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月星真夜(つきぼしまよ)
2024年1月15日 07:08
ある冬の日、ウサギは図書館の中庭で、温かいアールグレイのカップを手の中に包んでいた。そんな彼女の顔は、いくぶん憂いを帯びていた。「ウサギさん、どうかしたの?」と声をかけたカメに、彼女は少しばかり深刻な声色で、「今年の私はどう生きればいいかしら。何か、心の支えになる言葉がほしいの」と答えた。少し考えていたカメは、優しく提案した。「それなら、図書館の分類番号159.8の書架で本を探してごらん。」そ
2024年1月7日 08:41
冬の日差しが眩しい図書館の中で、分類番号589.2の書架にあるバッグの本を手に取っていたウサギは、隣にいたカメの方を向いて突然立ち上がり、「行くわよ」と一言だけ言い残し、本を書架に戻して出口へ急いだ。慌てて後を追うカメとともに、彼女は都会のざわめきの中にあるバッグショップの前に立っていた。その店は落ち着いた雰囲気で、美術品のように丁寧にバッグが置かれていた。彼女はその中の一つのバッグを長く見つ