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コラム:遂に気候変動人為説が崩壊した

 昨今、電気自動車(BEV)を普及させようとする動きが盛んであるが、これは多くの一般大衆にとって憂慮すべき事態である。
 もしもエンジン(ICE)車の製造及び販売が出来ない様な状態にでもなれば、先進国の人口の過半数が経済的に困窮し、生命を維持する事すら困難になる筈である。
 「ICE禁止」「BEVにシフトせよ」と叫ぶ行為は、多くの人にとって自殺行為に他ならない。


1.補助金漬け

 「EUがICE禁止を諦めた」という様な報道が踊っている。
 具体的に言うと、CO2と水素を化学的に合成させて精製する、e-Fuelという液体燃料を使用する場合に限り、例外的にICE車の存続を認めるというものである。
 その様な具体性をすっ飛ばし、「ICE存続!」と叫ぶ低級なバカから、「EVシフトの遅れが懸念される」とほざく狡猾なバカまで、正にバカの見本市といった様相を呈している。
 端的に言って、e-Fuelは商業ベースで採算が合っていないし、合う様になる目処も立っていない。だから、今後もe-Fuelしか認められないならば、多くの一般大衆が生命を維持出来ないレベルで経済的に困窮する未来が来る事は、全く変わっていない。

 「商業ベースで採算が合わない」
 「合う目処も立っていない」
 これは何もe-Fuelだけでは無い。
1.電気自動車(BEV)
2.燃料電池車(FCEV)
3.BEV向けの急速充電設備
4.水素燃料インフラ
5.その他、再生可能エネルギー全般
 カーボンニュートラルを実現させる為の手段として候補に上がるもの、全部である。
 因みに、e-Fuelだけで稼働させられるICEについては、多くの自動車メーカが目処を立てており、「e-Fuelを使用可能なICE」は上記の項目には入らない。

 商業ベースで採算に合わない製品を普及させるには、競合する製品を製造禁止に追い込むか、補助金などの政策に頼るしか無い。
 経済効果を産み出していた製品が禁止される事は、経済の後退に直結する。生活に困窮する人が増えるし、税収も減る。
 補助金の財源は税金である。補助金を拡大すればする程、その分多く税金を徴収される訳で、可処分所得が減って経済的にはマイナスである。
 そこへ更に、経済に寄与していた製品を禁止しようと言うのだから、目も当てられない。


2.人権侵害の上に成り立つ中国製バッテリー

 ICEの禁止に合わせて、BEVやFCEVへの補助金を打ち切ったらどうか。ICE車に代わり、BEVやFCEVが全世界で数千万台売れるという状況になるか。
 なる筈が無い。
 その様な事が起こるなら、イタリアやポーランドやブルガリアも文句を言わなかったであろうし、ドイツも土壇場でe-Fuelがどうのと言う必要は無かった筈である。
 大体、莫大な補助金を出し、CO2排出クレジットを始めとする様々な優遇策を設けて、それでも尚普及しないのがBEVでありFCEVである。もっと言うと、e-Fuelなどのカーボンフリーなエネルギーインフラであり、急速充電器であり、水素ステーションな訳である。
 この様な状況で気軽に、「これからはEV」などと言える奴はアホである。(それと同じ位、e-Fuelが認められそうになった程度で「エンジン存続」と叫ぶヤツもアホである。)

 中国の激安BEVを引き合いに出す奴が居る。
 バッテリーの技術向上は著しいと叫ぶ奴も居る。
 原材料が足りないなどと言っていないで、確保する努力をすべきとエラそうにほざく奴も居る。
 この様な意見を言う奴等は、奴隷制を是とする人非人か、何も分かっていないバカか、どちらかと断定して良い。

