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【読書感想】2030年の世界地図帳

こんばんは!

1日1 noteと決めているのですが、本日読んだ本の内容忘れないうちに感想を書き記しておこうと思い、2記事目です。

本日読んだのは、落合陽一氏の「2030年の地図帳」。出版は2019年11月で、このコロナ騒動が未だ始まっていない頃に遡ります。新型コロナウィルスの流行が世界へもたらした影響は計り知れないものですが、その影響力の大きさ故に、ついついコロナ影響のみに囚われたやや近視眼的なモノの見方をしてしまいがちですが、他方で気候変動、貧困、教育格差、その他のグローバルな視点で解決すべき問題は山積みである中、昨今のSDGsの取り組みやESG投資の加速化に代表される世界全体の大きな潮流を掴むのに良いかと思い読んでみました。

【内容と感想】

・本書では主に2030年の世界各国の動向・経済成長を代表とする各種指標の推移をデータに基づき現実的に予測したもので、中国が引き続き成長を続けていく中、インドもそれに追随して肉薄。米国は首位を維持し、日本はじわじわと陥落していくといったもので、その予測内容自体は昨今ではごく常識的とも言える内容。これらについては単なる定量データのみならず、地政学や歴史的背景にも則り説明しているところが本書の面白い、且つ理解の助けとなっている。

・中でも興味深かったのは、アフリカが未だ発展途上国から脱却できない理由を歴史的・地政学的事情を踏まえて説明したもので、これが非常にわかりやすい。尚、アフリカにおいては、電線インフラの未整備故に固定電話ではなく携帯電話が先に発達するなど、他地域とは全く異なる形での発展の仕方を見せているなど、未知の可能性を秘めている(先進国にテクノロジー導入するのと、効用が全く異なる場合がある)。キャッシュレスの分野では日本などの先進国より発展している地域もあり、こういった新しい形での進化を遂げている地域にGAFAMに代表されるテクノロジー企業が進出することでの全く新しい形での成長が期待される。

・経済成長とそれを梃子にしたテクノロジーを主軸とする米中に対し、欧州はCOP21に見られるようないわば先進的な思想、それを伝播させる文化、継続的な歴史に由来するブランド戦略と言った、理念の部分で存在感を発揮。これに対して日本は米中に資本で対抗することは不可能も、SDGsの理念に則り、環境負荷を最大限抑えたテクノロジーを推し進める、いわば両者の中間を取るような形で世界をリードしていく余地がある、というもの。この発想は非常に国土・資源の限られた日本にfitし、勝負できる場所を見つけていくことは非常に重要。

・尚、SDGsと経済成長という一見、二律背反にも思えるが決してそうではないこれら2つの概念をどう調和的に発展させていくかというのも本書の読者に向けられたテーマ。日本の個人ベースではSDGsは未だ綺麗事のように捉えられることも少なくないテーマではあるが、昨今のESG投資の増加、投資家の方針にも見られるようにもこれらが世界のスタンダードな理念にもありつつことを認識した上で、これを単なる利益追及の阻害要因ではなく、これをどう日本の成長に昇華させていくか、日本企業、ひいてはビジネスマン個々が真剣に考えていく必要がある。


纏まりないですがこのへんで。それでは!

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