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月星真夜(つきぼしまよ)
2024年2月2日 07:16
図書館を後にしたウサギは、柔らかな日差しの中で深く息を吸い込んだ。彼女は大きく伸びをしながら「うーん」と思わず口に出していた。「海で泳いで、本に触れて、心も体も満たされたけれど、お腹だけは空っぽね。」カメは彼女の横でゆっくりと頷いた。「そうだね、早く食べる場所を見つけよう」そう言うと、いつもより少しだけ早い足取りで歩き出した。 しかし、ほどなくしてウサギは足を止めた。「ちょっと待って!」彼女の
2024年2月1日 08:02
ブルーの海に囲まれた南の島で、ウサギとカメはサンゴ礁や熱帯魚との出会いに心を躍らせていた。海を後にした二人は、温かな日差しを背にして車で南へ向かった。冬とは思えない暖かさに包まれ、二人は海の風を感じながら、海人の半袖シャツを選んでいた。石垣市街地に着いたウサギとカメは、ビーチサンダルを履きながら、のんびりと街を散策し始めた。二人の目に飛び込んできたのは、交差点の脇にある、青く「730」と書かれ
2024年1月28日 07:36
冬の冷たい息吹が窓ガラスを白く染める中、温もりに満ちた図書館でカメは時を忘れて物語に心を委ねていた。帽子や手袋といった冬の装いは、彼の横に静かに置かれている。そんな彼の元に、震える声で「寒い、寒い、寒い」と囁くウサギが現れた。「こんなに寒いと心まで凍ってしまうわ。暖かさで氷を溶かして欲しいの」とウサギはカメに切望した。カメはゆっくりと顔を上げ、「沖縄の本は分類番号291.9の書架に、ハワイの本