 例えば、バッテリーに必要なレアアースの採掘量増産はどうするのか。
 採掘作業というのは過酷である。今のご時世、ちょっとやそっとの高給で先進国の若者が選ぶ様な仕事では無い。
 大手一部上場企業の役員並みとは言わないまでも、年収2000万円超が確約出来る程まで報酬を上げるか?それで採算が合うなら、誰も苦労はしない。
 刑務所に収監されている人達にやって貰うか?昨今はその様な人達の人権問題も取り沙汰されるご時世である。採掘作業という時点で健康面のケアに大きな課題を抱えるのに、取り扱うのは猛毒のレアアースである。誰かに強制する時点で、重大な人権問題である。
 その様な人権意識を取り払い、人間を辞めるか?これこそが中国のやり方である。中国製のBEVが安い理由の一端、中国製のバッテリーを採用した瞬間に数百万円の値下げを敢行出来たテスラ車の真実が、これに当たる。


3.欧州委員会

 ここで、2023.3.7に日経ビジネスが掲載した記事を引用してみる。

 これは、フランス・ティメルマンス上級副委員長という老害のインタビュー記事であるが、欧州委員会という人類の敵らしく、実に醜悪な妄言を垂れ流している。
 以下、要点を抜粋してみる。

 私たちは、自動車産業にあまり負担をかけたくありません。なぜなら、自動車産業の投資能力を、35年までにEU市場から姿を消す内燃エンジンに費やすよりも、電動車や水素ベースの燃料電池車に移行するためにできるだけ使ってもらいたいからです。

出典:引用した記事より

 EU市場からICEが姿を消すと、何故分かるのだろうか。欧州委員会が出来るのは提案までである。その提案を飲むか飲まないかは、EU加盟各国の同意が必要である。
 選挙で選ばれた訳でもない、何処の馬の骨とも分からぬ老害が、一体何を勘違いしていると言うのか。

 e-Fuelを認めなければ同意しないとしたドイツ、バイオ燃料まで含めないとおかしいと主張したイタリア、その他にもポーランドやブルガリアが棄権・反対に回った事で、エンジン全廃法案は可決されなかった訳である。
 e-Fuelだけを容認すればドイツが、それに加えてバイオ燃料も容認すれば、ひょっとするとイタリアが賛成に回るかも知れないという状況で、ドイツ1国だけでエンジン「ほぼ」全廃に持ち込めるから、e-Fuelだけを容認した。
 今回の件は、ただ単にそれだけの話である。

「EVシフトは欧州自動車産業の競争力強化に繋がると思うか?」という問いに対し、

 競争力の強化につながると考えています。国際的に何が起こっているのかを見なければなりません。
 (中略)
 中国で何が起こっているかを見てください。中国企業は既に多くの新型EVを発表しています。
 (中略)
 これはもちろん、中国勢が電池産業で持つ優位性を利用し、既存の自動車産業を追い詰めようということでもあるわけです。

出典:引用した記事より

 断言するが、欧州委員会は中国共産党の傀儡である。
 せせこましく個人的な利権を啜る為に、欧州という広大な地域を売った外道である。

 中国のバッテリーが価格的競争力を持つのは、強烈な人権侵害に依るところが非常に大きい訳だが、その中国ですら、BEVを売るのに政策で優遇しなければならず、それでも尚ICEを駆逐出来ないでいる。
 それも、補助金やCO2排出クレジットの様な常套手段に止まらず、ICE車にはナンバープレートをすんなり交付せず抽選にするという様な、唖然とするしか無い手段まで用いた上での結果である。
 老害が褒めちぎる中国だが、補助金を打ち切ったとたんにBEVが売れなくなるという醜態を見せている。北京市などは、あわてて「2023年3月1日から8月31日までの期間に、1年以上、自己名義で登録している乗用車を廃車または他者へ移転登録し、新エネルギー車を購入する消費者に対して最大1万元(約19万円、1元=約19円)の補助金を支給する」などと言い出している。

 何処の国でもそうであるように、中国にとってもBEVの普及は鬼門である。
 欧州が中国に対抗するにあたり、何故にBEVで無ければならんのか。奴らが躍起になってBEVを押すならば、こちらは補助金もなんちゃらクレジットも競合製品に対するナンバープレート出し渋りも無しにバンバン売れる、ICE車で勝負すれば良いだけの話ではないか。


