マイビジネス画面

飲食店のGoogle Map(Googleマイビジネス)最適化(MEO)について考える①基礎知識編

普段店舗で働いている忙しい飲食店の方に向けて、私なりに解説していきます。現在において情報を持っていないという事だけで店舗経営においては大きなハンディをしょっていると思った方がいいです。微力ながら皆さんのお力になれればと思います。細かい言葉の使い方が正確でない部分もあるかと思いますが、
初心者の方でもわかり分かりやすくするようしているのでご了承ください。
※一部、筆者の独断と偏見による見解も入っておりますので、あしからず。。。 

1.はじめに

 最新の情報ではありませんが、いくつかのコンサルティング会社が発表している内容から、店舗で出来るMEO対策をまとめてみました。

 実際は、自分での運用はむずかしい面があり外部委託することあると思いますが、その際の業者の見極めとしてこれらの事をちゃんと行っているか?の一つの判断材料になるかと思います。

 現在、私の所に現状の委託先はどうか?といった相談がかなり来るのですが、実際にやっている内容を見ると最初にセットしてその後何もしていなかったり、どうでもいいワードで上位に表示されているといったような主張をする業者さんが多く、集客といった意味で何の意味もなしていない所が非常に多いです。
 エセSEO業者からの転身組が多く、情報弱者の飲食店や美容院、小売店へ悪徳な営業をかけていたりとするのを見かけるので、皆様が被害にあわない為にもこういった情報をオープンにしていきたいと思います。
 また、重要なのは私をひっくるめてgoogleのロジックを明確に分析できていませんし、常に変化のしているものだと思ってください。『これをやったら絶対に上がる』といった発言をする業者は、100%怪しいと思った方がいいと思います。しかも『短期間で上げられる』と言っている人も怪しいです。自分が短期間で上げられるならば、他人も短期間で上げられるといった事が可能です。そういったノウハウは、場当たり的なGoogleのアルゴリズムの穴をつくようなやり方で、今後不正とみなされるような手法をとっていることが多いです。大体この手の会社は、外部リンクをたくさん貼ってページ強化しているといった主張をしたりするのですが、もしもそういった事を聞いたら、必ずそのリンク先のぺージの内容等を確認するようにしましょう。自店舗に関連するような内容がきちんと書かれているか?リンク先が自店舗だけでなく、やたら多くないか?ドメイン名と記載されている内容は関連しているか?とそのページ自体の品質が高いか?見てみましょう。そこの品質が低いようであれば、googleからは単なるスパムサイトと判断され、リンクされているけれども、リンクとしてはカウントされないようになっています。
(昔はそういったスパムサイトがついていると元のページの評価が下がるという事が起きていましたが、現在では落とすといったペナルティーではなく、そのリンクを無視するように変わっています。)

 一番重要なのは、そもそもお客様に喜ばれるようなお店になっているか?どうかです。現在の情報があらゆるところから集められる環境において、張りぼては通用しません。何よりもここ無くして、MEOには取り組めません。

 また、googleに限らず検索ツール自体は、検索者にとって最適で有益な情報を上げ続けないと利用者の離反を招きます。よって上記の事がマストなのと自店舗に適したワードでしっかりと見つけてもらえるようにすることが重要になってきます。仮に「居酒屋」で検索した時に、「ハンバーガー屋」が一番上に表示されたとしても、誰もそのお店に行かないですし、当然誰もクリックしないから、Googleが必然的に表示順位を下げていきます。すなわち検索ニーズに適していないワードで上位表示させることができたとしてもいずれ表示されなくなるといった事です。なので根本的にはお店のクオリティーがベースになります。

 お客様に喜ばれるお店が出来ていた
のならば、後はその内容をGoogleとお客様に知ってもらう事が必要になります。また、Googleにはきちんとどんなお店なのか?を理解してもらう為にはきちんと情報を提供することが必要です。Googleにお店を理解してもらうと共にいいお店だと思ってもらわなくてはいけないので、周りからの評価も必要になります。そうです自分だけの情報発信だけでは上位に表示されないのです。何度もくどいですが、周りの人からの評価をもらえるようなお店になっていなくてはいけないです。

という事で前置きはここまでにして、実際にアメリカのMOZ社が2018年に発表したデータをもとに解説していきます。

2.MOZ社が発表しているローカル検索ランキング要因の調査結果(マップ検索で上位に行く為の要因調査結果)

