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書記の読書記録まとめ

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今までに読んだ本についてのレビュー。 ブクログ:https://booklog.jp/users/9512a62a15b04973
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記事一覧

書記の読書記録2024.4.9『双曲幾何学への招待: 複素数で視る』 『理系の文章術 今日から役立つ科学ライティング入門 (ブルーバックス)』 『論文図表を読む作法〜はじめて出会う実験&解析法も正しく解釈!生命科学・医学論文をスラスラ読むためのFigure事典 (実験医学別冊)』

1 谷口 雅彦,奥村 善英『双曲幾何学への招待: 複素数で視る』のレビュー レビュー双曲幾何学に特化した数少ない教科書の一つ。前半は複素数をベースに双曲平面の性質を示す入門で,後半は群や多様体への応用の話題。 もくじ1 合同変換・相似変換と鏡映変換 2 リーマン球面と立体射影 3 メビウス変換と等角性 4 球面上の幾何学 5 双曲平面と双曲幾何学 6 双曲三角法と双曲多角形 7 双曲タイル貼りとフックス群 8 2次元双曲多様体とタイヒミュラー空間 9 双曲空間とクライン

書記の読書記録2024.4.8『細胞培養入門ノート (無敵のバイオテクニカルシリーズ)』

井出 利憲,田原 栄俊『細胞培養入門ノート (無敵のバイオテクニカルシリーズ)』のレビュー レビュー器具の使い方や無菌操作などの細胞培養の基本的な手技について,実習形式でまとめた教科書。細胞実験をやる研究室配属された時にまず読むべき本の一つで,やや内容は古いが現在でも十分通じるところが多い。 もくじ事前講義 細胞培養の基礎知識を学ぼう! 講義1● 細胞培養とは 講義2● 培養細胞の種類と特徴 1 細胞の一般的な性質 2 代表的な培養細胞 講義3●細胞培養でよく使

書記の読書記録2024.4.6『make:Electronics(Make:APROJECTS)』 『グラフィック マクロ経済学 第3版 (Graphic Textbook グラフィック「経済学」 2)』

1 Charles Platt(訳:鴨澤 眞夫)『make:Electronics(Make:APROJECTS)』のレビュー レビュー多くがブレッドボードでできる電子工作であり,各素子の役割を手を動かしながら理解する構成。 もくじまえがき 1章|基本 1章で必要なもの 実験1:電気を味わえ! 実験2:電池を濫用しよう! 実験3:初めての回路 実験4:可変抵抗器 実験5:電池を作ろう 2章|スイッチング 2章で必要なもの 実験6:非常に単純なスイッチング 実験7:リ

書記の読書記録2024.4.5『物価とは何か (講談社選書メチエ)』

渡辺努『物価とは何か (講談社選書メチエ)』のレビュー レビュー物価に関する経済学について,学部〜大学院レベルの高度な内容を一般人向けに書いている。「多は異なり」を表すモデルについてもいくつか取り上げられている。 もくじはじめに 第1章 物価から何がわかるのか 第2章 何が物価を動かすのか 第3章 物価は制御できるのか――進化する理論、変化する政策 第4章 なぜデフレから抜け出せないのか――動かぬ物価の謎 第5章 物価理論はどうなっていくのか――インフレもデフレもない社会

書記の読書記録2024.4.4『会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語 (日本経済新聞出版)』

田中靖浩『会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語 (日本経済新聞出版)』のレビュー レビュー会計学における歴史的重要性の高い概念について,イタリア・オランダ・イギリス・アメリカの歴史を組み合わせて解説した本。読み物として扱う分には,読みやすい本だと思う。 もくじ第1部 簿記と会社の誕生 「3枚の絵画」 15世紀イタリアから17世紀オランダへ 銀行革命/簿記革命/会社革命 第2部 財務会計の歴史 「3つの発明」 19世紀イギリスから20世紀アメリカ、

書記の読書記録2024.4.3『シンセサイザー入門Rev.2 音作りが分かるシンセの教科書』

松前 公高『シンセサイザー入門Rev.2 音作りが分かるシンセの教科書』のレビュー レビューシンセサイザーに関する基礎知識が簡単にまとめられた入門書で,汎用的な知識の紹介が多め。 もくじPart1 シンセのパーツはたったこれだけ Part2 ちょっと突っ込んだ使い方 Part3 ビンテージシンセ・ギャラリー Part4 音作りの実例 Part5 シンセにまつわるQ&A Appendix シンセ名盤48! 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録2024.4.2『グローバル経済の歴史』 『ミクロ経済理論 第2版 (有斐閣アルマ)』

1 河﨑 信樹,村上 衛,山本 千映『グローバル経済の歴史』のレビュー レビュー経済における世界史が網羅された教科書で,各国史を学習するにあたって知っておくべき全体像が得られる。 もくじ序 章 グローバル化の経済史 第1部 前・近代の経済:グローバル化へのあゆみ  第1章 グローバル化以前の世界経済(~15世紀)  第2章 グローバル化の開始(16世紀)  第3章 危機の時代(17世紀)  第4章 近世経済の成立(18世紀) 第2部 長い19世紀:グローバル経済の成立

