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書記の読書記録まとめ

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今までに読んだ本についてのレビュー。 ブクログ:https://booklog.jp/users/9512a62a15b04973
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2021年11月の記事一覧

書記の読書記録#338『調性音楽のシェンカー分析』

アレン・キャドウォーラダー/デイヴィッド・ガニェ(訳:角倉一朗)『調性音楽のシェンカー分析』のレビュー レビューオーストリアの音楽学者ハインリヒ・シェンカーが提唱した音楽理論についての,具体例を通した解説本。 もくじ第1部 基本原理  第1章 序論  第2章 旋律と対位法  第3章 バス・ラインと和声構造  第4章 線的技法  第5章 調的構造  第6章 旋律延長の技法  第7章 基本構造の基礎的な労作 第2部 分析の応用  シェンカー理論の形式観  第8章  1部分形

書記の読書記録#337『経営学入門』(上下巻)

榊原 清則『経営学入門』のレビュー レビューとりあえず題名通りのテキストで,新書サイズで携帯に向いている。最後に経営学の歴史をまとめている点が良い。 もくじ上巻 Ⅰ 経営学とは何か  1 企業を対象とする学  2 組織としての企業  3 企業の戦略  4 本書の構成 Ⅱ 組織行動論――ミクロ組織論  1 個人行動  2 集団活動  3 リーダーシップと管理者行動 Ⅲ 組織理論――マクロ組織論  1 組織構造  2 組織構造の機能分析  3 組織のデザイン Ⅳ 経営

書記の読書記録#336『医学的研究のデザイン 研究の質を高める疫学的アプローチ 第4版』

木原雅子,木原正博(訳)『医学的研究のデザイン 研究の質を高める疫学的アプローチ 第4版』のレビュー レビュー臨床研究の方法について焦点の当てられた教科書で,『NIH 臨床研究の基本と実際』をより手軽にした感じ。 もくじ第Ⅰ部 基本的要素 1,さあ、始めよう:医学的研究の「解剖学」と「生理学」 2,研究テーマと研究計画の作成を考える 3,研究対象者を選ぶ:対象者の定義とサンプリングと集め方 4,測定方法を計画する:定度、真度、正当性 5,サンプルサイズを見積もるための準備

書記の読書記録#335『バイオ画像解析手とり足とりガイド』

小林 徹也,青木 一洋(編集)『バイオ画像解析 手とり足とりガイド』のレビュー レビュー画像解析のデータを解釈する機会があるので読んでみたが,手元で試せることも多く実際に動かしてみようという気にもなった。 もくじ第1章 画像解析の予備知識 〜備えあれば憂いなし 1)バイオ画像解析のオーバービュー【小林徹也】 2)画像解析の前に考えるべきこと【青木一洋】 3)画像解析ソフトの環境紹介 〜ImageJ,MetaMorph,MATLAB〜【新井由之/青木一洋/小林徹也】 4)画

書記の読書記録#334『学術出版の来た道』

有田正規『学術出版の来た道』のレビュー レビューオープンアクセス,プレプリント,そして最近ではCovid-19など,最近になっても変化の激しい業界である。その歴史が科学とどう結びついているのか,簡潔にまとめられた本。 もくじ第1章 学術出版とは何か  学術出版の利益率/出版の簡単な歴史 第2章 論文ができるまで  論文の執筆/文献の調査/抄録誌と索引/論文の審査と査読/査読の仕組み/ピア・レビューの導入は1970年代/アインシュタインはピア・レビューが嫌い?/論文校閲と

書記の読書記録#333『入門 統計的因果推論』

Judea Pearl・Madelyn Glymour・Nicholas P. Jewell(訳:落海浩)『入門 統計的因果推論』のレビュー レビューグラフィカルモデルをはじめとした因果推論の手法に関する教科書で,条件つき確率をベースに組み立てていく。 もくじ1. 序論:統計モデルと因果モデル  なぜ因果を学ぶのか  Simpsonのパラドックス  確率と統計  グラフ  構造的因果モデル 2. グラフィカルモデルとその応用  モデルとデータの関係  連鎖経路と分岐経路

書記の読書記録#332『相分離生物学』

白木 賢太郎『相分離生物学』のレビュー レビュー自身の関心から見ると,様々な病態を引き起こすプリオンに+面があることが興味深かった。細胞生物学および分子生物学の発展的分野,また生物物理学の分野として目を通しておくべき。 もくじ1.は じ め に 1・1 膜のないオルガネラと液-液相分離 1・2 相分離生物学 2.情報伝達と液-液相分離 2・1 セントラルドグマとアンフィンセンドグマ 2・2 染色体はどのようにして凝縮した構造を形成するのか? 2・3 エピジェネティックな

