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カスタマーサクセス4年生。4年間の取り組みを公開します。【SaaSビジネス経験談 #6】

シナジーマーケティングのプロダクト「Synergy!❐」に関わる様々な職種のメンバーが、自身の経験を元に、ビジネスに役立つ情報をお送りします。 今回は、弊社カスタマーサクセスのメンバーが、グループ立ち上げからこれまでに渡る約4年間の取り組みをご紹介します。


 

1.目指していること

弊社では、クラウド型のCRMシステム「Synergy!」を販売しています。Synergy!は集客、顧客情報の統合/一元化、メールやLINEへの配信などのクロスチャネル/メッセージングまで、CRMのあらゆる活動を支えるシステムです。このシステムのカスタマーサクセスを担っているのが、私が所属する「カスタマーサクセスグループ」。私たちはお客様のCRM活動の成功や成果向上を目指して日々の活動を行っています。

・実施していること
2023年度のカスタマーサクセスグループの業務分掌は下記です。

・ 既存顧客へのリテンション活動およびアップセル促進活動
・ Synergy!新規導入後のオンボーディング活動
・ Synergy!に関する顧客ニーズ等の収集とプロダクト開発への情報提供
・ カスタマーサクセス関連業務の標準化および仕組み化
・ 顧客に基づく各種情報の収集/集約/管理/共有

 

それぞれ力の入れ具合は異なりますが、上記を実行するための具体的手法として

  • ご契約直後のお客様へのオンボーディング

  • 一斉メールやお客様のご利用状況に応じたメール配信

  • セミナー開催

  • コミュニティー運営

  • 顧客情報の整備および情報収集

などに取り組んでいます。

2.立ち上がり~現在

弊社のカスタマーサクセス歴は2020年からです。その前からカスタマーサクセスという概念を参考にした活動はしていましたが、グループとして立ち上がったのは比較的最近の話です。
下記に年次ごとの主なトピックスと役割などをまとめてみました。

カスタマーサクセスグループの遷移

ざっと大まかに記載しましたが、弊社ではカスタマーサクセスグループの役割からハイタッチでの既存顧客対応を切り離し、徐々にカスタマーサクセスの仕組づくりに力点を変えてきたというのが大きな特徴です。(既存顧客対応は営業部門が担っています)
立ち上げ当初のカスタマーサクセスグループでは多くのお客様を担当しており、1日の大半がお客様からのお問い合わせ対応で終わってしまうという状況でした。この状況で並行してカスタマーサクセスを仕組み化することは難しいと判断したことが役割をスリム化した背景です。

このように組織や役割を変えながら、カスタマーサクセスはどうあるべきか、どうすれば最高のパフォーマンスを出せるのかを常に試行錯誤しています。

3.活動を続けるために

効果測定の方法、ツール

いくつか効果測定をするための指標はあるのですが、大きくは「継続率」を目標に置き活動しています。ただ、弊社の組織上、カスタマーサクセスグループ単体の活動だけでは継続率の目標達成は難しいものです。
というのも、現状お客様とハイタッチで接し課題を解決していくという役割を営業部門が担っているためです。そのため、継続率は参考値として追っているというのが現状です。

他には「お客様から弊社へのお困りごとの相談率」や「課題把握数(お客様がお持ちの課題をお伺いした数)」、内部的な話にはなりますが「業務冗長化ができているか」などもグループ活動の評価をする指標として注視しています。

また、各指標を把握するツールは用途に応じて複数のものを利用しています。具体的には、弊社システムの「Synergy!」も使っていますし、Salesforce、Tableau、Googleスプレッドシートなども使っています。現状はツールを使って業務を自動化しているというよりは、手動で算出することが多いです。将来的に自動化したいとは思いますが、現時点の参考値を今後も継続してみていくかどうかは決まっていないので、現時点では手動という手段をとっています。

