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いやよ、いやよも好きのうち?新たな保護猫合流。

みなさん、こんにちは。最近すっかり暑くなってきましたね。蒸し蒸しする中、マスク着用…なかなかつらいものがあるなと思いながら、出勤日がこれ以上増えませんようにと願っている毎日です。毎日出勤をして、仕事をされている方々には本当に頭が下がります。

ミイが旅立って10日ちょっと。朝起きて、ミイの体調確認から始まり、ミイのお薬を準備して、流動食を作って、補液を温めて…なんてことを毎日していたのに、今はそれがすべてなくなってしまい、なんだか朝の時間がすごく長く感じます。決して、「朝に余裕ができたー!」みたいな明るい気持ちではなく、やはり、まだまだ寂しさが勝っています。最近は、朝起きて、ミイのお骨と写真に向かって挨拶をし、供えるお花の水や、ごはん、お水を入れ替えるのが、モーニングルーティンになっています。

さて、ミイの歯が根っこから簡単に折れたり、クロのお尻から虫が出てきたりした日々を終え、クロがシェルターに移動してしばらく経ったころ、新たに我が家に預かり猫がやってきます。

名前はドレミ。ドレミも、ミイとクロが来た、同じ多頭飼育崩壊の現場から愛護センターにたどり着き、ミイとクロの翌日に私の活動する団体に保護されました。彼女は我が家から、素敵な里親さんのもとへ直接送り出した、初めての保護猫です。

今日は、そんなドレミが我が家に合流して、卒業するまでのミイとの生活を少しご紹介。

感動の再会…!?

クロがシェルターに移動した後、ミイの愛嬌パワーに負けた同居人から、保護猫の長期預かりの許可を無事に獲得した私。よし、これからミイとの生活を満喫するか!と思っていると、ドレミを一時預かりしていた先輩ボラさんから、ドレミを預かれないかと相談が来ました。

理由は、先輩が一緒に暮らしている飼い猫さんとの折り合い(飼い猫ちゃんの体調などの問題もあったような記憶があります…)がつかないからとのこと。それは大変、と思った私は、ミイと同じ現場出身のドレミなら、と預かることを決めました。(同居人には決定後、事後報告して怒られた気がします。笑)

ミイたちが保護されてから、約3か月が経った頃の話です。

同じおうち出身の子なら、すぐに仲良くできるだろう。きっと感動の再会になるぞ。何ならドレミはもしかしたらミイの子どもかもしれないし。なんて、人間はとてもウキウキ。

そして、ついにドレミ合流の日。先輩ボラさんに連れられて家についたドレミは早速部屋の中を散策。感動の再会になるかと思いきや、ドレミは一切ミイには目もくれません…。

そして、ドレミが一通り散策し、少し落ち着いたころに、ケージのベッドに入れると、普段はケージのベッドになんか見向きもせず、人間のお腹の上に寝ていたミイが、ドレミに近づきます。ところが、結局ドレミに追い払われ、取っ組み合いに負けるミイ。おずおずと逃げ帰ってくることを繰り返していました…。

3か月離れているだけで、すっかり忘れてしまうものなのか、はたまた、同じ家にいたときから、こういう間柄だったのか…。ぐいぐい気の強いドレミに負けて、おずおずとかえって来るミイは、なんだか哀愁が漂う感じがしたのでした。

まとわりつく猫と、シンクロする猫。

我が家にやってきたドレミは、あっという間に新しい環境に順応し、人間にも慣れ、甘ったれが爆発し始めます。人間が立ちあがり歩き出すと、足の間に滑り込み、足元にまとわりつく。あまりにまとわりつくので、誤って踏んでしまっても、全然気にせず、まとわりつく。

この一族は、過酷な環境にいたにも関わらず、なぜ揃いも揃ってみんな、とんでもない甘えん坊で人間が好きなのか…。桜耳の子もいたのをみると、前の飼い主さんは、もともとは地域猫の保護活動などをしていた、猫好きの人だったのか…。優しさゆえに、保護しすぎて、結果崩壊してしまったのか…。二人を見ているといろいろな思いが巡ります。

そんな人間の思いはつゆ知らず、とにかく人間にまとわりつくドレミ。ミイにも求められ、ドレミにもまとわりつかれ、人生最大のモテ期が到来したのではと錯覚してしまうほどでした。

一方、仲がいいのか、悪いのか。いまいちよくわからないまま、ドレミに突っかかられては、ケージの2段目、3段目から落とされるという日々を送るミイ。それでも、めげずにドレミの隣に潜り込んで寝ていたりして、ミイ自身は、ドレミに落とされたり、取っ組み合いを吹っ掛けられたりすることは、特に気にはしていない素振り。なんと心優しい、というか、鈍感な猫なのか。

そんな、いまいち関係性のわからない二人ではありましたが、面白いことに、行動はものすごくシンクロします。おもちゃで遊ぶ時の動きだったり、寝ているときの向きだったり、やっぱり血のつながりがあるのかな、と思うほどにシンクロ率が高い。三毛猫二人が同じように動く様子は、まるで影分身のようでした。

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(同じ動きをする二人。表情まで一緒。左:ドレミ、右:ミイ)

今振り返ると、二人は似た者同士で、実はとても仲良しだったのかもしれません。

マニア向け猫。

そんなこんなで、お転婆に愉快に過ごしていたドレミさん。あまりの気の強さと、ちょっと瞼が重ための独特のお顔立ちに、里親さんが本当に現れるのかと心配していた人間をよそに、我が家に来てから何回目かの譲渡会で、ついに運命の出会いが訪れます。

