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エンゲージメント施策は現場に委ねるべし(インプット備忘録10)

こんにちは。とあるベンチャー企業でひとり人事をしている朱夏です。

今週は祝日の関係で稼働日が4日しかなかったこともあり、なんだかドタバタした1週間でした(´ `*)
助成金やら社会保険やらの事務手続きをしている傍らで内定者の子やメンバーとの面談、さらには新卒採用のための企業ページ作成やら中途面接と、

なんだか「ひとり人事」全開な感じですね(=ω=)

業務では忙しくはありますが、今年は外部からの情報収集を継続しよう!と決めているので、早速ですが今日はそのお話。

組織づくりにまつわる外部セミナーでのお話をご紹介します。

◾️Webセミナー「コロナ禍でも成果を出せるチームの共通点」

組織内でのコミュニケーションを促進するサービスを提供する「Unipos」さんと、エンゲージメント解析ツール「wevox」さんの共催セミナー。

Wevoxさんの研究事例をフックに、コロナ禍におけるチームづくりの課題と突破口について対談形式で展開する内容でした。

ここでのキーワードは「共感」
コロナによって強制的にリモートワークへ移行することとなった企業は多いと思いますが、物理的に分断されたことで
✔︎雑談がしづらくなった
✔︎新しく入った人が居場所を感じづらい
✔︎メンバーとの関わりが放置or過干渉の両極端になってしまう
といったお困りごとが生まれているとのこと。

テレワークによって業務や会議の明文化が進み、端的なコミュニケーションを是とする雰囲気が生まれてきたことで、生産性が上がった部分もあると思います。

なのに、なんだか前より上手くいかない……
弊社も一時期そうでしたが、お互いの顔が見えず、チームの空気感が作りづらいし掴みづらくなったことで、業務指示は明快だけど「なんでこれやるの?」「なぜ私がアサインされたの?」という方針やWhyの部分がすっぽ抜けてしまっているのが実情ではないかと思います。

◾️Whyを語り、共有すべし

実際、Wevoxさんの研究でも、長期のテレワークはチームワーク・組織への共感度を下げているという結果が出たそうです。

何をやるか(What)は明確だけど、なぜやるのか(Why)がわからない。
やることは明快だけどやる意義を感じられない、やりがいを感じられない。
そうやっていくうちに段々とチームや組織での存在意義や自分の貢献感が薄れていって共感できなくなっていき、最悪の場合はメンタル不調者が出たり組織への不信感を抱えたままやり過ごそうという人が出てきたりする…わけです。

これは個人的な考えですが、「離職」は最悪のケースではないと思っています。
メンバー自身が現場に疑問を感じて自ら行動を起こしているという点では必ずしも悪いことではないと思います(もちろん、活躍人材の場合は組織にとって大きな痛手なので避けたいところではありますが)。

メンバー自身が身動きを取れなくなってしまったり、行動を起こすことをやめてしまう・諦めてしまう方が、メンバー自身の人生を考えるとよっぽど大問題だなと。

この状況を打開するにはどうすればいいのか。
すでに多くの企業で実行されているとは思いますが、1on1などを活用して仕事の方針やWhyを共有する場を小さくたくさん持つことが重要になってきます。

「共感」の低迷は、物理的に分断されたことでチームの中での「つながっている感」が薄れてしまっていることも大きな要因です。
逆に言うと、「つながり」が枯渇しているということは組織やチームの中で「つながり」への関心が高まっている状態なので、改めて「私たちは何のためにこの組織に集まっているのか」をお互いに考えて共有する絶好の機会なわけです。

メンバーそれぞれがこの組織に集まる理由を考え、共有することで、
「あれ?でも今それってできていないね…」「みんなも自分と同じことを考えていたんだ」という現状認識ができます。

◾️現場主導の施策の方が効果的

Wevoxさんの研究結果でもう一つ興味深かったのが、各チームのエンゲージメント施策は現場の管理職やメンバーが主導して行う方が効果が出ているということです。
Wevoxさんのエンゲージメントサーベイの結果でも、人事・経営者主導の施策と現場主導の施策では、スコアに与える影響(効果)が5倍以上違ったみたいです。

これ、悲しくも真実だよな…と思います。
実際、弊社も昨年人事や経営が主導で行なった施策よりも、現場メンバーがあれやこれややった施策の方が定着してますし、

むしろ、「人事・経営主導でやった施策で残っているの、ある…?」って思うまであります^^;

自虐でも投げやりでもなく、人事・経営側は現場メンバーに主導してもらうような働きかけを本来はすべきであるということ、

もっと言うと、
経営側は口を動かして方針やWhyを語り、
現場メンバーが手を動かして試行錯誤し、
人事はその両者の橋渡しと仕組み定着のサポートをする
という関係性が理想なんだろうなと、今では思っています。

あと、自分で手を動かす場合はせめて現場のメンバーを仲間に引き入れることは必要ですね。メンバーが自分たちでやった!と思わせるのは割と重要。

◾️情報はオープンにすべし

じゃあなんでメンバーを仲間に引き入れられなかったのか。
実際、「社内をうまく巻き込めない」「協力してもらえない」と言う声はセミナー参加者からも挙がっていました。

Wevoxさん曰く、ポイントは「情報をオープンにできるか」ということ。

人事や経営側だけが情報を抱えるのではなく、現場メンバー含めてみんなが同じだけの情報を持っている(=格差がない)状態にすることで、取り組むべき課題を共通言語にする。そうすることで、課題に取り組もうという空気を作ることができるとのこと。

ただ、人事や経営側からすると、社内で起きているネガティブな事象って現場メンバーに見せづらいんですよね…サーベイ結果も情報量が膨大ですし…

そういう時は、最初から100%の情報を一気にオープンにするのではなく、情報の粒度や表現の仕方を変えたり、共有の範囲を少しずつ広げていくのが良いとのこと。

✔︎最初はサーベイ結果をマネジャーに共有し、その後にリーダークラスと1on1などの手法で共有する
✔︎いきなり「我が社のエンゲージメントスコアは100点中20点です!(ドン!)」と言うのではなく、天気で表現してみる(今の我が社は「雨模様です」等)

こういったプロセスを経て、最終的には全ての情報をメンバーに共有していくと参画を促しやすくなるそうです。


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弊社もちょうど昨年末に組織エンゲージメント調査をやりまして、その結果の共有と取り組むべき課題を考えるワークショップをしました。

こういうワークショップをやるたびにいつも思うのですが、「なぜそれが必要なのか」「なぜ自分はそれが重要だと思うのか」といった“語る力”が年々求められている気がします。

今はリーダー3年目。マネジャーへの階段も見えつつある中、ただ手を動かし業務を遂行するだけでは足りないのはずーっと感じていて。

足りなかったのは、Whyを語って相手をエンパワーする力なのかな…
と、ようやっとこれからの課題が見えた気がしたセミナーでした。

それでは今日はこの辺で( ˘ω˘)


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