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2020年10月の記事一覧

【短編小説】睡蓮に沈む金魚

 睡蓮に喰われる夢を見た。

 睡蓮の蔦が私を縛りつけ、濁った水面へと私を引きづり込んでゆく。
 静かに沈んでいく様に何の抗いも持たず、ただただ目を瞑って流れゆくままに身を任せた。

 半身で感じた水の温度は、感覚を狂わせるほどに冷たい。
 光の届かぬ睡蓮の下で、淀んだ水を肺に詰めながら泥のたまる水底に背中をつける。
 意識が遠のき、ちょうど肺から最後の気泡が漏れ出した瞬間、私はその夢から引き揚げ

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