4.崩壊した気候変動人為説

 何故にICE車が駄目なのかというと、欧州委員会にとって心の拠り所となっているのが、気候変動人為説の存在である。経済的にはガソリン車やディーゼル車が良くても、CO2を排出するから駄目という訳である。
 老害の発言をそのまま読み取るならば、
・CO2排出は許容出来ない
・エンジンは排ガスを出すから許容すべきで無い
・エンジンは航空機などの完全電化が困難なものだけを対象とすべき
・e-Fuelは自分達が徹底的に検討したところ、経済的に意味が無い
・だから、BEVとFCEVしか無い
・BEVもFCEVもICE車に取って代わるだけのポテンシャルがある
・だから、自動車メーカはエンジンへの投資を止めるべき
 という事である。
 中国の身の毛もよだつ人権侵害や、優遇策を節操無く出し入れする無様な姿を見れば、この様な意見が如何に的外れであるかが分かろう。

 それにしても、e-Fuelが良くて、バイオ燃料を許容出来ないのはなぜなのか。どちらもCO2を回収して、燃焼時に戻すという概念は同じである。
 何なら、エネルギーを使って大気からCO2を回収し、同じくエネルギーを使って精製した水素と合わせるe-Fuelよりも、植物に光合成を任せられるバイオ燃料の方が、まだしもコスト効果がマシな様に思われる。(カレー味のうんこか、うんこ味のカレーかくらいの違いしか無いが。)
 もっと言えば、e-Fuelは許容出来、水素を燃料とする燃料電池も良いと言っている中で、水素エンジンが駄目なのは何故なのか。
 燃料電池は純度の高い水素でないと駄目だが、水素エンジンならそこそこで良い。こちらも合わせて選択肢に残すべきではないか。

 排ガスが駄目なのか。
 CO2だけでなく、COやらNOxやら未燃ガスやら粒子状物質が出るから駄目なのか。だったら、e-Fuelも駄目なのではないか。もっと言えば昔はディーゼルを推していたが、アレは何だったのか。それと、年間1万台未満の自動車メーカは規制の対象外になるらしいが、それは一体どういう事なのか。

 欧州委員会は気候変動人為説を絶対としているが、CO2排出ゼロ化は喫緊の課題だと言いながら、この為体である。
 「実は、気候変動人為説を自分達は一切信じていなくて、ICEを駆逐出来れば何でも良かったんです」と言っている様なものである。
 左翼、全体主義者というのは、一般大衆にはバカで貧乏なままでいて欲しい。そうでないと、効率よく搾取出来ないからである。
 ICE車を禁止する事で、自動車を所有出来る人間の絶対数が大幅に減る。自動車の生産総数が減る事で社会全体の経済が著しく落ち込む。それによって一般大衆から富と自由が奪われる。
 富と自由が制限されれば、満足な教育を受けられる者が減る。国民を適度にバカ化し、搾取の構図を維持する訳である。

 e-Fuelを容認しながらバイオ燃料や水素エンジンを容認しなかった時点で、少なくとも欧州委員会は、カーボンニュートラルを達成する必要は無いと考えていた事が明るみに出た訳である。
 ICEを駆逐出来、一般大衆から富を奪いバカ化出来れば、何でも良かったという事である。


※追記①

 もっとも気候変動人為説は、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も崩壊している。
 10階建てのビルで言うと、1階の柱の何本かが消失するどころか、1階が丸ごとダルマ落としの様に吹っ飛んでいて、それを必死に仮設材のサポートを数千本集めてきて支えている様な状態である。
 仮設材を次から次へと運んできているのが、IPCCを始めとする気候変動人為説を正しいものとしたい輩であり、その仮設材が何なのかと言えば、気候変動人為説に騙された愚衆である。

 クライメート事件で崩壊し、ホッキョクグマが増えて崩壊し、それを発表した研究者を追放して崩壊し、ポケモン論文で崩壊し、NIPCCやハートランド研究所の存在によって崩壊し、以下の様なデータが公表されまくって崩壊した。

https://wattsupwiththat.com/2014/08/02/global-temperature-update-still-no-global-warming-for-17-years-10-months/

 当ブログでは気候変動人為「説」と書いているが、本当はこの様に書く方が実情に近いと言える。
 気候変動人為「教」

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