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【短編小説】ひなだん

「お母さん、あの大きなお雛様はどうして飾らないの?」
「大きなお雛様?そんなもの、どこあるのよ」
「お外にあるよ、階段のところ」
 私が何かを置き忘れたと思ったのか、母はつっかけで外に出たがすぐに戻ってきた。
「無いわよ、そんなお雛様」
 不思議そうな顔をする母親の後ろに、綺麗な和服を着た女のひとが立っているのが見えた。
じゃあ、あれは何なのだろうか。

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1,119字
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