めげない人。

 とある研究室。助手の男が資料室でデータをまとめていた。隣の研究室では、助手の上司とも言うべき発明家の男が研究に没頭している。

「ドカン!!」

その、隣の研究室から大きな爆発音がした。

「博士!?」

助手が、慌てて研究室に駆け込む。発明家は、助手に自分を「博士」と呼ばせていた。

「大丈夫ですか!?」

部屋には黒い煙が充満してて、博士の姿は確認できなかった。

「たすけて~」

かすかに聞こえた博士の声は、積みあがったガレキの中から聞こえていた。助手は、ガレキをどかし、博士を救い出した。

「おー、すまんな」

博士はパタパタと自分の白衣をはたいた。

そして、部屋の様子を見て、「あら~。こりゃ、またやっちゃったな~。」と、つぶやいた。

最近、博士は発明の過程でよくこれをやる。おかげで研究室にはガレキの山があちこちにある。

「ついに要るな~。お片付けロボ。」

助手は、お片付けロボが出来るまでには山が六つは増えるだろうなと思った。博士は、もうお片付けロボの設計図を書き始めている。

「これ、何の発明だったんですか?」

ガレキを片付けながら、博士に聞いた。博士は、もうそれには興味がないといった感じで答えた。

「小型爆弾」
「え?」
「小型爆弾」
「…何?」
「小型爆弾」
なんでそんな物を?何か危ないことに巻き込まれてる?この人、実は過激派?など、いろんな疑問が沸くが、まず、聞きたいことがあった。

「これ、成功ですか?失敗ですか?」


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