 アメリカのMOZ社が発表していた内容を解説していきたいと思います。
ちなみに元のデータはこちらです。もっと細かいこと知りたい方はここも読んでみることをお勧めします。
 ただし、こちらはあくまでも2018年の分析ですので古いです。現在はまた色々と変わってきていますが、大きな要素の中にこれらがあるのは間違いないので、まずはここに手を付けていくといいと思います。
 サイトに飛ぶと"Localpack / Finder Breakdown2018" や”Local Search Ranking Factors Survey”となんのこっちゃの英語の表題が書かれていて戸惑うかもしれませんが、簡単にいうと『Google Map検索で上位に行く為の要因調査結果』という事なんです。わざわざ難しい言葉使わないで欲しいですよねw。

 また、昨年11月に日本の株式会社トライハッチさんが、同様の分析の発表をしていましたので、そちらも併せて見てもらえればと思います。
参考:【調査データ】ローカル検索におけるGoogleマイビジネスのランキング要因

下記に調査結果のグラフを添付します。

GoogleMap検索で上位に行く為の要素_page-0001

上位表示に関連する大きな8つの項目があると分析しています。元が英語なのでちょっと意味が分かりずらい面があると思いますがご容赦下さい。それぞれの要素が横に記載されているくらいの表の%で関与しているのではないかとのことです。

 ①Googleマイビジネスシグナル
 ②リンクシグナル
 ③レビューシグナル
 ④ページ上のシグナル
 ⑤サイテーション
 ⑥行動のシグナル
 ⑦パーソナライゼーション
 ⑧ソーシャルシグナル 

MOZ社とトライハッチ社の比較をすると比率が微妙に変わってきています。調査会社の違いによるところもあるかと思いますが、恐らく調査タイミングの違いの方が大きいと思いますので、個人的にはトライハッチ社の方が現状を示しているのではないか?と思います。
 変化としては、特に1.Googleマイビジネスシグナル3.レビューシグナル のウェイト大幅に上がり2.リンクシグナル5.サイテーション下がっています。各項目の説明は後程記載しますが、ここから見られる傾向としては、マイビジネスページ自体の充実と書き込みの重要度を増してきているといった事です。何度もしつこいですが、お客様に喜ばれるお店がベースにないと店舗の魅力も打ち出すことができませんし、いい書き込みも増えませんので。。。小手先ではダメです。

という事で、各項目の詳細を説明していきたいと思います。対策は次回書きたいと思います。
(項目名、MOZ社での数値、トライハッチ社での数値)

①Googleマイビジネスシグナル(moz25%、トライ35%)近接、カテゴリ、ビジネスタイトルのキーワードなど)
 最も影響度の高い項目かつ、店舗でコントロールできる部分ではあります。要素を見ると大きくは2つに分けられます。

 一つは近接、すなわち検索者からの距離や検索エリアワードに対しての距離です。ここに関しては、住所は動かせないのでコントロール不可です。検索エリアワードに関しては、店名の中に地名が入っていた方が有利に働くの今のことろ間違いはなさそうですが、結果的にはそういった小手先の事をやってもお客様からの支持がなければ、徐々にランキングは落とされるでしょう。

 もう一つはGoogleマイビジネス内に記載されている内容の事を示しています。こちらに関しては、自分たちでコントロールの出来る部分です。マイビジネスの管理ページに入り、まずは項目をしっかりと埋めていきましょう。
(マイビジネスのアカウントの取り方や管理ページのアクセスの仕方は今回は割愛しますので、別途お調べください。今度、それらのやり方についても記載したいとは思いますが。。。)
 「1.初めに」に記載しましたが、まずはGoogleに自分のお店がどんなお店かを理解してもらわなくてはいけません。管理画面に入ると左側にこんな項目が出ているかと思います。先ずは、ここの記載内容をきちんと充実させることが必要です。
 実際の記載の仕方については次回で説明します。
 飲食店のGoogle Map(Googleマップ)最適化について考える②実践編

②リンクシグナル (moz16%、トライ6%)(インバウンドアンカーテキスト、リンクドメインオーソリティ、リンクドメイン量など)
 一般には聞いたことのない用語がずらっと並んでいて、なんのこっちゃですが、簡単に解説していきます。

