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戻れない景色へ

前輪をこぐ

その時点で後輪が回ってくれるかは

こいでいる ぼく自身もわからないのだけど

なるべくテンポよく

0.5ポイントくらい ちからを上乗せして


“ちょっと気持ちいい”けど

どちらかと言うと 

“ちょっとキツい”が本音

だけども なぜだか

こぐ動きを 止められないでいる


ぼくが思いつくかぎり 最高潮で

後輪が回っているイメージをしながら

あの青い海へと続く

やさしい風の通り道を いつも探している

こめかみや 額の熱を癒す

やさしくて そっと触れられるような

そんな風が通る道


カタカタンと 身体を揺らされる石畳

ペコボコと鳴る コンクリの側溝

スリシャリと 行く手を阻む砂道さえ

背中に添う君を まだ覚えている

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ぼくが生きる街の

君が いつかいた街の

見つからない あの道に向かって

ぼくは未だ こぎ続けている









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