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「哲学の先生と人生の話をしよう」で気になったフレーズ④

國分功一郎著「哲学の先生と人生の話をしよう」は読者からの悩みに哲学者の視点から相談に乗っていくオムニバス形式の本だ。

全4回にわたり気になったフレーズを紹介してきた。今回は最終回

前回の記事はこちらから

前回の記事を読まなくても今回の記事は理解できますが、読んでいただけるとこの本の概要が掴みやすくなると思います。

本の内容から派生して僕自身が考えたことを書いているので、是非読んでくれると嬉しいです。


気になったフレーズ

p.191

断固反対して気持ちよくなるのでも、黙って我慢するのでもなく、相手に働きかけて政策を変更させる

言い負かして屈服させたら終わりかっていうとそうではない。軋轢が生じてその後の物事を進めるうえで支障が出てくる。

目的は議論して勝つことではなく、自分の提案をスムーズに進めること。そこを見誤ってはいけない。

ちきりんさんのブログで心に残っているエントリがある。

このエントリの中でちきりんさんは

「負けた方が絶対いい」

「とにかく負けろ」って感じでさえある

とまで言っている。

詳細は実際のちきりんさんのブログを読んでもらうとして。

まとめると、

感情が赴くままに勝ちにいったとして、その影響がどう及ぶのか?まで考えた方がいいよねってこと。


p.197

こういう自己顕示欲の持ち主は、自己顕示欲の発動の激しさゆえに力尽きて、しばしば落ち込むんです。したがって多くの場合、激しい自己主張と激しい落ち込みを繰り返します。

これ、俺じゃねえか!

ふと思い立って、Twitterやnoteに連発で投稿して何の反応も得られず、落ち込んでしばらく投稿しない期間が長引く俺のことじゃねえか!

この相談に対する最後の一文は、

人間は一人でものを考えてると、大抵、碌でもないことになります

とあったので、周りに相談していこうと思った。


p.255

人間性というか、性格というのは、それまでの人生の中での経験が堆積したものです。ですから、それは取り除けないし、堆積したものは変わりません。地層と一緒です。でも、その地層はいまも分厚くなり続けている。だから、既に堆積したものは変わらないけど、これからそこに堆積するものによって、総体としての性格は変化しうる

引用部分が長くて申し訳ない。でも、通して引用することで意味が通じると思ったのでご勘弁を。

まとめると、

今までの性格の土台は変わらないけど、これから積み重ねていく部分は新しく出来るよ

ってことだと思う。


オードリー若林さんのエッセイ「完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込」で「性格は形状記憶合金のようなもの」と書かれている。
つまり、性格はなかなか変えられない。

一方で、大ベストセラー「嫌われる勇気」で解説されている”アドラー心理学”によれば、過去は関係ないとのこと。

「目的論」という考え方なのだが、説明すると長くなるのでここでは省略する。

「嫌われる勇気」では対話形式でわかりやすく書かれているので興味ある人はどうぞ。

中学生の時の自分と比べて、中身は変わっている気はしない。だが、あの頃の自分が今の自分と同じ選択をするかと言われれば、違うと思う。

他人の痛みを知るとか、視野が拡がることで少しずつ変わっている気がする。

若林さんの例えも、アドラー心理学の考えも、”性格”の一側面を言い当てているけれども、個人的には國分さんの例えが一番しっくりきた

「人はいつだって変われる!」なんて、変に希望を持たせず、

かといって

「今後一生変わらない」と絶望させるわけでもない。

ただただフラットな目線で「性格」の本質を表していると思った。


最後に

気になったフレーズについて軽く書こうと思ったら、随分と長くなってしまった。

この本を読んだきっかけはオードリー若林さんが國分功一郎さんの著書「暇と退屈の倫理学」を紹介しており、國分さんに興味を持ったからだ。

現在、「暇と退屈の倫理学」も読んでいるがこれもまた面白い。

ただ400ページ以上あるので骨が折れるけど。

機会があればまた紹介しようと思う。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。


▶過去の記事のリンクはこちら

第1回:https://note.com/swi_switch/n/nca6d8f84bb8c

第2回:https://note.com/swi_switch/n/n22d184333bfc

第3回:https://note.com/swi_switch/n/n2fccd584382d

今回紹介した本のまとめ


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