 リンクシグナル=ユーザーに共有され、関心を集めているかを判断するための指標の一つで、どんなサイトからリンクがつけられているか?を評価していると思ってください。
 例えば、日本酒といったワードで検索した際にそのお店が日本酒に関連するサイトから沢山リンクがついているか?どうかとその日本酒関連のサイト自体の品質を見ています。『1.はじめに』の中で記載した内容のないサイトからリンクが貼られていても全く意味がないといった事がこれです。
 ここでは、自店舗のホームページへのリンクがそれにあたります。基本小さな店舗ではホームページ自体がないという事がありますし、あったとしても内容の充実ができないため、リンクが貼られない、そもそもページ自体へのアクセスをとることが非常に困難といった事がありますので、対策についてはまた、別の所で記載したいと思います。
 ※一点だけ注意事項としては、最近オウンドメディアといった飲食店の方が聞きなれない言葉をつかって、ホームページの作成をさせる業者が増えています。ホームページ自体の作成はいいのですが、その効果について嘘が混じっている事が多いです。ホームページを作ることによって予約が短期間で増えるといった話をする業者には気を付けてください。
 
 インバウンドアンカーテキストは、あるサイト内で『わたくしのおすすめの美味しい焼き鳥のお店が渋谷にあって』といった文章ががあった時にアンダーバーの付いた文字をクリックするとリンク先に飛ぶのを見たことがあるかと思うのですが、この文字の下にアンダーバーがあってリンク先に飛ぶ文字群の事をアンカーテキストといいます。インバウンドは自分に向ってといった意味になりますので、自分のサイトに飛んでくる元のこの文字群のないようを見ているという事になります。 先ほどの例でいうと『美味しい焼き鳥のお店』となりますので、自店舗に『美味しい』『焼き鳥』『お店』といったワードが関連が強いとGoogleは判断してくれている可能性が高いという事です。
 
 リンクドメインオーソリティは、リンクされている先のドメインオーソリティーの事を示しています。ドメインオーソリティーとはMOZ社が出している指標で過去にあったgoogleのPageRankみたいなもので、サイトの強さ(信頼性)を目に見える数値として表すために2004年に開発されたものらしいです。そのサイト全体がGoogle検索結果で上位化される可能性を、1~100の独自数値で評価しています。数値が100に近ければ近いほど、上位表示されやすくなると見ることが出来るとのことで、私には詳細なロジックは分かりません。
Link Explorerというドメインオーソリティの数値を確認できる無料ツールを開放していますので、興味がある方はそちらで確認してみてください。urlを入れるだけの簡単なツールです。(上記がまさしくアンカーテキストです。)
※無料ですが登録が必要となっているので、ちょっと面倒です。。。また、無料での場合一部機能制限がつきます。
 
 リンクドメイン量とは、リンク先のドメインの種類がどれくらいあるか?の事です。ドメインとはurlの最後の『〇〇〇.com』(.comに限らないです. jp等でも一緒)の部分の事を指します。その量なので、同じドメインから沢山リンクが張られていても意味はありません。様々なドメインからリンクを貼られている方が信頼度が高いという事です。

③レビューシグナル  (moz15%、トライ25%)(レビュー数量、レビュー速度、レビュー多様性など)
 
こちらは、マイビジネス内に記載されるレビュー関連についての指標です。Googleマイビジネスシグナルと同様にウェイトの重要度が増していると思われる指標です。ここもある程度店舗で関与できる部分はありますので対応をしていきましょう。こちらの内容は意味が分かりやすいかと思います。
 しっかりとお客様に喜んでいただき、いい書き込みが増えるようにしてきましょう。

 レビュー数量:レビューの書き込み件数
 レビュー速度:書き込みの増えるスピード
 レビュー多様性:レビュー内容の多様性

④ページ上のシグナル (moz14%、トライ10%)(NAPの存在、タイトルのキーワード、ドメインオーソリティーなど) 

 ページ上のシグナルとは、主にページの内容との検索ワードの関連と判断する指標の事を指します。先ほどはページにリンクしたリンク先を見ていましたが、こちらはそのページ自体を見ています。以下に見ている内容について記載していきます。
 
 NAPの存在とは、Name:店名、Adress:住所、Phone:電話番号のことを指します。PhoneをTel:電話番号で表現してNATということもあります。こちらはページ内にそのお店のNAPがあるかどうか?見ているということです。基本、次のサイテーションでも出てきますが、お店を判別するのにこの3つの指標を照らし合わせています。なので、まずは、そのページの中にきちんとNAPが入っていることが重要です。

 タイトルのキーワードですが、まずはタイトルとはなにかを説明します。webサイトはHTMLという言語で記載されています。そのタグの中に一つに多タイトル(Title)があります。その名の通り、検索をした際に大きな文字で出てくる表題があるかと思いますが、そこ部分の事を指します。タイトルのキーワードの意味ですが、検索されたいキーワードがそこに入っているか?ということです。何が記載されているか?を判断するための手掛かりとしてかなりウェイトを持っていたのですが、昨年末くらいから日本語にもBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers:人工知能による自然言語処理)が導入されていますので、タイトル以外の内容の部分の分析がよりできるようになるので、今後このタイトルへのウェイトは下がるとは思います。また、同意義の言葉や内容であれば、そちらも感知できるようになるので、小手先の勝負でなく、ページの内容で勝負をしなくてはならなくなると思います。検索している人が知りたい内容が乗っていることが重要だということです。