書記の読書記録#331『族長の秋』

ガブリエル・マルシア=ガルケス(訳:鼓 直)『族長の秋』のレビュー レビューガブリエル・ホセ・デ・ラ・コンコルディア・ガルシア・マルケス(Gabriel José de la Concordia García Márquez, 1928年3月6日 - 2014年4月17日)は,コロンビアの作家・小説家。架空の都市マコンドを舞台にした作品を中心に魔術的リアリズムの旗手として数々の作家に多大な影響を与える。1982年にノーベル文学賞受賞。(Wikipediaより引用) 大統領

書記の読書記録#330『阻害剤活用ハンドブック―作用機序・生理機能などの重要データがわかる』

『阻害剤活用ハンドブック―作用機序・生理機能などの重要データがわかる』のレビュー レビュー主に細胞実験に用いる試薬のうち,阻害剤についてのカタログ的な本。薬理作用や使用法,入手方法などがまとまっている。最新版は必携。 もくじ序 【秋山 徹 河府和義】 第1章 プロテインキナーゼ(PKC/PKA/PKG/CK/Rhoキナーゼ等)関連阻害剤 【岸田昭世 菊池 章】 1)PKC阻害剤 2)PKA阻害剤 3)PKG阻害剤 4)CK阻害剤 5)Rhoキナーゼ阻害剤 第2章 Gタンパ

書記の読書記録#329『生命金属ダイナミクス―生体内における金属の挙動と制御』

津本浩平・城宜嗣(監修)『生命金属ダイナミクス―生体内における金属の挙動と制御』のレビュー レビューメタロニクスに関する簡単なレビューが集められた本。ただ高価なのが惜しい,ここでは詳細のもくじを載せた。 もくじ第1章 維持─生命と金属─ 第1節 二価鉄輸送体DMT1 研究から鉄シャペロンの発見に至る細胞内鉄輸送機構の解析    《簗取 いずみ,岸 文雄》   1.要旨   2.背景─鉄関連分子の発見史   3.体内での鉄動態   4.鉄取り込み制御機構   5.二価鉄輸

書記の読書記録#328『はじめての社会保障〔第18版〕』

椋野 美智子・田中 耕太郎『はじめての社会保障〔第18版〕』のレビュー レビュー社会保障はファイナンシャルプランナーでも扱う分野で,制度を暗記するのでなくその考え方に重きを置いたテキスト。 もくじ 序 章 社会保障の見取り図 第1章 医療保険──病気やけがをしたら 第2章 生活保護と社会福祉制度──人らしい生活を保障する 第3章 介護保険──介護サービスを利用しやすく 第4章 年 金──老後の生活費は 第5章 雇用保険──失業したら 第6章 労働者災害補償保険──働く場

書記の読書記録#327『ユダヤ教入門』

ニコラス・デ・ラーンジュ(訳:柄谷 凛)『ユダヤ教入門』のレビュー レビュー著者はケンブリッジ大学のヘブライ語およびユダヤ教研究の教授であり,ユダヤ教に関する本の翻訳も行なっている。本書では歴史や文化を学ぶのはもちろん,現代における問題点についても考えることになる(ただし原著は2001年出版とやや古い)。 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#326『初めての酵素化学』

井上國世(監修)『初めての酵素化学』のレビュー レビュー生化学を学習して,さらに酵素に興味を持った人にはちょうど良い教科書だろう。特に酵素反応速度論については細かい説明がある。 もくじ 第1章 酵素とは何か? 1 酵素は生体の化学反応を触媒する生体物質である 2 酵素の特性  3 酵素は広範な学問分野と密接に関係している 4 酵素を実感する 5 酵素化学が21世紀において期待されることは多い 6 タンパク質の多彩な機能 7 生体反応には多くの酵素が関与している 8 酵素化

書記の読書記録#325『記号論理学』

加藤 浩・土屋 俊『記号論理学』のレビュー レビュー記号論理学としては,一階述語言語についてタブロー法を中心に解説される。後半にある日本語での推論との比較も面白い。 もくじ論理学とは何か 記号を使う 記号・式・命題 命題の意味 推論の妥当性を厳密に定義する タブローによる妥当性のチェック 多重量化 日本語から形式言語への翻訳 数を数える命題 日本語の推論の妥当性 タブローの方法の健全性と完全性 役立つ記号論理学 本記事のもくじはこちら: