詩)夏のさざめき
夏が来る、と思うと肩がぎゅっと固くなる
自分が溶けて外気と一体化してしまう暑さを思うと気後れしてしまう
投げやりになって足を投げ出したくなるような熱風は私をおののかせ、夏、という季節の有無を言わせぬ暴力性から逃げ出す算段をさせる
夜気すら私を休ませず、朝が来ると太陽の恒常性にうんざりする季節
アイスバーの四隅が直ぐに丸くなるから家までもたなくて、アスファルトの照り返しの中液体になったチョコレートを頬張る
私を脅かす夏がもうじきやってくる
日に焼けて茶色くなった紫陽花が萎んで落ちればもう直ぐそこだ
カレンダーを数えて思うのはもはやジャンプして夏をとびこえたいという思いばかり
サンダルに足を踏み入れて向かう先はそう
楽しみなど何一つない夏
憂鬱が沸騰して溢れかえる
けど全部ひっくるめて消し飛ばすのがあなたがどんなTシャツを切るのかという楽しみ
ロックなあなたが綿を纏う夏がやって来る
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