 ドメインオーソリティーは、リンクシグナルの所で説明しましたが、再度記載しますとドメインオーソリティーとはMOZ社が出している指標で過去にあったgoogleのPageRankみたいなもので、サイトの強さ(信頼性)を目に見える数値として表すために2004年に開発したものです。サイトの信頼性ですので、きちんと自ページの内容を充実させ、継続していくことが重要です。

⑤サイテーション (moz11%、トライ5%)(IYP /アグリゲーターNAPの一貫性、引用量など)
 サイテーション(Citation)とは、直訳すると引用とか言及といった意味になります。ここにおいては、自店舗や自店舗のWebサイトに関するリンクの貼られていない引用や言及のことを示しています。要は自店舗の事がweb上にたくさん書かれている方が、有名だったり、話題になっているといった判断をしているということです。もちろん悪いワードと一緒に載っていたら悪いお店として判断されてしまいますが…。

 IYP /アグリゲーターNAPの一貫性は、IYP(Internet Yellow Pages:インターネット電話帳)やアグリゲーター(ここでは、コンテンツアグリゲーターの事を指していると思いますので)は情報(コンテンツ)を収集・整理して提供する業者の事だと思います。飲食店だと食べログ等のグルメ媒体やスマートニュースのようなキュレーションサイトとかがそれにあたります。そういった公のサイトに載っている情報が揃っているか?を見ています。これはそのお店が本当に存在しているか?の信頼性を図っていると思います。④のページ上のシグナルでも記載しましたが、BERTが導入されたので、今後は大丈夫だと思うのですが、日本語だと住所は、電話番号の表記が一致しないケースが多く出るので、何かに店舗を掲載する際にはできる限り一致させた表現で出すようにした方がいいです。
(例:住所なら1丁目5番地3号と1-5-3、電話番号でも03(◎◎◎◎)××××と03-◎◎◎◎-××××とかで微妙に変わってしまうことがありえます。)

 引用量は、言葉そのままの意味でどれくらい色々なところに引用されているか?が重要です。 

⑥行動のシグナル (moz10%、トライ10%)(クリックスルー率、携帯電話でのクリック、チェックインなど)
 こちらは、Googleマイビジネスページに入った後の検索者の行動の指標です。いわゆるコンバージョンと言われるようなものです。ページを見た人がホームページや予約サイトに飛んでくれたか?電話番号ボタンを押してくれたか?写真をどれくらい見てくれているか?etc,です。基本はページに入って人の行動なので、こちらでやれることとしてはページの内容をしっかりと充実させて、行きたいや予約したい、もっと知りたいと思わせるようにすることです。

⑦パーソナライゼーション (moz6%、トライ6%)
 こちらは検索者自身の普段の行動によって、表示順位が変わる仕組みです。
ですので、基本コントロールできない部分です。

⑧ソーシャルシグナル(moz3%、トライ3%)(Googleエンゲージメント、Facebookエンゲージメント、Twitterエンゲージメントなど)
 自店舗のソーシャルメディアのエンゲージメント率も見られているようです。関連度合いは今のところ低いですが、今後の流れによってはウェイトが大きくなってくる可能もなきにしもあらずです。また、エリアや人、年代によってメインとなるSNSが違ってくるはずなので、今後どうなっていくのかが?気になります。
 正直、飲食店で店舗を営業しながら運用していくは非常に大変だと思います。ですので、まずは基礎のページを作るということだけでもやった方がいいかと思います。ページがない=0となってしまいますので。。。

3.ここでのまとめ

 ここまで簡単ではありますが、上位表示に関与しているであろう項目を説明しました。何となくは、ロジックは分かったかと思います。何にしても小手先の事よりもきちんとしてお店をつくって、それをしっかりとアピールすることが重要です。ここでは記載していませんが、最近は恐らく投稿やコメントに対する返信といったところのウェイトが上がってきていると思いますので、そちらも併せてやっていく必要があると思います。
 マイビジネスの情報の入力の仕方等の実際の運用については次回記載していきたいと思います。

関連:飲食店のGoogle Map(Googleマップ)最適化について考える②実践編


 

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