見出し画像

「生理バッジ」についてソーシャルリスニングしてみる(12/3追記あり)

皆さんは、大丸梅田店さんが11/22(金)よりオープンした新フロア「michi kake(ミチカケ)」についてご存知でしょうか?

PR内容を抜粋すると、“世の中にはモノ・コトが溢れ、みんなそこそこ幸せそう。しかし、どこか隙間を抱えている”と分析。そんな「心の隙間、隠してきた悩み」を抱えるすべての女性に向けて、内面にも寄り添った売場を展開する、というコンセプトのもと、サプリや漢方、生理用品などを販売する全17店舗を展開するとのことです。女性向けのセルフプレジャーアイテムである「iroha(イロハ)」の常設店が登場することでも話題となりました。

そんなmichi kakeの取り組みのひとつ「生理バッジ」が、11/25(月) 日本テレビの朝の情報バラエティ「スッキリ」で取り上げられた事で話題になり、東京エリアのTwitterトレンドにも登場しました。ただ、michi kakeのこのような新しい取り組みが、決して全て肯定的に受け入れられている、というわけでは無いようです。

このような取り組みやメディア報道の流れを受けて、今世の人々はこの取り組みについてどのように思っているのか?そしてこの思いを分析する事で、この話題が現代の世の中ではどのように受け取られているのか?を見つめ直す事ができるのでは?と思い、ソーシャルリスニングを用いた分析をしてみました。

<分析概要>

調査プラットフォーム:Twitter
期間:2019/1/1(火)〜2019/11/25(月)
調査キーワード:"ミチカケ" "#ミチカケ" "生理バッジ" "#生理バッジ" "生理ちゃん" "#生理ちゃん" "michikake" のいずれかを含むツイートから傾向を検出
除外設定キーワード:なし

(1) Volume

スクリーンショット 2019-11-26 9.35.09

10/14〜16(michi kake プレスリリース発表前後)に発生した関連メンション(RT含む)は約4,000件。一方で11/21〜23(michi kakeローンチ)に発生した関連メンション数は約28,000件。そしてスッキリやTwitterトレンドに「生理バッジ」が登場した11/25には単日で約70,000件もの投稿が発生していました。michi kakeがローンチされた後の話題量が多く、世に現れる事でより多くのユーザーの目に触れ、広がった事を物語っています。

では、具体的にどのような話題がローンチ後に広がったのでしょうか?共起語(設定したキーワードと共に投稿された別のキーワード)を抽出して見てみましょう。

スクリーンショット 2019-11-26 10.01.51

ワードクラウドの状態ですと、肯定的、否定的な投稿をの比率がやや分かりづらいので、キーワードだけ抽出・分類をして傾向を掴みたいと思います。

スクリーンショット 2019-11-26 10.30.18

一見すると、特にネガティブな関連話題は、「犯罪」「無理やり」「侵害」などの女性に対するリスクに言及したものが多く、様々な観点で非難されている、という事が伺えます。

最後にセンチメントです。

スクリーンショット 2019-11-26 10.36.40

一般的に海外ベンダーのソーシャルリスニングツールでの日本語のセンチメント抽出は精度が60〜70%程度、と言われているので一概には言いづらいのですが、それでも特定のブランドやキャンペーンについて調査をした時に、ポジティブ、ネガティブがそれぞれ10〜15%程度以内で、それ以外のニュートラルが70〜80%程度になる事が多いです。それらのケースと比較をすると、かなりネガティブな話題が多いと言えると思います。

<大事なのは、挑戦結果を公開し、アップデートし続けること>

今回のこの取り組みは、ティザー的に漫画の「生理ちゃん」にて取り組みを紹介し、想定し得る批判やシーンについても触れていた事から、ローンチをした企業にとってもある程度批判の内容は想定の範囲内のものであった事が伺えます。

先日リリースをされたForbes内の記事でも、その覚悟は伺えます。

Forbesの記事内にもある通り、百貨店などのリアル店舗は顧客とのロイヤリティ形成〜維持のために様々な取り組みを行い、今回のような社会課題に向き合った取り組みも、これまでの慣習や常識を疑い、これからの時代の新しい顧客と繋がるための大きな挑戦であったように伺えます。

だからこそ、このような挑戦のネクストステップが、取り組みを世に送り出した結果、世論はどのように反応したか?を定量的に確認をし、現状をありのままにシェアする、というものであって欲しい。そしてこれからのmichi kakeの取り組みが世論をどのように変えていくのか?その成長や挑戦の過程を見せて欲しい、と切に願います。

大丸梅田店に限らず、大多数の批判を浴びる事が想定し得るなかで新しい社会慣習を生み出そうとしているブランドの挑戦はもっとマーケター全体で検証されるべきだなぁ、と今回の取り組みと世の中の反応を見て思いました。

〜〜〜

(12/3 更新)

11/30(土)、生理バッジの活動自体は継続するが、現行デザインは取り止めるという内容の発表がありました。(果たしてバッジのデザインが今回の騒動の理由であったのか..その解釈にも様々ありそう)

広報担当の方の声にもありますが、今回の取り組みについての社外的な反応のポイントとなったのが

・取り組み自体が当初の目的以上の、社外へのPRにまで繋がってしまった。
・一部従業員に取り組みについての情報共有がなされないまま、実施が先行してしまった。

という内容が上記記事には記載されています。

ちなみにこれらの動きを経て、現状のセンチメント分析の結果ですが

スクリーンショット 2019-12-03 17.42.17

引き続き、ネガティブセンチメントの比率は非常に高いのですが、ピーク時に比べるとポジティブの数値がやや増加しています。熱量の高い議論、反論はやや沈静化している、という事かも知れません。

一方で、取り組みの発表がなされた後で、生理バッジを通じて日本人(特に男性)の生理に対する意識の低さ、知識の低さについて言及をする記事が現れるなど、そもそもの問題に対する日本人の意識について触れるアプローチも出てきました。

グローバルでの取り組みや、これを踏まえた自分たちの立ち位置などを改めて振り返る事も、この課題を経てきた当事者そして第三者が知るべき事なんだろうなぁ、と思う次第です。

サポートしてくださったあなたの心を、俺はもっとサポートしたい。有難うございます..!