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作った曲が、すでにある曲に似いていた 「クリプトムネジア」

作った曲が、すでにある曲に似いていた

自分で考え出したと思っていた曲や詩やアイデアが、世に出してみると「すでにあるものと酷似している。盗作だ」と指摘されてしまう。時々あることですが、これは意図した盗作でない場合があります。本人が、記憶したことを忘れているが、しかし記憶がある場合、「思い出した」にも関わらず、「思いついた」と思い込むことが原因です。これを「クリプトムネジア」といいます。


クリプトムネジア

クリプトムネジア(Cryptomnesia)とは

人から聞いた話や過去に本で読んだ話を、自分で経験したように思い込む現象

です。意図した盗用ではなく、記憶を今初めて得たインスピレーションのように思い込むことです。アイデア、曲などについて起こる記憶のバイアスです。cryptomnesiaという言葉は、ギリシャ語のcryptos(隠された、隠蔽された、秘密の)とmnesia(記憶)の合成語です。カール・グスタフ・ユングも論文でニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』の現象を示唆しています。

ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』

ユングは、『人間とその象徴』の中でニーチェのクリプトムネジアについて触れています。フリードリヒ・ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』には、ニーチェが執筆する半世紀前の1835年頃に出版された本に掲載されていた出来事が、ほとんど一言一句違わずに書かれていました。これは、意図的な盗用でもなければ、単なる偶然の一致でもないと考えられています。ニーチェの妹は、彼が若い頃、おそらく12歳から15歳の間に、確かに元の記述を読んだことを証言しています。ニーチェの若い頃の知的能力、後の認知機能の低下、それに伴う心理的な悪化が相まって、彼が最初に読んだ時にたまたまその文章を記憶に留め、後にそれに出会った記憶を失った後に、自分の頭がそれを作ったと思い込んだ可能性が高いとユングは述べています。


対策・応用

クリプトムネジアを知っておく

この知識が、自分を疑うきっかけになるから。


認知バイアス

認知バイアスとは進化の過程で得た武器のバグの部分。紹介した認知バイアスは、スズキアキラの「認知バイアス大全」にまとめていきます。


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参照

※1:Cryptomnesia

※2

#科学 #ビジネス #ビジネススキル #エグゼクティブ #経営者 #生産性 #オフィス #認知バイアス

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