会社との目線合わせ

新しい取り組みとはいっても基本的な業務の進め方は同じで、会社との目線合わせは必要です。カスタマーサクセスグループを統括する上司と、指標の結果を見ながら定期的に協議を重ね、活動内容を決定しています。週1回の1on1では雑談交じりで相談をし、2週間に一度の定期MTGでは進捗共有や今後やっていきたいことの議論を重ねながら、方針にずれが発生しないよう調整を行います。
また定期的なMTGだけでなく、都度上司には時間をもらって課題を相談しています。新しい仕事のため迷うことが頻繁にありますので、その都度課題を解決して少しずつでも前に進めていくようにしています。
弊社は風通しのよい社風で、上司にも気軽に相談ができ問題をすぐに解決しやすいことはよいところだと思っています。

4.取り組んできた施策

ここからは、これまで実施してきた中でも特に成功した施策、改善余地のある施策に分けてご紹介していきます。

成功した施策

データ活用に向けた『お客様に関連するデータの集約/自動連携』
よくある話ですが、弊社でも業務内容や用途によってお客様に関連するデータが、さまざまなシステムに登録され散在している状態でした。「Synergy!の利用状況」「サポートへのお問い合わせ履歴」「ご請求内容」など、お客様に関連するデータをカスタマーサクセス活動に生かしたい! という思いから、顧客情報を管理しているシステムに自動連携し、データを集約した施策です。※2021年実施

どこまでのデータを連携させるか、異なるシステムで管理しているデータをどう連携させるかを検討することは簡単ではありませんでしたが、関係部門と調整をしながら進めていきました。結果、お客様とコンタクトをとる際に利用状況やお問い合わせ状況を確認して事前に会話する内容を考えたり、連携されたデータを使った他の施策を検討/実施したりできるようになり、お客様とのコミュニケーションをより円滑にすることができるようになったと感じています。

少し余談ですが、私はカスタマーサクセスグループに異動前はサポートグループに10年ほど所属していました。そのときからサポートでのお客様との会話内容を連携し、営業担当など関係者で生かすことができたら・・と思っていたので、念願がかなって本当にうれしかったです!
思い入れもあり、私自身こちらのデータ連携の仕組み化、その自動化の実装にも参画したのですが、個人的にとても楽しい仕事でした。

・Synergy!の「基礎」から「全体像」を解説する『講義形式のウェビナー』
Synergy!とはどんなシステムで何ができるのかを解説するウェビナーです。Synergy!には複数の機能があり、新しい機能も定期的にリリースされます。お客様の担当変更があったり、時間の経過とともに一部の機能しか使っておらず、「何ができるかわからない」というお声をいただいていました。
そこで、当初単発で開催していたウェビナーを、現在では毎月1回開催するようにしました。また、セミナー後のアンケートでは参加理由や個別相談のご希望などをお伺いし、お客様の課題を後々に残さないようにする工夫も行っています。各回の参加者数は減ることがなく、お客様のニーズに応えることができていると感じています。

・新規ユーザー様にお届けする『ウェルカムメール』
新規でユーザー登録されたタイミングで、Synergy!へのログイン方法や操作に困った際の弊社のサポート体制についてのご案内をお送りするメールです。本メールはお客様の開封率が40%程度あるため、多くのお客様に情報がお届けできているものと考えています。また、カスタマーサクセスの活動についていろいろな知見を得られたメール施策でもあるので、詳細を別記事にまとめています。ぜひご覧ください。

・一定期間Synergy!を利用していない方に状況を伺う『カサスジャーニーメール』
メールの名称がだいぶ弊社独自のものになっていますが、お客様の体験に合わせて送信するメールということで、この呼び名を付けました。
具体的には「一定期間Synergy!にログインしていない」、「Synergy!の機能の中にあるメール配信の機能を使っていない」お客様に状況を伺うメールを送っています。メールの中には「問題なく利用できている」場合に押していただくボタンを用意して、お客様に手間なく回答していただける工夫をしています。このメールを送信後に「○○の使い方が実はわからないから教えてほしい」、「引き継いで使っていて実はわからないところがある」などのご相談をいただき、解決を手助けすることができました。

改善余地のある施策

・お客様の状態を測る『ヘルススコア』
カスタマーサクセスに取り組み始めた当初「ヘルススコア」にも手を出しました。お客様の利用状況をスコア化して、お困りのお客様を見つけてこちらからお声がけしよう、という施策です。

