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「ブランド」とは何か~種類や機能、戦略とは~

経営について学んでいます。今回は「ブランド」について。ブランドとはそもそも何でありどういう種類があるのか、どういった機能をもっているのか、基本戦略についてもまとめていきます。

ブランドとは

米国マーケティング協会の定義によれば「ブランドとは、製品やサービスの生産者や販売者の商品を識別する、名称、記号、シンボル、デザインまたはそれらの組み合わせ」としています。ブランドとはその商品を他のものと区別する、その名前を聞くだけで特定のイメージがわくものです。

ブランドの4機能

ブランドには4つの機能があります。
製品の提供者を明らかにする「出所表示機能」。顧客に品質の判断基準を与える「品質保証機能」。顧客に対するイメージを向上させる「広告宣伝機能」。ブランドそのものが一つの資産となる「資産価値機能」。
高いブランドは大きな資産価値を持っています。ある特定ブランドに対する消費者の忠誠心であるブランドロイヤルティ、単なる性能や機能だけでなく信頼性や雰囲気といった価値を持つ知覚品質、消費者がそのブランドに関して連想できるすべての思いであるブランド連想。これらは簡単に入手することはできません。

ブランドの種類

ブランドには種類があります。

・ナショナル・ブランド(NB:生産者ブランド)
全国的に有名なブランドのこと。国際的に有名なものはインターナショナルブランドとも呼ばれます。

2.プライベート・ブランド(PB:ストアブランド)
ブランドの提供元に料金を払ってそのブランド製品の提供をする、ライセンシングという形態をとります。セブンアンドアイホールディングスやイオングループのトップバリューなどさまざまな流通業者が自社のプライベートブランドを作っています。

ブランド採用戦略

ブランド採用戦略とは、複数の製品を持つ・提供する企業が、製品ライン間の類似性と、標的ラインの類似性を2軸として、どのようにブランド展開をしていくか検討し戦略を立てるものです。

1.ファミリーブランド
ラインイメージや競争地位が同質。またターゲットも同質の場合採用される戦略です。ここに広告宣伝を行うよりも一括に訴求する方が市場に受け入れられやすいため、すべての製品に同じブランドをつけます。
例えば、無印良品がファミリーブランドとなります。企業そのものを表すブラなどが用いられる場合が多いため、コーポレートブランドとも言われます。

2.個別ブランド
ターゲットが異質、またラインイメージや競争地位も異質の場合採用されます。個々の製品に対してブランドをつけます。例えば、花王の製品には同じ洗剤でも、アタックやメリット等があります。ブランド確立に時間と費用がかかりますが、企業内のブランド間競争によって企業業績向上に繋がる可能性もあります。

3.ダブルブランド
ターゲットは同質、ラインイメージや競争地位が異質な場合採用されます。統一的なファミリーブランドと個別ブランドを組み合わせます。例えば、アサヒ・スーパードライ、キリン・一番搾り、キリン・ラガーというようにビール会社がダブルブランドを採用しています。

4.ブランド・プラス・グレード
ターゲットは異質で、ラインイメージや競争地位が同質な場合に採用されます。共通の製品を表すブランドに、ターゲットの違いを表すグレードをつけます。例えば、BMWは3,5,7というようにターゲットの違いを表すグレードをつけています。

5.分割ファミリーブランド
ターゲットおよびラインイメージや競争地位の同質または異質がどれも中程度の場合、製品ラインをわけ、似たような製品ラインをグループ化して、複数のファミリーブランドを付けます。以前の松下電器産業が家電系のナショナルとデジタル系のパナソニックというブランドをもっていたことが分割ファミリーブランドとなります。

ブランド基本戦略

製品が増えてきた場合に、どのようにブランドをつけるか、によって次のような4つのブランド基本戦略が考えられます。

・ライン拡張
既に確立したブランドをマイナーチェンジした製品に使用する戦略。最もリスクが低い。

・ブランド拡張
新しいカテゴリーの製品に既存のブランドをつける戦略。本田はオートバイメーカーだったが自動車やエンジンなど新しい製品にも本田を採用しています。

・マルチブランド
同じカテゴリーの製品に、違うブランドをつける戦略。ネスレはミネラルウォーターの製品カテゴリーにヴィッテルやペリエなど複数のブランドを投入しています。同じ市場で様々な顧客をカバーします。

・新ブランド
新しいカテゴリーの製品に、新しいブランドをつける戦略。

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