10歳から30歳までのことをよく思い出す 「レミニセンスバンプ」
レミニセンスバンプ
レミニセンスバンプ (Reminiscence bump）とは、
10歳から30歳までの出来事をよく思い出す傾向
です。40歳以上の高齢者が、青年期や成人期前半に起こった出来事の記憶が増えたり、強化されたりする傾向です。レミニセンスとは、「思い出すこと」という意味であり、バンプは、「コブ」という意味です。
こちらの図は、年齢と記憶の量の関係を示したものです。十歳までは、幼少期の記憶喪失が見られ、そこから30歳までは、よく覚えている「記憶のコブ」が見られます。それ以降は、減り、残りは、現在と近いためによく覚えている状態になります。この傾向は、さまざまな研究条件で再現されています。
思春期では、アイデンティティの変化がおき、それ以降も30歳ごろにむけて、人生の目標が変化し、卒業、就職、結婚、出産などの人生の主だった出来事が起こる期間のため、この間に記憶の蓄積量が増加するために起こる記憶の蓄積によって、このレミニセンスバンプが発生します。
好きな本や映画、音楽にもレミニセンス・バンプが見られる
好きな本や映画などにも、このレミニセンス・バンプが見られ、10歳から30歳のころに触れたものの記憶が、その他の期間に比べて多いことがわかっていまます（※１）。
記憶の性差
男性は、30代で、ポジティブなライフ・イベントを経験し、女性は20代でポジティブなライフ・イベントを経験する傾向があることが2010年に行われた研究でわかっています（※２）。この差は、本質的には思春期のホルモン変化が女性のほうが早いために起こると考えられています。
対策・応用
特になし
関連した認知バイアスなど
•バラ色の回顧（Rosy retrospection）
過去の出来事を、その時点での評価よりも良い評価の記憶として思い出す現象。
認知バイアス
認知バイアスとは進化の過程で得た武器のバグの部分。紹介した認知バイアスは、スズキアキラの「認知バイアス大全」にまとめていきます。
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参照
※２：Leist, A. K.; Ferring, D.; Filipp, S. H.; et al. (2010). "Remembering positive and negative life events: Associations with future time perspective and functions of autobiographical memory"
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