書記の読書記録2024.4.1『決壊』 『錬金術の歴史: 秘めたるわざの思想と図像 創元世界史ライブラリー』

1 平野啓一郎『決壊』のレビュー レビュー一犯罪を取り巻く人々の悲哀がよく書かれている作品。崇を待ち受ける運命はただひたすら暗鬱であるが,それだけに共感をする人も多いのだろう。 ただ各出来事がダイジェスト的にまとめられており,もっとやってくれれば面白いところなのに……という場面が多かった。オチは無難にまとめられているが,そこで問題提起が終わってしまうのはもったいなく思う。 著者の哲学講義は確かに魅力的ではあるが,華麗な修辞による重厚感の演出かもしれず,神学などの学問か

書記の読書記録2024.3.30『スタディガイド入門マクロ経済学 第5版: 中谷巌「入門マクロ経済学」「第5版」の要点解説・問題集』 『法思想史 (有斐閣アルマ Advanced)』

1 大竹 文雄『スタディガイド入門マクロ経済学 第5版: 中谷巌「入門マクロ経済学」「第5版」の要点解説・問題集』のレビュー レビュー中谷マクロ経済学に基づいた問題集であり,正誤問題・選択問題・計算・記述式とバリエーションがある。中谷マクロ経済学に限らず様々な教科書に併せて使うと良い。 もくじ計算問題のための準備 Part 1 イントロダクション 1 日本経済はどう動いてきたか 2 GDPの概念と物価指数 3 マクロ経済学における「短期」と「長期」 Part

書記の読書記録2024.3.28『法社会学 第3版 (有斐閣アルマSpecialized)』

村山 眞維,濱野 亮『法社会学 第3版 (有斐閣アルマSpecialized)』のレビュー レビュー現代において法はどう社会に結びついているか,法は人々にどう影響しているか,等についてまとめられた教科書で,どう法及び社会を改善すべきかの手がかりとなる。 もくじ序 論 法社会学とはどのような科目か 第1章 法社会学における法の概念 第2章 法専門職 第3章 民事司法過程 第4章 刑事司法過程 第5章 行政過程 第6章 日本の法と社会 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録2024.3.27『キリスト教思想史入門: 歴史神学概説』

アリスター・E.マクグラス(訳:神代真砂実,関川泰寛)『キリスト教思想史入門: 歴史神学概説』のレビュー レビュー神学の研究における重要なポイントがまとめられた後に,テーマごとに詳細が解説される。世界史を一通り知っているなら同著者『キリスト教神学入門』よりは取っ付きやすい。 もくじ序章(「神学」の概念―手短な序;神学の構造 ほか) 第1章 教父時代―一〇〇‐四五一年頃(教父時代の概要;用語の解説 ほか) 第2章 中世とルネサンス―五〇〇‐一五〇〇年頃(中世の誕生;修道制の

書記の読書記録2024.3.26『雲の中では何が起こっているのか (BERET SCIENCE)』 『マクロ経済学 新版 (New Liberal Arts Selection)』

1 荒木 健太郎『雲の中では何が起こっているのか (BERET SCIENCE)』のレビュー レビュー雲に関する物理現象について,数式を極力排して擬人化を用いた解説をしている。 もくじ第1章 雲を楽しむための基礎 第2章 目で見て楽しむ雲と空 第3章 微粒子から雲、雲から降水へ 第4章 雲の性格と一生 第5章 気象災害を引き起こす雲 第6章 雲をつかもうとしている話 2 齊藤誠,岩本康志,太田聰一,柴田章久『マクロ経済学 新版 (New Liberal Arts S

書記の読書記録2024.3.25『行政法〔第3版〕』

宇賀克也『行政法〔第3版〕』のレビュー レビュー通称「宇賀レインボー」,全3巻からなる宇賀『行政法概説』を1冊でまとめたような内容。「サクハシ」と同レベルの教科書で,基本書は好みで選べば良さよう。 もくじ 第1章 行政法の基礎理論 第2章 行政活動における法的仕組み 第3章 行政組織法総論 第4章 行政情報の収集・管理・利用 第5章 行政上の義務の実効性確保 第6章 行政の行為形式 第7章 行政手続 第8章 行政上の不服申立て 第9章 行政訴訟 第10章 国家補償法 本

書記の読書記録2024.3.22『ゼミナール日本経済入門 第25版』

三橋 規宏『ゼミナール日本経済入門 第25版』のレビュー レビュー日本経済の現状・理解するための基礎理論(主にマクロ経済学)・統計から読み取れること,の3つに分けて,9つのテーマから日本経済を見ていく教科書。 もくじ序章 日本経済TODAY 2 景気の謎を解く 3 新成長の設計 4 物価と市場経済 5 人口減少時代の財政 6 金融システムの再構築 7 国際経済と日本の貿易 8 グローバリゼーション下の円 9 変わる産業構造 10 経営革新と雇用問題 11 地球環境問題を考