体を受けられるかどうか分からないと言われる。
前期試験のために、いったん推薦のことは忘れて(二次試験の英語の勉強して)下さい と言われる。
PCの画面で、共通テストでA・B判定が出た全国の公立学校のリストを見せられる。
思いもしなかっただろうけれど、こんな学校もあって、今ここで決められないだろうから
家でよく話し合って調査書を請求してと言われる。

会社を抜けてきて、昼まで有給を取っていたので
学校近くのコメダでこれからの方向話していこうかと言ったんだけど、
しゅんは「家で餃子焼いて炭酸水で一杯やるわ」とチャリで駅に向かい
私はスーパーで弁当を買って会社へ戻った。

例え今回の点数で受かる学校があるとしても、
今まで一度も考えたことのない興味のない学部、街
そこに、、行く?行ける?しゅん・・・。

昼間から餃子と炭酸水でいっぱいやったしゅんは、
地元の公立の推薦を受け、前期後期試験もこの学校に振ると決め、苦手な英語の勉強を続行することに。併せて、今までしたことのない小論文と面接に向き合うことになる。

1月24日 大雪

大雪で会社からなかなか家にたどりつけない。
高校の先生が学内の審査で推薦入試を受けられるかどうかを夜連絡をしますと仰っていた。
家に帰って、しゅんに「先生から電話あった?」と聞くと
推薦受けられることになったと言う。
いったん、スタートラインに立てる。

1月25日

夜先生から電話があり、しゅんがいろいろ聞かれている。
志願書を作るためのインタビューらしく、こんな遅くまで仕事をされている先生に脱帽。

1月27日 大雪

家に帰ると、しゅんが、推薦書と調査書が入っている封筒を出してきて、
これ郵送してと言われて郵便局に行ったけれど、無理って言われたと・・・。
そりゃそうだ、、だって、大学宛ての住所書いてないもんな。
大雪の中、会社から家にたどり着き、疲れ果てている状態で
そういえば、出願はどうなっているの?ってなって、
本人も分かっていなくて、私はパニックになる。
〆切が月曜日だという。今は金曜日の夜。
願書は?受験料はいくらでどこに振り込むの?

勘違いをしていたことに気が付く。
学校推薦だし、、学校が学校で本人に書類を書かせて応募しているものだと思っていた。
本人も何も聞かされていないので、先生に電話すると
インターネット申し込みを個人でするとのこと。
それ、聞いてましたっけ?と言うと
「本人がして と言ってなかったかもです(笑)」と先生。

ネットで募集要項を読み始める。
これ、、早く言ってくれていたらとっとと手続き進められたのに・・・・とイライラしながら
ひとつ重要なことに気が付く。

「しゅん、、これ、、理科の点数入らないんじゃない?」

共通テストで点数の良かった理科が活かせるからで、この推薦じゃなかったっけ?
これ加味されなかったらめちゃ不利なんじゃないの?

「先生だったら、、ミスってる可能性あるな・・」としゅん、苦笑。

でも、校長が推薦状書いてるってことは、一応学校がOK出したわけだし
一旦そこは気にしないようにしよう!!うん。、、、ってなる。

受験料はクレジットカードでなんとかなったけれど
プリンターが壊れている我が家では、願書の印刷ができず
学校から渡された証明写真を失くしているしゅん。

コンビニでもいいんだけど、とにかく私の職場ににたどり着けさえすれば何とかなる。
USBさしてデータプリントアウトして、証明写真撮って、郵送の準備して
中央郵便局の窓口で簡易書留・速達で出せば〆切に間に合う。

だけど、、大雪がどんどん降り続く。降り続いて、閉じ込められる。

1月28日

ひどすぎる雪。膝まで積もっていて降り続く。
朝から、隣のTさんとしゅんと三人で駐車場を雪かく。
毎年雪かきの腕をあげている私たちは割と早くに公道までの道を作る。
もうあとは公道に除雪車が入ってくれればここから出てける。
それがいつまでたっても除雪車は来ず、いったん市役所の支所に電話すると
深夜の2時から除雪作業しているが雪の量が多くて間に合わず、どれくらいで行けるとは言えないから待ってほしいと。
隣の町は雪で停電した上道が塞がれ孤立状態になった。
そんな状態で、午後13時半やっと除雪車の音が聞こえる。
「やった~、しゅん、出れる!!制服に着替えて」と私たちは豪雪の中、私の職場で向かう。

優しい私の職場の人たちは写真代と印刷代払うと言うのに
そんなのいい いい って、こんな大雪の日に長靴を履いてやってきた息子に
わいわいかまってくれる。

中央郵便局でしゅんと同じくらいの年に見える若い職員さんに
「よろしくお願いします」と出来上がった願書一式を渡す。

こういうのも、受かれば全部笑い話になるとしゅんは言う。そうだね。

その後も毎日学校はあり、英語の授業と小論文の添削、面接の練習、
変わらず朝早く起きて弁当持っていく日々は変わらず。

面接
これ、、、今回めちゃめちゃいい勉強している。
18才。

志望動機
自己PR
長所と短所
高校時代に頑張ってきたこと
大学で研究したいこと
将来したいこと
なぜ推薦で受験しているのか
この土地の魅力を県外の人に伝えるなら
気になるニュース
尊敬する人は

などなど
沢山の問いに向き合う。

ここまで自分のこと掘り下げて考えてみたり、
言いたいことを上手く伝えられるように考えたり
先生の指導からテクニック的なことも学び、
これまでやってきた勉強とは全然違う勉強をしている。


2月4日 晴天

ここ一本にしぼって、推薦、前期、後期、全振りするのに
一度も来たこともなければ、共通テストが終わるまで学校のこと調べもせず動画もみたことなかった
大学に、初めて降り立つしゅん。

私の職場にはこの大学の学生たちがたくさん来ているので、興味があって私は自分の休みの日に偵察しに行ったことがあったので、余裕でしゅんを送っていく。

大学、、、広くてどこから入るか分からん、、と。
でも、「一緒に行こうか」と言うと、それは嫌だと、一人車を降りる。
「しゅん、ファイティン!!」と連呼しながら
アニマル浜口と京子親子の画が一瞬よぎる。
笑って手を振るしゅん。
しゅんが遠く校舎に吸い込まれていく姿を見届けて私は車を発進させる。
春が近い青いきれいな空。

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