その頃の私は、預かりボランティアとして猫を預かるだけでなく、月に2回行われている団体の譲渡会のスタッフとしても、活動の幅を広げていました。里親希望者さんが来場すると、希望の子を伺いながら、一方でお留守番時間や家族構成、先住猫・動物の有無、ご職業などをヒアリングし、里親さんのライフスタイルに合った子をお勧めする。そんな中で、もちろん自分で預かっていたドレミやミイのこともお勧めすることはありましたが、どうにも里親さんは見つからない。そんなもどかしい時間をすごしていました。

ところが2016年4月下旬、突然その日は来たのです。

いつものように譲渡会スタッフとして、来場した方を対応していると、ドレミを笑顔で見つめるご夫婦が!どきどきしながら、お話をすると、なんとドレミに一目ぼれをされたとのこと。いろいろお話をお伺いしてみても、これほどまでにドレミにピッタリのおうちはないのではないか、そう思うほど素敵なご夫婦。これはなんとかして、お申込みまでこぎつけなければ!!と思っていると、あっという間にお申込み用紙を書いてくださいました(感涙)あの時の、嬉しい!けど、あっいなくなっちゃうのか…というなんとも不思議な感情…。

そんな何とも言えない感情を抱きながら、意気揚々と代表に申し込み用紙を渡すと、「えー!変な顔なのに!」と言われる始末(笑)その日の代表のSNSには、ドレミの写真とともに「ドレミにもお申込み。きょうはマニアックなひとが多いな。」の投稿がされましたとさ。

そんなマニアックな人が多い譲渡会でしたが、相変わらずミイにはお申込みは入らず終了。

ドレミの卒業。

そこから、ドレミのお届けの日までは、そわそわが止まりませんでした。

私の活動する団体では、お申込みいただいた後、無事にマッチング(団体によって条件は異なりますが、譲渡には諸条件ございます)が済むと、いきなり譲渡ではなく、まずはトライアルにすすみます。3段ケージや猫の用品を希望者さんに買い揃えてもらって、はじめてトライアルの開始日が決まるのですが、この買い揃えるところで、つまずいてしまうことも少なくありません。特に、ケージを用意してもらう理由が、なかなかご理解いただけないケースがあります。(細かなことはここでは省きますが、留守時の誤飲・誤食の防止、新しい環境にならす際のステップ、災害時に向けた訓練などの観点から、必ず準備をお願いしています。)ご準備いただけない場合には、トライアルに出すことはできません。そんなわけで、実際に代表からトライアルの日程の連絡が来るまでは、無事にトライアルに出発できるのか、そわそわして仕方がないわけです。

しばらくして、無事にトライアルの日程が伝えられると、今度は日々寂しさが募ります…。ここがなんとも預かりボランティアの複雑なところ。もちろん、預かりボランティアはあくまで里親さんが見つかるまでの一時的な家族。最大の目的は「良い譲渡をすること」にあります。そのために、体調に不安があった子には日々のケアをし、人馴れしていない子は少しずつ人間との暮らしにならし、自分の子と同様に、場合によっては、それ以上に時間をかけ、愛情をそそぎます。でも、ほんとうの家族のように日々を過ごすわけですから、里親さんが見つかった嬉しさとともに、どうしたって寂しさは訪れます…。

そして、いよいよドレミの出発の日。初めての我が家からの送り出しということもあり、里親さんのお家へのお届けに同行することにしました。代表とは里親さんのご自宅で待ち合わせ。ドレミをキャリーに入れ、冷房の効いた電車がドレミにとって寒いといけないからと、季節外れの毛布を片手に出発しました。

里親さんのご自宅に一足先に到着し、代表を待つ間、里親さんとお話をしている中で、どれほどご夫婦がドレミの到着を楽しみにしてくれていたかを感じ、あれもこれもとドレミのことを考え、ドレミのためにいろいろなものをご用意してくださっていたかを見て「ここなら、絶対にドレミは幸せになれる」そう確信をし、すごくほっとしたのを覚えています。

無事に手続きを終え、暖かくなった春先に、かける相手のいなくなった謎の毛布を抱え一人帰路についたとき、ドレミの幸せを嬉しく思いつつも、それでもやっぱり涙があふれたことは、今ではすごくいい思い出です。

きっとこれから先、預かりボラを続ける限り、毎回この複雑な感情は抱いてしまうのだろうと思います。それでも、預かりボランティアを続けているのは、卒業していった子の近況報告などで、その幸せな姿を見ることが楽しみで仕方ないから。それが何よりの原動力だなと思います。

この後、ドレミは無事にトライアルを経て、正式譲渡となります。本当に素敵なご家族に恵まれ、今では新しい弟(猫です)もできたと聞いています。気の強いドレミだからきっと、相変わらず弟君とも取っ組み合いをしているのでしょう。笑

そんなこんなで、またミイの一人っ子生活かと思いきや、ドレミがトライアルに出発して1ヶ月も経たないうちに、我が家にはまたもや猫がやってきます。エンドレス。

そのお話は、また次回。

こうやって振り返ると、期間が長い、短いはあれど、本当にたくさんの子たちが我が家を通って行ったんだなと思います。そのほとんどの間、ミイはずっと我が家で一緒に過ごしていたのだなと。5年という限られた時間ではあったけれど、とても濃い時間を過ごしていたんだなと、改めて思います。

明日は今週最後の出勤日。疲れて夜に更新しそびれたら、ごめんなさい。笑



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