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対話とファシリテーションを成立させるのは「謙虚さ」

過日、教育ファシリテーションに関するイベントに参加してきました。お世話になっているNPO法人様が主催ということで、開催3日前にお誘いを受けたのですが急遽時間を調整しました。

学校の教室の1.5倍くらいの広さの会場にスタッフの方を含めて70名を超える参加者が集合し、その熱気に圧倒されました。

ゲストスピーカーは中学校の先生(お二人)と大学教授の方でした。教育現場でのファシリテーションや対話的授業の実践について知ることができて、とても有意義でした。

印象に残った出来事もありました。ゲストスピーカーのお話の後、近くに座られた参加者の方とグループになって感想を述べ合ったのですが、私が「家庭でパートナーや子供の話を真剣に聞くことができない人は、そもそも対話やファシリテーションの意義を理解できないのではないか」「そういう人が管理職になっている職場ではファシリテーションが浸透しないと思う」と発言したら、皆さん大きくうなずかれてました。

対話やファシリテーションの基本は「傾聴」、つまり相手の話を(否定せずに)最後まで聞くことです。そして、そのベースになるのは、自分と相手は対等だという意識です。「自分の方が偉い」「自分の方が正しい」「自分の考えを(相手は)理解できないだろう」など上から目線で向き合っていたら対話は成り立ちません。相手の年齢や立場に関係なく、誰に対しても目線を平行にできるかどうか、ということです。

人生経験が豊富な人や役職に就いている人、上下関係に厳しい組織や文化に慣れてしまった人、肩書にこだわる人にとって、相手と対等に話をすることは簡単ではないかもしれません。学校でも、先生は生徒より偉いと(無意識に)勘違いをしているケースがまだありそうです。でも、これを変えていかないと、閉塞感が蔓延するだけで、明るい未来を切り拓くことはできません。

対等になれないのは、謙虚さが足りないからです。「自分には知らないことがたくさんある」と実感している人は、年齢に関係なく謙虚です。そういう人は常に何かに挑戦し、そこから新たな学びを得ています。自分より若い人からも学ぶことができます。

ファシリテーションを学んで社会に出てくる若者をがっかりさせない大人でありたい。そのためには、自分には知らないことがたくさんあることを自覚して、謙虚に学び続けるしかない。そのように誓いを新たにした1日でした。

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