この施策は2年目に実施したのですが、当時の私たちには早すぎた施策でした。というのも、お客様がどのようにSynergy!を使ってくださったら最大の成果が出せるのか、成功とは何なのかが定義できていなかったためです。
Synergy!には複数の機能があるので、その使い方もお客様により異なります。また、ご利用いただくお客様の業種業態もまちまち・・

そのため成功を定義することはとてもハードルが高く、お客様のスコアを仮で作ってはみたものの信ぴょう性が低く、実際のアクションに落とすことができませんでした。作成したスコアの信ぴょう性が低い場合、スコアも変更して改善を繰り返していくべきですが、それをするにあたってもデータや知見が足りないことに気が付きました。

実際に現場で検証をしたうえで、仮説を立て自動化していくという基本的なところがやはり重要だと気づいた施策です。現状もまだまだ模索中のところはありますが、今後またチャレンジしたい施策の一つです。

・お客様の利用を促進する『コンテンツ企画』
Synergy!を利用されているお客様に向けて、利用促進につながるコンテンツを提供するという企画を立ち上げました。カスタマーサクセス3年目の施策です。どのようなコンテンツを作るとよいかなど、議論を3カ月ほど繰り返し、方向性などを検討していったのですが、最終的にこの企画は進行ストップという状態で止まってしまうことになります。

その理由としては、コンテンツを作るという手段に目が向いてしまい、本当にコンテンツを提供することでお客様の成果につながるのかという仮説を裏付けるデータが不足していたことがひとつの要因です。

また、私は「コンテンツ」とは、活用方法や活用事例などを紹介するWebページのイメージを持っていました。そのためには環境を用意しなければなりません。その場合、ある程度費用もかかってくるため、事前に社内調整や予算取りなどが必要です。しかし、3年目の当時は私以外のカスタマーサクセスのメンバーが一新されて、活動内容も新たにイチから作り上げていく段階だったので、これも検討する時期が早すぎたのではないかと思っています。

長年カスタマーサクセスに取り組んでいるSaaSベンダーさんでは、活用事例などが掲載された既存のお客様専用のWebページを運用されているケースが多いように思っています。弊社に合うかどうかは見極めつつ、こちらも今後あらためて検討していきたい施策の一つです。

5.今後に向けてやりたいこと

ピンポイントですが、「プロダクト・サービスの価値と成果を明確に定義すること」に取り組みたいです。先日、「ALL STAR SAAS FUND様が主催するCS集中講座」(主催:ALL STAR TALENT株式会社)に参加し型を学ばせていただいたことが、今後の弊社のカスタマーサクセスをスケールするにあたり大変学びになりました。

この記事でも何度かお伝えしていますが、Synergy!には複数の用途があり、ご利用されている業種業態もさまざまです。そのため、「プロダクト・サービスの価値と成果を明確に定義すること」が難しいという現状があります。また、カスタマーサクセスに取り組んでいるメンバーにも、それぞれの思いや独自の考えがあるため、何かを決めるときに時間がかかることも多いです。

定義ができるとメンバー間でも同じ意識や芯をもって活動ができます。また、これがうまくはまれば、お客様の成功を後押しする/伴走する活動もスピーディーに、より高い価値を提供できるのではないかと思っています。

いかがでしたでしょうか。
私たちのカスタマーサクセスの取り組みは試行錯誤の連続です。何より自社に合った方法を見つけるのがとても難しい・・・だからこそ取り組みがいのあるお仕事なのかもしれません。

今回の記事では詳細に触れることはできませんでしたが、また定期的に弊社のカスタマーサクセスについて発信していきます!
もし、カスタマーサクセスについて弊社と話してもいいかな、と感じられましたらぜひお気軽にお声がけください。情報交換大歓迎です!


【SaaSビジネス経験談】では、今後、下記の記事を公開予定です!気になる記事がございましたら、ぜひ「シナマケのプロダクト」をフォローして、公開通知をお受け取りください。

 

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