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2020年7月の記事一覧

「人種差別」を正面から取り上げなかったことは、どう評価されてるのかな?:「トーキング・トゥ・ストレンジャーズ」

「人種差別」を正面から取り上げなかったことは、どう評価されてるのかな?:「トーキング・トゥ・ストレンジャーズ」

・トーキング・トゥ・ストレンジャーズ  「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと
著者:マルコム・グラッドウェル  訳:濱野大道
出版:光文社

2015年7月
サンドラ・ブランドという黒人女性が、テキサス州で軽微な交通違反(方向指示器の出し漏れ)から警官とトラブルになり、逮捕され、勾留所で自殺してしまう。

この事件を取り上げ、そこにある「他者との交流」におけるシステム不全について論

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どう言う方向に進んで行くのか…:読書録「ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ」

どう言う方向に進んで行くのか…:読書録「ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ」

・ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ 扉子と空白の時
著者:三上延
出版:メディアワークス文庫

7巻で綺麗にまとまったビブリア古書堂シリーズ。
「シーズン2とかやらないといいんだけど…」
と思ってたら、始まっちゃいましたw。

構成としては7巻の後に出た「扉子と不思議な客人たち」に近い形。
シリーズの主人公たちの娘(扉子)が「過去」の主人公たちが遭遇した<事件>を聞いたり、読んだりする形となってます。

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まあ、そう言うとこも…w:読書録「一人称単数」

まあ、そう言うとこも…w:読書録「一人称単数」

・一人称単数
著者:村上春樹
出版:文藝春秋

たまたま読む前に林伸次さんの、この村上春樹評(と言うか、「村上春樹ファンの男性に対する女性の評」)を読んでました。

FBに書いた僕のコメント。

<いやぁ、笑ったw。
有料記事ですが、ちょこっと引用。

<で、ここからは僕の想像なのですが、たぶん女性は「村上春樹を好き」という男性を、「ちょっとナルシストで、ちょっと自分を趣味が良くて、世の中を斜めに

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ドラマチックじゃないからこそのインパクト:読書録「82年生まれ、キム・ジヨン」

ドラマチックじゃないからこそのインパクト:読書録「82年生まれ、キム・ジヨン」

・82年生まれ、キム・ジヨン
著者:チョ・ナムジュ 訳:斎藤真理子
出版:筑摩書房

「こりゃ、簡単に感想を書ける本じゃないなぁ」

…ってのが読後の第一印象。
今もそう思ってて、チャントした感想が書ける気がしません。

82年生まれのヒロインの「人生」を辿りながら、
その母親、姉
学生時代の友人、先輩
会社の上司、同僚
等、関わりのあった女性たちの経験や想いなども交差しつつ、現代韓国における女性

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新趣向の解説書?:読書録「フラウの戦争論」

新趣向の解説書?:読書録「フラウの戦争論」

・フラウの戦争論
著者:霧島兵庫
出版:新潮社

「戦争とは他の手段をもってする政治の継続である」

…のクラウゼヴィッツの「戦争論」が書かれる過程を小説仕立てで追いながら、「戦争論」の概要を解説する構図になっている作品。
クラウゼヴィッツ自身が経験した「ナポレオン戦争」の6つの戦いを回想しながら、「戦争とは何なのか」を追いかけつつ、クラウゼヴィッツと妻マリーの穏やかな生活も描くという、なんか変な

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「愛の不時着」に泣かされ、
「鬼滅」に泣かされ…。